西川善司の大画面☆マニア

第202回

最安4Kテレビ? 40型4K VIERA「TH-40AX700」の実力を検証

PCと組み合わせたパーソナルモニター化も魅力

 「テレビの花形」はもちろん大画面である。なので、最新のテレビトレンドである「4K」も、当然「大画面」と結びつけられて新製品が投入されてきた。だが、50インチサイズ以上のテレビ製品で一通り4Kモデルがそろうと、今度は、4Kがニッチな方向にも向かい始める。

 そう、40インチあたりの中画面サイズへの4K展開だ。40インチ前後の4Kテレビは、実勢価格で10万円台前半から購入できるものが増えており、30インチ前後のPC向け4Kモニタが同価格帯ということを考えると、かなりお買い得感があって引き合いも強い。

 今回は、40型の4Kテレビとしては最も価格が安いことから、注目度を増しているパナソニックの「TH-40AX700」を取り上げる。

40型の「TH-40AX700」。パーソナルユースで大きすぎない大画面という感じで、リビングにおいてもそれなりの大画面感は得られる

 このクラスは、パーソナル4Kモニターとしての引き合いも強いことから、そのあたりの視線の評価も織り交ぜていくことにしたい。

設置性チェック〜スリムで軽量。省電力性能も優秀

 TH-40AX700の画面サイズは88.5×49.8cm。視距離を60cmくらいとれば、画面全体を視線移動だけで見渡せる。首を大きく動かすほどではない。

 額縁は上辺が約10mm、左右辺が13mm、下辺18mmで、映像を映すと遠目には映像フレームそのものが浮かんで見えるほどの狭額縁デザインとなっている。

室内への映り込みは皆無ではないが、くっきり見えるというほどではない。分類的には「ハーフグレア」と言うことになるかと思う。照明や窓と相対する位置には設置しない方がいいだろう
上下額縁はつや消し調の金属フレームで、左右額縁は光沢のあるプラスチック製だ

 本体サイズはスタンド込みで91.9×20.2×58.2cm(幅×奥行き×高さ)。スタンドの幅は40型に見合う幅広さがあるが、奥行きは、一般的な液晶モニターと同程度で、普通にデスクトップに置けそうだ。

 接地面から下辺までの隙間は約37mm。ブルーレイパッケージを3段重ね分くらいの隙間だ。下辺額縁がわずか18mmということもあって、表示画面の下辺は接地面に対して相当に低い位置に来ることになる。つまり、視距離60cm程度では画面下部は相当に「見下ろし視線」で見る事になる。もちろん、リビング設置の際には大して気になることはないと思う。

スタンドは以前本連載で紹介した4K/40型のREGZA 40J9Xとそっくり。スタンド幅は約54cm

 スタンドは完全リジッド接続で、首振り機構や上下角度調整機構の類はない。ローボード設置時などは、かなり画面が低い位置に来そうなので、上下角度調整はあってもよかったかも知れない。実際、PCモニタとして活用する際にはスタンドの前部を嵩上げするなどして、やや上向きにした方が使いやすかった。

 重量はスタンド込みで約11kg。成人男性であれば、一人で持ち上げて設置することができるはず。今回の評価では、筆者一人で自宅二階に運搬し、一人でスタンド部への組み付けが難なく行なえた。

 スピーカーは本体下部に下向きに内蔵されたインビジブルデザインを採用。となれば音響性能はそれほど高くないようなイメージを抱きそうだが、テレビとしては必要十分な音質になっている。大口径スピーカーユニットを備えた上級モデルと比較すれば、低音がやや弱く、音像のワイド感、ステレオ感は乏しいが、出力スペックは20W(10W+10W)あるので、音量を上げたときにも、パワフルな音を出せていた。HDMI接続してPCモニターとして活用した場合もPCスピーカーとして十分活用できると思う。

ディスプレイ部は奥行き約6cm
背面部。壁掛け設置金具の穴は200×200(mm)タイプ。ボルトはM6に対応

 定格消費電力は133W。年間消費電力量は106kWh/年。競合ともいえる、40型4Kの東芝REGZA 40J9Xの同230W、同150kwh/年と比較すると省エネ性能に優れている。

接続性チェック〜 3系統がHDMI 2.0/HDCP 2.2対応。D端子も

 接続端子パネルは本体正面向かって左側と側面にレイアウトされている。

背面接続端子部。上位4K VIERAにあるDiaplyPort端子がないのはちょっと残念。D端子を備えるのは最近の機種としては貴重かも?

 HDMI入力端子は3系統あり、その全てが背面側となる。ゲーム機や携帯情報機器などのHDMI接続が一般化している昨今において、側面側にHDMIがないのは最近の機種としては珍しい。

 HDMI端子は全てがHDMI 2.0とHDCP 2.2規格に対応するため、4K/60Hz表示、さらに4Kチューナ機器との接続も可能となっている。実際にソニーの4Kチューナ「FMP-X7」を接続したところ、全てのHDMI端子でその映像を映すことが出来た。なお、ARC(オーディオリターンチャンネル)にはHDMI 1/2のみが対応となっており、AVアンプやサウンドバーはここに接続することになる。実際に確認してみたところ、これは「HDMI1、2の両方がARC対応」ではなく、設定で「HDMI1、2のどちらかをARC対応に選択設定できる」という仕様になっていた。

HDCPバージョンをHDMI端子ごとに設定できるのがユニーク
ARC対応HDMI端子を選択設定可能

 3Dテレビの提唱者でもあるパナソニックのVIERAシリーズでありながら、TH-40AX700は3D立体視には非対応。3D立体視オプション製品にも対応しない。一部テレビメーカーは上位機であっても3D立体視を外しつつあるが、パナソニックの4K VIERA製品で非対応となったのは少々驚かされる。

 PCやゲーム機との接続時に問題となる、オーバースキャン設定、HDMI階調レベル(RGBレンジ)設定については、ちゃんと設定項目が用意されている。前者は「映像調整」-「画面の設定」-「オーバースキャン」にて、後者は「映像調整」-「オプション機能」-「HDMI RGBレンジ設定」にて設定が行なえる。

HDMI階調レベルの設定。「エンハンス」が「0-255」対応、「スタンダード」が「16-235」対応

 アナログビデオ入力は1系統のみだが、コンポジットビデオ入力のほかにD端子(D4入力)も備えているのが特徴的。最近のテレビ製品はD端子を装備していない機種が増加傾向にあるので、旧世代機器との接続性を重視するユーザーにとってはありがたいポイントだ。ただ、コンポジット入力とD4入力は同一系統扱いのD4優先の排他仕様なので両端子を同時運用することはできない。

 このアナログビデオ入力には、赤白端子のアナログステレオ音声入力も付随するが、当然、コンポジット入力とD4入力の兼用仕様である。また、この音声入力はHDMI1、2、3用のアナログ音声入力端子としても利用できる。

 音声出力端子は側面にイヤフォン用としてステレオミニジャックが1系統、背面に光デジタル出力端子を1系統備える。イヤフォンは、2画面機能を使用した場合、左右どちらの画面をここに出力するかの設定が行なえるようになっていた。

側面側の接続端子パネル。USB端子やSDカードスロットなどを備える。側面にHDMIがないのは珍しい

 IEEE 802.11a/b/g/nに準拠した無線LANのほか、Ethernetの有線LANも備えている。AX700シリーズは自然言語検索にクラウドシステムを使うのでインターネット接続は必須と言える。是非ともインターネットに接続したいところ。

 SDカードスロットはSDXCまで対応。SDカードに記録された静止画、動画、音声楽曲は、AX700で直に再生することが可能。対応ファイル形式としては静止画はJPEG、動画はMPEG-1、2、4、MKV、FLVなども再生可能だ。音声楽曲はMP3,WAVのほか、FLACの再生にも対応する。メディア適応能力はなかなか高いと言えそうだ。

 USB端子は側面にUSB 2.0を2系統装備。うち1系統はUSB HDD接続専用端子で、USB HDD登録台数は8台までとなっているが、USBハブを介した同時複数接続には対応しない。1台のハードディスクの最大容量は3TBとなっている(2014年12月時点)。

 もう一つの汎用USB端子は、別売りのビデオチャット用カメラ「TY-CC20W」を接続できる。取扱説明書には記載されていないが、筆者の実験ではUSBキーボードの接続が確認できた。文字入力の他、テンキーによる番組切換もできたりして、意外に便利であった。

 低遅延の「ゲームモード」も搭載。いつものように約3ms、60Hz(60fps)時0.2フレーム遅延の東芝REGZA「26ZP2」との遅延比較を行なってみたところ、TH-40AX700の「ゲームモード」時の遅延時間は約50msとなった。これは60Hz時、約3フレームの遅延時間となる。最近の多くのテレビ製品が約1フレーム前後に縮めてきていることを考えるともう少しがんばってほしい気はする。

低遅延を実現する「ゲームモード」を搭載するが、競合機と比較すると遅延量は大きい。
台のPCからの出力を分配器を使用して26ZP2(右)とTH-40AX700(左)に接続。右の26ZP2の方が約50ms進んでいるため、左のTH-40AX700はそれだけ遅れていると言うこと。

操作性チェック〜音声入力リモコン搭載。自然言語による高度な番組検索が可能。

 電源オン時に地デジ放送画面が出てくるまでの所要時間は約4.5秒。それほど待たされている感はないが、最近の機種としてはやや遅めか。

 地デジ放送のチャンネル切換所要時間は約2.0秒。これは標準的な早さだ。

標準リモコン。最近のVIERAで採用されているデザインだ

 HDMI入力の切換所要時間は約7.5秒。これは最近の機種としてはかなり遅め。

 リモコンは通常の数字ボタン付きのリモコンと、音声入力用マイク付きのタッチリモコンの2つが付属する。数字ボタン付きのリモコンは近年のVIERA用のリモコンとして採用されてきたものそのままのものになる。

 音声入力対応タッチリモコンは、小振りなパソコン用のマウスくらいの大きさのもので、中央に円形のタッチパッドをあしらった物になる。音声入力はマイクアイコンのボタンを押してからこのリモコンを口に近づけて話しかけるようにして使う。タッチパッドは指をスライドさせたり、タップさせたりして使う。円形の枠をなぞればスクロール操作も行える。丁度、パナソニックのノートパソコン「Let's note」のタッチパッドに近い操作感覚だ。

 さて、一風変わったリモコンと標準リモコンとを2つ付属させるテレビ製品は1980年代から存在するのだが、未だかつて成功した例がない。これは「ただでさえテーブルの上がリモコンだらけになる昨今、1つの製品に2つのリモコンを置くことに気が進まない」「結局、使用頻度の高い普通のリモコンの方しか使わなくなるから」などの理由からだが、果たしてAX700ではどうなのか。

音声入力対応タッチリモコン。別体ではなく、標準リモコンにこの機能を組み込んで欲しかった

 結論から言えば、今回の評価期間中もやはり、普通のリモコンの方が直観的で分かりやすく使用頻度が高くなり、タッチリモコンには音声入力の評価以外ではあまり手を伸ばすことがなかった。

 もちろん、音声入力機能自体は特定状況下では便利。だが「●チャンネルに切り換えたい」という場合、マイクに向かってチャンネル名をしゃべるよりも数字ボタンを直に押した方が切換が早い。当たり前だ。

 では、音声入力機能自体が使えないかというと、決してそんなことはない。クラウド機能を使った自然言語による「【女優名】が見たい」「お笑い番組が見たい」「紅白歌合戦が見たい」というような番組検索には音声コマンドは非常に便利だった。

 筆者なりの意見を述べさせてもらえれば、今は2つに分かれてしまっているリモコンを単純に1つに統合すれば万事解決なのではないかと思う。

「パナソニックのCMを見たい」と音声検索を掛けたところYouTubeからピックアップしてきてくれた。すごい!
音声検索は電子番組表に対してチャンネル横断・BS/CS/地デジ縦断検索が可能。画面は「ガンダムが見たい」と話したときの検索結果。便利である

 実際にテレビ視聴用途で使っていて感心したのは、最近のVIERAが推している「マイホーム」機能。「マイホーム」機能の1つ、「テレビのホーム」では、現在選局されている画面を大きめのプレビュー画面にライブ表示したまま、現在放送中の別番組をこれまた小さなプレビュー画面でライブプレビューしながらザッピングできるのだ。「見てもいいかな」と思える番組を大きめのプレビュー画面にキープしながら、別番組をそのライブ映像を見ながら探せるのが便利であった。

画質チェック〜超解像の品質が向上

 TH-40AX700はVA型液晶パネルを採用する。解像度は4Kの3,840×2,160ピクセル。

 VA型はIPS型に比べて視線角度変移に対する輝度や色変移が起きやすい(平易にいうと視野角が狭い)といわれるが、実際にTH-40AX700の映像を見た感じでは、画面をよほどかすめ見ない限りは普通に見られる。画面正面から斜めにずれればずれるほど色味が落ちるような見え方になるが、コントラスト感はそれほど落ち込みが早くないので、かなり斜めから見ても映像の内容自体は普通に分かる。視野角については、常識的な範囲で見る分には心配することはない。

 逆にVA型にはIPS型にはない「黒のしまりと暗部階調特性に優れる」という特徴がある。TH-40AX700の映像も(黒浮きがないわけではないが)、黒のしまりは液晶にしては良好であり、有彩色の暗部階調表現においてもちゃんと最暗部付近にも色味を感じることができる。

 バックライトは直下型。映像の明暗分布に応じてバックライト輝度の強弱を付けるエリア駆動には対応していない。実際、黒背景内を白色の高輝度四角形を動かしてテストしてみたが、黒背景の黒浮き感には変化は見られなかった。

【訂正】
記事初出時にバックライトはエッジ型としておりましたが、AX700のバックライトは直下型でした。お詫びして訂正いたします(2月9日)

VA型液晶を採用。各RGBサブピクセルは「田の字」状のマルチドメイン化されたサブピクセルが3段済み構成になっているのが確認できる

 輝度均一性(ユニフォミティ)については、実際に中明色のテスト映像を表示して見た感じでは、最外周が若干暗くなっている以外は優秀だ。ほぼ均一の輝度が保たれているといえる。

四隅と最外周が若干暗いが、画面全体のユニフォミティはまずまず

 続いて、高画質機能を見ていくことにしたい。

 なお、TH-40AX700は、4K VIERAとしてはエントリー機ということもあり、上位のAX800/AX900系のような最新世代の高画質化ロジックは採用が見送られている。具体的には暗部や明部における正確な色再現性を担保するための「ヘキサクロマドライブ」(AX800以上搭載)や、失われた明部の伸びを推測復元する「ダイナミックレンジリマスター」(AX900に搭載)は、AX700には採用されていない。また、ルーカスフィルム系のTHX社が映画表示品質を保証する「THX認証」もAX800/AX900では取得しているが、AX700では取っていない。

 ただし、コストパフォーマンスを重視したモデルとはいえ、表示品質に大きな不満はない。

 今回は評価のためにトーンが暗めのアクションホラー映画「アイ・フランケンシュタイン」のブルーレイを視聴した。

エリア駆動には未対応だが、フレーム単位のバックライト制御には対応する。設定は「バックライトAI」にて

 発色は輝度最優先の画調モードである「ダイナミック」を除けば、非常に自然な発色。派手さはないが、BT.709(sRGB相当)の発色を忠実に再現出来ているという印象を持つ。以前のVIERAでは、一部の明度の肌色が黄色に寄っている印象を持ったことがあるが、そのあたりも改善され、肌色の発色のリアリティはトップレベルだ。暗いシーンから明るいシーン、あらゆる状況下で人物が生き生きと描写できている。

 黒のしまりは、VA型液晶パネルの採用もあってまずまずのレベル。上で「エリア駆動はない」と記したが、フレーム単位のバックライト制御はあるので、暗いシーンでは、ちゃんとバックライトは暗くなる。なので、暗いシーンで目を覆いたくなるような黒浮きはない。たしかに、明暗が同居するシーンでは、暗い部分に黒浮きは感じたが、高輝度方向の伸びはかなり鋭いので、相対的なコントラスト感に不満はない。

バックライトAIのオン/オフ比較。オンにしたときは、この映像が「暗い」と判断してバックライト輝度を下げて黒浮きを低減してくれる

 TH-40AX700には、倍速駆動エンジンの「4Kフレームクリエーション」と、超解像エンジンの「4Kファインリマスター」エンジンがAX800/AX900同様に搭載されている。なお、カタログやWebサイト上の記載の技術名は「4Kフレームクリエーション」「4Kファインリマスター」なのだが、TH-40AX700実機上の機能名は「Wスピード」と「リマスター超解像」となっている。VIERAに限ったことではないのだが、最近のテレビ製品はこういう機能名の不一致があって煩わしいのでなんとかして欲しいものである。

 さて、実際に、これらの機能も評価してみた。

 例によって「ダークナイト」のブルーレイのチャプター1およびチャプター9のビル群の空撮シーンで確認してみたが、「Wスピード」(4Kフレームクリエーション)が「オフ-弱-中-強」と設定できるうち、補間エラーが顕在化するのは「中」と「強」設定であった。ただ、この「ダークナイト」のテストシーンは難度が高いので、各社競合機での振る舞いと比較するとTH-40AX700のエラーの少なさは優秀な方ではある。常用するならば「弱」がお勧めだが、「弱」は効いているときと効いていないときの落差がカク付きのような見映えとして知覚されるので善し悪しではある。

 「リマスター超解像」(4Kファインリマスター)は、「オフ-弱-中-強-オート」の設定が可能だ。強度を上げれば上げるほど映像内の高周波表現において鮮鋭度が上がるようになる。ここ最近のVIERAは超解像エンジンのアルゴリズムにデータベース型を採用するようになったが、AX700、AX800、AX900とでデータベースのデータ規模に格差が与えられている。

 言うまでもなく最上位のAX900が最も大規模なデータベースを持っており、AX700はシンプルなものとなる。2013年までのVIERAの超解像処理は、油絵のような質感になってしまって「オフ」常用しないと安心して映像が見られなかったが、2014年モデルでは改善を見ているので安心されたし。TH-40AX700においても常用でOKそうだ。多種多様な映像が流れる地デジ放送などで特にお勧めなのは「オート」設定だ。「オート」設定は入力映像の周波数を分析して適切な超解像レベルを動的に自己調整するので、安定した疑似4K映像が楽しめていた。MPEGノイズなどの顕在化は行なわないロジックも効いているようで、不本意な鮮鋭化は感じられない。

全体像
リマスター超解像=オフ
リマスター超解像=弱
リマスター超解像=中
リマスター超解像=強

 プリセット画調モードのインプレッションも簡単に触れておこう。

ダイナミック

 輝度優先のモード。室内が非常に明るい環境の時に使うとよいかも?

ダイナミック
スタンダード

 名称の通り標準的な画調モード。コントラスト感、階調表現力のバランスが良い。発色も自然。ただし、明部はやや飛ばし傾向強め。

スタンダード
リビング

 やや輝度の上がった「スタンダード」といった印象。蛍光灯照明下の明るい部屋でテレビ放送を見るには丁度いい。明部の階調表現は「スタンダード」の飛ばし傾向が抑えられている。

スタンダード
シネマ
シネマ
シネマプロ
シネマプロ

 名前が似たシネマ/シネマプロの2モードがどう違うかを解説する。コンセプトとしては「シネマプロ」がsRGB基準でモニターライクに見せる画調で、「シネマ」の方は適度にTH-40AX700が持つ広色域性能を活かした表示に振ったチューニングとなっている。「シネマプロ」はピーク輝度が抑えられているため、相当に明るいシーンでもリニアな階調表現が楽しめる。一方で「シネマ」はダイナミックレンジ感と色の豊かさを満喫できる。なお、色温度は「シネマ」の方が高め。TH-40AX700の本来の性能を活かしたいならば「シネマ」を、原信号至上主義で楽しみたいならば「シネマプロ」がお勧めだ。

 また、PCモニタ的に活用したい人にもsRGB基準の発色とリニアな階調特性が担保される「シネマプロ」がいいだろう。「色温度が低い」と感じた場合はお好みで調整されたし。

4:4:4出力に対応したBDプレーヤーを用いての映画視聴の際には、合わせて「ピュアダイレクト=オン」の設定も行ないたい。「ピュアダイレクト=オン」時は、倍速駆動やノイズ低減機構等は強制オフ設定となる。その意味では「ピュアダイレクト=オン」は原信号重視派にもお勧めである

おわりに〜TH-40AX700は4Kモニタとしても使えるか?

 TH-40AX700は、現在、市販されている「4Kテレビ」としてはおそらく最安値の部類の製品だ。2015年1月下旬時点での最安値の実勢価格は11万円前後。

4Kテレビとしてはもちろん、4K-PCモニタとしても使えそう?

 30型前後のPC向け4Kモニタ製品で同価格程度のものがあるが、TH-40AX700は40型で、テレビチューナを2系統内蔵し、USB HDD録画まで可能。クラウド対応のスマートテレビの機能や音声入力検索も搭載。4Kテレビとしても、4K-PCモニタとして見てもかなりお買い得感のある製品だといえる。

 「ゲームモード」で3フレーム(60Hz)遅延はリアルタイムゲームプレイ用途にはややつらい気もするが、普通に映像コンテンツを楽しむ用途はもちろん、PCモニターとして使う分にも気にならないレベルではある。40型の4Kの表示精細度は、20型フルHDとほぼ同等なので、20型前後のフルHDモニタを使っていて「小さすぎない」と感じられる人であれば、違和感はないはず。

 フルHDテレビからの買い替え派はもちろんだが、高解像度PCモニタの購入を考えている人ならばTH-40AX700は一石二鳥な製品だと言える。

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トライゼット西川善司

大画面映像機器評論家兼テクニカルジャーナリスト。大画面マニアで映画マニア。本誌ではInternational CES他をレポート。僚誌「GAME Watch」でもPCゲーム、3Dグラフィックス、海外イベントを中心にレポートしている。映画DVDのタイトル所持数は1,000を超え、現在はBDのコレクションが増加中。ブログはこちら