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ソニー、こだわりのハイレゾウォークマン「NW-ZX100」

67,000円。脱Androidで小型化&長時間再生

 ソニーは、小型化と長時間再生にこだわりながら音質を追求したウォークマン上位モデル「NW-ZX100」を10月10日より発売する。価格はオープンプライスで店頭予想価格は67,000円前後。

NW-ZX100

 2013年発売の「NW-ZX1」後継と位置づけられるハイレゾウォークマン。ZXシリーズの音へのこだわりは踏襲しながら、小型化や長時間駆動を実現した点が特徴。NW-ZX1や最上位機NW-ZX2ではAndroid OSを採用していたが、バッテリ駆動時間を優先させ、NW-ZX100は組み込み系のOSに変更。最大約45時間のハイレゾ(192kHz/24bit FLAC)音源再生に対応する。

コンパクトかつ長時間利用が可能に。

NW-ZX100
側面に操作ボタン

 ウォークマンZXシリーズの高音質を踏襲しながら、最上位モデルのZX2より体積比で約70%の小型化。外形寸法/重量は、120.1×54.4×15.4mm/約145gと、NW-ZX2(131.2×65.1×18.5mm/約235g)より軽量/コンパクトになっている。

 ディスプレイは3型液晶。Androndではないためタッチ操作には対応しないが、液晶下部に設定や各種アプリのショートカットを用意。その下部のBACK、OPTIONボタンと操作パッド、側面の再生/停止、ボリュームボタンなどのハードウェアキーを用いて操作を行なう。

ショートカットキー
液晶下に操作ボタン
側面のボタン

 NW-ZX100では、デジタルノイズキャンセル機能も内蔵。別売の「MDR-NW750N」(実売12,000円)利用時には、ハイレゾ再生とNCを両立して音楽を楽しめる。

NW-ZX100。MDR-NW750NでハイレゾとNCを両立
microSDカードスロットを装備

 内蔵メモリは128GBで、メモリ拡張用のmicroSDカードスロットも装備。最大128GBのカード(microSDXC)を追加できる。

 対応音楽フォーマットは、FLAC、Apple Lossless、AIFF、WAV、MP3、AAC、WMA、ATRAC、DSD。ハイレゾ楽曲は、192kHz/24bitのFLAC、Apple Lossless、WAV、AIFFと、2.8/5.6MHzのDSDのPCM変換再生に対応する。

 またDSDの楽曲やジャンルに合わせ、2つの音質特性を選べるデジタルフィルタを新搭載。DSD特有の柔らかさや温かみのある音で、ボーカルや弦楽器に適しているという「スローロールオフ」と、明瞭なアタック感やエネルギッシュな音が特徴な「シャープロールオフ」が選択できる。楽曲管理ソフトウェアはWindows用に「Media Go」を提供する。

DSD音質設定
2つのフィルタを選択できる

 アンプはソニー独自の「S-Master HX」で、ヘッドフォン出力は15mW×2ch(16Ω)。圧縮音源やCD音源を、192kHz/24bit化しながら高域補間などを適用し、音の再現性を向上する「DSEE HX」も搭載する。

ZXのノウハウを継承/進化

 ZXシリーズの音質へのこだわりを継承しながら進化。シャーシや基板素材、はんだ、コンデンサなど音質を追求して設計。ZX1のエネルギッシュでスピード感ある音を踏襲しながら、さらなる高音質を目指したという。

左からZX2、ZX1、ZX100
ZX1(下)よりもZX100が一回り小さい
厚みの比較
モノコック構造のアルミ切削シャーシを採用

 シャーシは、アルミ切削筐体と一体化したモノコック構造を採用。高い剛性を持たせることで安定した音質を実現するほか、グランドも強化されよりクリアな低音再生を可能にしたという。また、シャーシの一部に銅メッキ+金メッキを施したステンレス鋼版を採用。グランド強化により、低音の力強さを向上した。

 プリント基板も音質にこだわり、ビア部分を銅メッキで穴埋めすることで、電源の安定化や、配線インピーダンスを低減。より引き締まった低音や伸びやかな高音、透明感有るボーカル再現などに寄与したという。

プリント基板やはんだの改善で音質を向上

 新高純度無鉛はんだを採用し、低域、中、高域の自然なバランスや、臨場感を向上。また、カスタム品の導電ビスの採用により、基板を通る電気信号が安定。より引き締まった低音を実現するという。

 ZXシリーズで培ってきた高音質設計を踏襲。フィルムコンデンサの採用、低抵抗ケーブル/保護回路の採用、厚膜銅箔プリント基板やOFCケーブル採用など、ZX2と同等の音質改善を行なっている。OS-CONは4基搭載し、引き締まった低音を実現。クロックは、ZX2と同様に、48kHz系と44.1kHz系の2つの専用の水晶発振器を搭載。44.1/88.2/176.4kHz再生時には44.1kHz系を、48/96/192kHz再生時は48kHz系クロックを利用し、透明感ある音を実現するという。

ハイレゾ45時間再生。LDAC対応

 ZX100では、OS変更に伴い、動画再生機能や写真アプリなどは削除。音楽専用プレーヤーと位置づけられた。無線LANも備えていない。

 Bluetoothも搭載。プロファイルはA2DP/AVRCP/OPP/HID/SPPをサポートする。ソニー独自のBluetoothコーデック「LDAC」に対応。対応機器間同士で、より高音質なワイヤレス音楽再生を可能にする。NFCによるワンタッチペアリングにも対応する。

 パソコンや外部機器と接続する際に利用する「WM-Port」は、デジタル音声出力に対応。ポータブルアンプ「PHA-3」などの対応機器にデジタル信号のまま出力できる。

背面にNFCを装備
ヘッドフォンジャックとWM-Port

 バッテリ駆動時間は、MP3(128kbps)で約70時間、FLACが45時間(192kHz/24bit)。重量は約145g。付属品はUSBケーブルやスペーサー、キャリングポーチなど。

 専用の本革ケース「CKL-NWZX100」も10月10日に発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は6,500円前後。左開きのフタ付き構造で、片手でウォークマンの操作が行える。

 また、特殊加工の保護シート「PRF-NWH30」も用意。傷や汚れに強いハードコーティング仕様のシートで、店頭予想価格は1,500円前後。

本革ケース「CKL-NWZX100」
保護シート「PRF-NWH30」
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NW-ZX100

(臼田勤哉)