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東芝、全録再定義のタイムシフト4K TV「REGZA J20X」
43型24万円~。HDD拡張やNetflix 4K対応の新モデル
(2015/7/29 11:00)
東芝ライフスタイルは、全録タイムシフトマシン対応などで機能強化した4K液晶テレビ「REGZA J20Xシリーズ」を8月12日より発売する。43型「43J20X」、49型「49J20X」、55型「55J20X」の3モデル展開で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は43型が24万円前後、49型が29万円前後、55型が34万円前後。
従来のJ10Xシリーズとの違いは、6チャンネル同時録画機能「タイムシフトマシン」を新搭載したほか、画質の強化やHDR対応、著作権保護技術「SeeQVault」対応など。全面直下型LEDや広色域パネルなど画質面の主な特徴はJ10Xを踏襲しながら、HD映像などを高品位にアップコンバートする「4Kマスターリファイン」の強化などで、画質を向上している。
最上位Z10Xシリーズとの主な違いは、液晶パネルのほか、直下型LEDの部分駆動(ローカルディミング)が省かれているほか、4Kチューナが非搭載となることなど。
直下型LED+広色域。HDR対応も
液晶パネルは、55/49/43型のいずれも3,840×2,160ドットの4K解像度で、IPS方式。広色域パネルと直下型LEDバックライト(全面直下LED)を採用し、倍速駆動に対応する。
LEDの部分制御技術(ローカルディミング)は省略されたが、バックライトにあわせて映像のガンマなどをダイナミックに制御する、「ダイナミックグローバルディミング」により、黒の締りやピーク輝度の向上を図っており、今後登場予定のHDR(ハイダイナミックレンジ)コンテンツもサポート。2016年2月のソフトウェア・アップデートで、HDRに対応する予定。
映像エンジンは「4KレグザエンジンHDR」(J10XはレグザエンジンCEVO 4K)に一新し、特に「4Kマスターリファイン」により4Kアップコンバート画質を強化。色再現性も向上し、DCI(デジタルシネマ)-P3規格のほか、BT.2020相当の表示も行なえる。
4Kマスターリファインは、撮影するカメラによって異なる高輝度領域の圧縮特性を推測/復元することで、白く輝く部分をより立体的に表現し、オーバーホワイト領域の復元効果を向上する「アドバンスドHDR復元」、彩度に合わせ輝度の高域成分を補正し、色の濃い映像の質感やテクスチャ向上を図る「インテリジェントカラーテクスチャ復元」、斜めジャギーを抑えながらエッジ補正により文字をスッキリ表示する「グラフィックスエッジクリア」などから構成。アップコンバート時の画質を向上する。
'16年2月のHDR対応アップデートでは、Ultra HD Blu-rayなどで採用されるEOTF(Electro Optical Transfer Function)のST.2084規格に準拠し、UHD Blu-rayのHDR映像表示に対応。また、HDMI入力のバージョンもHDR対応のHDMI 2.0aとなる。
HDMI入力は4系統で、4K/60pや著作権保護技術のHDCP 2.2をサポート。4K放送チューナの信号にも対応する。また、「4K瞬速ゲームダイレクト」に対応し、4Kテレビで最速という低遅延約0.05フレーム(約0.83ms)を実現。操作タイミングが重要なレースや格闘ゲームでのレスポンスを高めている。
タイムシフトマシンをJシリーズ初搭載。専用HDDも。BSは3系統
最大6チャンネルのデジタル放送番組を常時録画できるタイムシフトマシン機能も搭載。タイムシフト用のHDDは別売だが、新たに東芝ブランドのHDDを用意。また、従来のタイムシフトマシン録画では、2本のUSBケーブル接続が必要となっていたが、ソフトウェアの改善により1本でのUSBケーブル接続に対応し、接続を容易にした。
チューナは、タイムシフトマシン用と通常録画用に別れており、タイムシフト用は地上デジタルが6系統、通常録画用は地上デジタルが3系統、BS/110度CSデジタルは新たに3系統に強化された(Z10X/J10Xは2系統)。タイムシフト、通常録画ともに対応のUSB HDDを別途追加する必要がある。
録画用HDDとして、レグザ純正USB HDDも9月上旬より順次発売。タイムシフトと通常録画に対応した「Dシリーズ」は2.5TB(タイムシフトマシン2TB、通常録画500GB)の「THD-250D2」と、5TB(タイムシフトマシン4TB、通常録画1TB)の「THD-500D2」、タイムシフトマシン/通常録画で2TBの「THD-200V2」、同3TBの「THD-300V2」を用意する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は28,000円~65,000円前後。
新たに、タイムシフトマシンの録画時間設定も簡単になり、平日のゴールデン/プライムと休日の情報番組や、子供向けに昼のドラマや午後の子供番組など、ライフスタイルに合わせたサンプル設定をメニュー画面に用意。生活スタイルにあわせて、録画時間を選択できる。
タイムシフトマシンの録画方式はMPEG-2 TSのみだが、J20XではタイムシフトマシンHDDの増設にも対応。4TB HDD(約80時間録画)に3TB HDDを増設した場合、合計で140時間のタイムシフト録画が行なえる。
また、J20Xシリーズでは、タイムシフトマシンを再定義。放送中の番組を頭だしできる「始めにジャンプ」、放送済みの過去番組表から見たい番組を選んで再生する「過去番組表」、リモコンのボタンを押すだけで画面下などにおすすめ番組を表示する「ざんまいスマートアクセス」の3つの番組アクセス機能の総称を「タイムシフトマシン」とし、リモコンのボタンも「始めにジャンプ」、[過去番組表]、[ざんまい]の3種類を用意した。
ざんまいスマートアクセスも進化し、GUIを一新。横軸でタイムシフトや録画番組、これからの番組などをレコメンドしてくれる他、縦軸でアニメ/特撮、ドラマ、映画、ニュース/報道などのジャンル選択が可能となる。ジャンルはユーザーによる選択も可能となった。
Z10Xより概ね強化されたJ20Xのタイムシフトマシンだが、省略された機能は、リモコンからの音声検索。Z10Xでは、リモコンの[ボイス]ボタンを押しながら「サッカーが見たい」など音声を入力すると、録画番組やYouTubeから関連コンテンツを検索できたが、J20Xでは省かれている。
また、G20Xシリーズから追加された「みるコレ」にも対応。好きなジャンルや人物、番組などの関連番組/コンテンツを[パック]として管理し、パックを選択すると、録画番組や未来番組(今後放送予定)、YouTube、シーンなどから見たい番組を選べる機能で、例えば最新アニメのパックを選べば、関連のアニメ番組を一気に録画できる。録画はタイムシフトマシンではなく、通常録画となる。
「好きなアーティスト」、「いつも見ているドラマ」、「応援しているチーム」など5万以上のパックから好みのものをピックアップできる。また、最新の録画番組をピックアップして、すぐに視聴できる「すぐみる」や、よく視聴している番組の最新回をすぐに選べる「いつもの番組」なども用意している。
著作権保護技術のSeeQVaultにも10月のソフトウェア・アップデートで対応予定。通常のUSB HDD録画では、録画番組は録画したテレビ/レコーダでしか再生できないが、SeeQVaultでバックアップしたUSB HDDの場合、J20X以外のSeeQVault対応のレグザーブルーレイなどでも再生でき、将来のテレビ買い替え時にも、対応製品であればそのまま録画番組を引き継げる。また、SDメモリーカードにダビングして、SeeQVault対応のDynabookで再生することも可能。
また、東芝独自仕様として、通常録画(ダビング10)で録画して、あとで残したい番組だけをSeeQVault形式に変換する機能も備えている。
NetflixやひかりTV 4Kにも対応
DLNAサーバー機能や、レグザクラウドサービス「TimeOn」、放送/通信連携サービス「ハイブリッドキャスト(HybridCast)」などに対応。また、4K映像配信サービスは「Netflix」や「ひかりTV 4K」、「4Kアクトビラ」に対応。NetflixとひかりTV 4Kは9月のアップデートで対応、4Kアクトビラは年内に対応予定としている。
スピーカーは3×9.6cmのフルレンジユニット2基で、出力は合計20W。クリア音声機能やサウンドチューニング/ピーク信号補正により、バランスの取れたサウンドを再現するとしている。
入力は4K/60p、HDCP 2.2対応のHDMI×4のほか、コンポジット映像とアナログ音声を各1系統装備。光デジタル音声出力とヘッドフォン出力も備える。USB端子は4系統。
消費電力は、55型が200W(リモコン待機時0.4W)、49型が179W(同)、43型が157W(同)。年間消費電力量は、55型から順に125kWh/年、118kWh/年、104kWh/年。外形寸法と重量は、55型が124.1×24.7×77.2cm(幅×奥行き×高さ)、18.5kg。49型が110.5×24.7×69.5cm(同)、16㎏。43型が97.2×23.2×62.1cm(同)、13.5kg。