【スマホLIFE】DIGAをiPhoneで操作する「ビイトル」

タイムバー操作が便利な無線LANリモコン


 新コーナー「スマホLIFE」では、スマートフォン/タブレットを活用したAV機器の使いこなしや、ユニークなアプリ/サービスを紹介します(編集部)

ビイトル

 2010年後半ごろからAV機器の一つのトレンドとなっているのが、スマートフォンを「無線LANリモコン」として利用するという提案だ。テレビやレコーダなど、各社でスマートフォンとAV機器の連携が進んでいる。

 その中でも、積極的に各社が対応しているのがBlu-rayレコーダ。レコーダ本体でも上位機では無線LANの搭載が進んでいるが、スマートフォンをレコーダの無線LANリモコンとして利用できる機種が増加。レコーダのシェア上位4社のうち、パナソニック、東芝、ソニーの3社のレコーダが対応している。

 パナソニック「ブルーレイDIGA」向けに提供されているのが、Beeが開発した「ビイトル」というDIGA用iPhoneアプリだ。


対応のブルーレイDIGA「DMR-BZT700」

 ビイトルは、iPhone、iPod touch、iPadから無線LAN経由でDIGAを操作可能とするiOS用アプリで、ホームネットワーク内のDIGAの録画コンテンツを一覧表示できる。iPhone/iPod touchなどで選択したコンテンツの再生操作が可能で、タッチパネルを活かし、スライドバーによる再生位置の指定や、チャプタスキップ、1.3倍速再生、30秒スキップ、10秒戻しなどの操作が行なえる。

 対応DIGAは、2009年秋以降のモデル。ネットワーク通信設定など、いくつか設定項目があるものの、Beeのホームページで細かく解説されており、PCでWebを確認しながら設定すればそれほど難しくはない。

 録画/再生関連の主要なDIGAの操作はビイトルから行なえる。録画番組の呼び出しも瞬時に行なえ、番組を選択して再生するまでのタイムラグも1秒程度だ。チューナのチャンネル切替も2秒弱程度で、普通のリモコン操作とあまり変わらない速度で操作できる。

 ただし、「録画リストを出して、単純に再生する」、「早送り/戻し」といった利用頻度の高い操作であれば、個人的には通常のリモコンのほうが使いやすいと思う。また、録画リスト画面などメニュー画面をDIGA側で表示している最中はビイトルからの操作を受け付けないので、少々わかりにくく感じる。

 ビイトルの真価を感じるのは、スライドバーによる番組スキップだ。1時間番組で、30分ぐらいを頭出ししたい場合、通常のリモコンでは「ひたすら早送り」する、もしくは「チャプタ スキップを連打」していくなど、複数回のボタン操作が必要になる。しかし、スライドバーだと、iPhoneのタッチパネルを操作して、スクロールバーの中央あたりを指定するだけで、約30分のスキップができるのだ。


利用するDIGAを選択DIGAの録画リストを確認タイムバーをスライドして、任意のポイントを選んで、スキップできるのが便利録画リストから絞り込み検索できる
放送波切替も可能チャンネル切り替えDIMORAの呼び出しショートカットもDIMORAで複数のDIGAを管理

 例えばWOWOWなどのBSの音楽番組などはCMがないため、自分でチャプタを設定しない限り、チャプタスキップなども使えない。「あのコンサートの中盤の曲が聞きたい」といった時に、簡単に早送りできる。特に2時間近いコンサートなどでは重宝する。同様に、CM無しの音楽番組で、アーティストが変わるごとにチャプタを付与したい時なども、ビイトルのタイムバーを使って大まかにスキップしたい箇所に移動し、細かい調整とチャプタ付与はリモコンで行なえるなど、複数の操作系があることで使い勝手の向上が実感できる。

 リモコンが見つからないけれど、すぐに録画番組を見たいという場合でも、DIGAの基本操作が行なえる。個人的にも1カ月に1度ぐらいは活用しており、バックアップのリモコンがあるという安心感がうれしい。また、DIGAの遠隔操作サービス「ディモーラ(DIMORA)」用のショートカットとして利用できる。ネットワーク経由で録画予約できるだけでなく、番組視聴を妨げることなく録画予約できる。なお、DIMORAも3月にスマートフォン対応を予定している(現在はSafariからPCページにアクセス)。DIMORAとともにiPhone/iPod touchとDIGAのユーザーにはビイトルは必須のアプリといえる。

 2月14日にはDIMORAに加え、録画番組を特定のポイントを選んで再生したり、番組情報からシーン検索できる「ミモーラ(MIMORA)」という新サービスもDIGA向けに始まった。ビイトルでは、まだこれらの機能の対応はしていないが、DIGAをスマートフォンから操作するという点では、将来的な広がりも期待できそうだ。


【ビイトル】
(App Storeで見る)
発売元Bee
対応機器iPhone/iPod touch/iPad
OSiOS 4.0以降
バージョン
(公開日)
version 1.4.0
価格無料

(2011年 3月 1日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]