ニュース

アクションカムの映像を簡単に編集できる「PowerDirector 14」

 サイバーリンクは、ビデオ編集ソフトの新バージョンとして「PowerDirector 14」を9月15日より順次発売する。ダウンロード版は9月15日発売、パッケージ版は10月9日発売。最上位の「Ultimate Suite」はダウンロード版が19,246円。ダウンロード限定の上位版「Ultimate」が14,796円。標準の「Ultra」が12,019円。エントリー版で機能限定の「Standard」は7,852円で販売する。対応OSはWindows Vista/7/8/8.1/10。

 各バージョンの価格は記事の最後にまとめている。

PowerDirector 14。左からUltimate Suite/Ultimate/Ultra
Director Suite 4

 また、ダウンロード版提供となる音響編集ソフト「AudioDirector 6」とカラーグレーディングソフト「ColorDirector 4」も、各11,093円(通常版)で発売する。アップグレード版は各8,315円。

 PowerDirector 14と上記2ソフトに加え、新発売のPhotoDirector 7(ダウンロード版は9月15日発売)をセットにしたプロ向けの「Director Suite 4」も用意。ダウンロード提供で、価格は24,981円。

PowerDirector 14 Ultimate Suite
PowerDirector 14 Ultra

アクションカム動画の編集を1ウィンドウで行なえるPowerDirector 14

アクションカメラセンターのウィンドウ

 PowerDirector 14 Ultra以上の上位版には、新たに「アクションカメラセンター」を搭載。1つのウィンドウ内に、広角レンズによる画像の歪曲補正や、ホワイトバランス補正/カラープリセットによる色調編集、手ブレ補正といった、アクションカメラで撮影した動画の編集でよく使われる機能を集約。広角レンズ特有の歪みや、雪の白さ、水中の青さといった色の調整を手軽に行なえる。ユーザーから寄せられたPowerDirectorシリーズへの要望のひとつとして追加された機能。

機能の概要
パズルピースのアイコンやタイムラインから呼び出せる
通常の動画編集モード
アクションカメラ動画の調整前と後の比較

 レンズ補正機能ではGoProやソニー、リコーといったメーカーごとにプロファイルを用意。まだ対応していないアクションカメラや、今後登場する新製品などのプロファイルについても、同社Webサイトで随時用意し、ダウンロードできるようにするという。アクションカメラ動画に限定したものではなく、スマートフォン/タブレットなどで撮影した動画なども、アクションカメラセンターから編集可能。

 また、スポーツ動画向けのスローモーション作成機能も搭載。メニューから「タイムシフトの作成」を選ぶと、スローモーションを作成したり、一つのカットに複数のスローモーションを入れ込むことができる。アクションカメラなどで撮影した120/240fpsハイフレームレート動画にも対応し、スムーズなスローモーション再生を実現。リピート/逆再生/再生速度の調整/ストップモーション効果の付与も行なえる。

GoProやソニー、リコーといったメーカーごとにプロファイルを用意
スローモーション作成機能も搭載
クイックプロジェクトで動画にオープニング/エンディングなどを付けられる

 「スポーツ」、「旅行」、「ウェディング」といった、用途に合わせた動画のテンプレート素材「クイックプロジェクト」も用意。オープニングやエンディングといったシーンごとに、あらかじめ作成された映像テンプレートが用意され、画面下部のタイムラインに配置される。ユーザーは撮影映像をその上に配置していくだけで好みの映像を作成可能。動画の長さ(尺)も自動調整される。

 新たにモーショントラッキング機能も搭載。映像の中で、動く被写体にテキストやモザイクなどのエフェクトをかけ、自動追従させることができる。トラッキング枠のサイズは、被写体の大きさや遠近移動による変化にあわせて自動調整される。複数の被写体へのトラッキングや、映像の上に別の画像/動画を重ねることも可能。

新搭載のモーショントラッキング機能
被写体の大きさや遠近移動による変化にあわせてトラッキング枠のサイズを自動調整

 パソコンの画面を録画する「スクリーンレコーダ」も新搭載し、システム音声や外部マイクによるナレーションを入れて、ソフトの操作方法の解説動画などを手軽に作成可能。マウスでポイントした箇所が見つけやすいように、自動で位置表示のエフェクトが付与される。

 500以上の映像エフェクトを備え、新たなトランジションも追加。幾何学模様と透過効果を使ったものや、タイトル文字遷移用のパーティクル(粒子状)効果などを搭載している。

幾何学模様と透過効果を使った新トランジション
タイトル文字遷移用のパーティクル(粒子状)効果

 入力対応フォーマットは4K解像度のMPEG-4 AVC/H.264やHEVC/H.265、120/240fpsのMP4、XAVC S、AVCHD 3D/Progressive。新たにFLAC音源の編集に対応する。

 ソフトウェアのパフォーマンス面では、第6世代Intel Coreプロセッサ(Skylake)に対応。「TrueVelocity 5」エンジンのほか、Ultra以上の上位版ではスマートビデオレンダリング(SVRT 4)を備え、出力時の処理速度を向上。HEVC/H.265や120/240fpsのハイフレームレート動画(MP4)をより高速に出力できるという。2枚のビデオカードを使った、マルチGPGPUによるハードウェアアクセラレーションにも対応。

入力フォーマットでは新たにFLAC音源に対応
SVRTで出力時のレンダリング要不要を自動判断し高速化

 独自のクラウドストレージサービス「サイバーリンク クラウド」にも対応。Direct Suite 4とPowerDirector 14 Ultimate Suiteで40GB、Ultimate/Ultraで20GBの1年間無料使用権がそれぞれ付与される。クラウドは有料で容量追加や使用期間の延長も可能。

PowerDirector 14の新機能・改善点
新製品の機能別構成

 このほか、Android/Windows 8.1タブレット対応アプリ「PowerDirector Mobile」も引き続き提供。タッチ操作で映像の取り込み・編集・動画出力まで行なえる。前述のアクションカムセンターは非搭載だが、今後対応を検討しているという。

PowerDirector Mobileの機能
タブレットでPowerDirector Mobileを使用しているところ
製品発表会では新製品「PhotoDirector 7」も発表。Suite/Ultra版では、新たに最大100枚までのレイヤー編集機能を備える
PhotoDirector 7のパッケージ

ColorDirectorは円形フィルター、AudioDirectorはスピーチ同調

 PowerDirectorと連携する周辺ソフトもバージョンアップ。色編集ソフト「ColorDirector 4」は、新たにグラデーションマスク(円形フィルター)を搭載。画面周辺にレンズによる周辺光量落ちのような効果などをつけられるようになった。色かぶりやぼかしといった新フィルターも搭載。120/240fpsのハイフレームレートMP4や、XAVC Sフォーマットの読み込みにも新対応する。また、HEVC/H.265のハードウェアエンコードにも対応可能。

ColorDirector 4の新機能・改善点
円形フィルター機能で周辺光量落ちのような効果も

 音声編集ソフト「AudioDirector 6」は、スピーチ同調機能を新搭載。騒がしい場所でのスピーチなどの動画に、別録りした音源をスムーズに同調(リップシンク)させ、入れ替えることができる。ループ録音やメトロノーム機能といった、音声の録り直しに適した機能も追加した。またBPMのタイムライン表示にも対応した。

AudioDirector 6の新機能・改善点
動画音声とアフレコ音声をシンクロさせるスピーチ同調機能
製品名ダウンロード版価格パッケージ版価格
発売日9月15日10月9日
Director Suite 424,981円-
Director Suite 4 アップグレード版18,500円-
PowerDirector 14
Ultimate Suite
19,426円19,500円
PowerDirector 14
Ultimate Suite アップグレード版
12,019円14,000円
PowerDirector 14
Ultimate Suite アカデミック版
-12,000円
PowerDirector 14
Ultimate
14,796円-
PowerDirector 14
Ultimate アップグレード版
11,093円-
PowerDirector 14
Ultra
12,019円14,500円
PowerDirector 14
Ultra アップグレード版
8,778円9,000円
PowerDirector 14
Ultra 公認テクニカルガイドブック版
-16,500円
PowerDirector 14
Ultra アカデミック版
-8,000円
PowerDirector 14
Standard
7,852円4,850円

(庄司亮一)