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「機動戦士 Gundam GQuuuuuuX」BD発売上映会。鶴巻監督「シイコのエピソードが唯一残っている当初のプラン」
2026年1月30日 16:00
「機動戦士 Gundam GQuuuuuuX」のBlu-ray&DVD&ディスクレスパッケージ第1弾の発売を記念して、1月29日に新宿ピカデリーにて鶴巻和哉監督、シリーズ構成・脚本の榎戸洋司、MCに松澤ネキ迎えた上映会が開催。そのイベントレポートが到着した。
イベントは、司会の松澤ネキの呼び込みで鶴巻和哉監督、シリーズ構成・脚本の榎戸洋司が登壇してスタート。今回は、初めて映画館で上映された第4話~第7話の内容を中心に、キャラとメカ、物語について振り返る内容に。
榎戸は来場者に向けて、「今回は、スタッフだけのトークショーだったので来てくださるか不安だったのですが、お寒い中、来てくださってありがとう、こちら側のニュータイプさん」と呼びかけ、来場者をわかせた。
そして現在の心境を聞かれた鶴巻監督は、「ジークアクス漬けで幸せな一年でした」と振り返り、榎戸も「ドラマCDの制作などで僕も去年一年間はジークアクス漬けで幸せな一年でした」と重ねた。
まず松澤が切り出したのは、第4話のゲルググについて。鶴巻監督はそのデザインが決まっていった経緯を説明。主人公機であるGQuuuuuuXのデザインを山下いくとに発注していたが、モビルスーツのコンセプトを決めたい山下からザクがまずアップ。
その後も、GQuuuuuuXのデザインと並行して、発注していないジムやドムが先にアップされたという。それを見た鶴巻監督が、「ジオンが(白いガンダムを)リバースエンジニアリングしたとしたら、ジムが作られるだろうということで、あの形で(ゲルググを)出した」と話した。
榎戸は、最終的にギレン派とキシリア派による内紛が起きる展開である物語を見据え、ギレン側はビグ・ザム、キシリア側はギャンを出したいと希望していたそう。鶴巻監督はそれになかなかOKを出さなかったが、そのタイミングで山下氏からギャンのデザインが上がってきたといい、榎戸さんも驚いたという。「集合的無意識ってあるんだな」と感心していた。
鶴巻監督は、エグザベには新型モビルスーツを与える予定であったが、山下版ギャンにはハクジが当初からデザインされており、それが気に入っていたため、そのままギャンを使うことにしたそうだ。続けて鶴巻監督は、「ドムとジム、どっちが強いか? 論争を榎戸さんとした中で、本来第4話にはゲルググの代わりにドムを使おうとしていた」が、最終的には榎戸さんが推すゲルググをセレクト。
榎戸はゲルググとガンダムの対決では最初から旗色が悪いと、「マグネット・コーティングをそこで思いついて。ガンダムに対抗できるのでは」と、モスク・ハンの登場とマグネット・コーティング技術の登場について説明した。
トークは、ゲルググのパイロットとして話題を呼んだシイコ・スガイについても。スティグマ攻撃は鶴巻監督が編み出した“必殺技”。榎戸もスティグマ攻撃に関して、「ビーム撃ったら勝てるじゃんと思った」と当初は戸惑ったものの、「殺意をキャッチされずにワイヤーを打ち込むことができるのがシイコさんの特技」と定義したことで、劇中のような描写に繋がったという。
松澤からサイコ・ガンダムと空調機の表現について話が振られると、榎戸は庵野秀明から「スペース・コロニーに穴が開くと、大掛かりな装置を使っても修復には数年かかる」というアイディアが届いたエピソードを披露。そのコロニーの構造に対するリアリティに面白さを感じた榎戸は、空調機としてサイコ・ガンダムを運び入れるという第6話~第7話の脚本に反映したそうだ。
サイコ・ガンダムのパイロットであるドゥー・ムラサメにも言及。榎戸は、サイコ・ガンダムを登場させるなら、そのパイロットとしてムラサメ研究所の人間を出したかったと話す。「ドゥー」という名前になったことは、「母国語がその人のナンバリングとして使われるだろうと。なので、ドゥーはフランス圏の女の子に」した、とその由来についても教えてくれた。
同じ第6話~第7話に登場するバスク・オムやゲーツ・キャパについて、榎戸は、「鶴巻監督がバスク・オムを出したいといったので、対抗でゲーツ・キャパを出した」と説明。鶴巻監督も、連邦側の人間を出したかったと話し、バスクを出すことで、連邦がいつでもジオンと一戦を交えられる感じが欲しかったとその意図を解説していた。
また、話題となったキケロガの変形について、鶴巻監督は、シャリアの乗るブラウ・ブロが「(庵野が書いた)脚本上からすでにキケロガになっていた。だからブラウ・ブロと違うアイディアを入れたかった」と新しい機構を入れた理由を説明。そもそも第7話はサイコ・ガンダムの登場予定もなかったそうで、登場するとなったタイミングでキケロガの変形もねじ込んだと語る。
榎戸の脚本にも反映されておらず、急遽のアイディアだったことがうかがえた。榎戸は、「GQuuuuuuX」世界のモビルアーマーの中には、モビルスーツが入っているというアイディアがあったと裏話も明かした。
続いて松澤から、シャリアがジェットパックで登場するシーンについて質問。榎戸は、「これまでは喋っているだけの人だったから、インパクトのあるアクションを起こしてほしかった」と説明。鶴巻監督も、「ジェットパックは忘れられがち。シャアも使っていたし、僕の好きなガンダム(には登場する)」とその意図を話した。
すると榎戸は、庵野から「シャリア・ブルが持っている銃は、シャアが使っていた長い銃にしてくれ」という提案があったとのエピソードも。全体の音楽については、鶴巻監督が主・プロデューサーの杉谷勇樹と協力しながら進めていたそうで、第11話で使われた「BYOND THE TIME~メビウスの宇宙を越えて~」は、杉谷のプッシュが大きかったという。
松澤は、ふたりに「どうしてもやりたかったこと」を質問。鶴巻監督は「シイコのエピソードが唯一残っている当初のプラン」で、シャリアよりも早く企画書に登場していたそうだ。
榎戸は、シイコのキャラクターについて「戦争中の英雄が、日常にうまく馴染めないという戦争映画のキャラクターがモチーフ」と解説。冷戦時代のガンダムとしてはぴったりだと思ったが、「機動戦士Zガンダム」のライラ・ミラ・ライラのイメージだったので、そのデザインにびっくりしたと表現。
鶴巻監督は、「母親っぽいキャラが良いなと(キャラクターデザインの)竹さんに伝えて。普通の母という発注の仕方」だったと振り返った。
ここで、リリースされたBlu-ray&DVD&ディスクレスパッケージについても言及。榎戸は、「特典となっているドラマCDが、30分近い話になっています。2巻、3巻はより長くなっていきます。結果的に大事なシーンが目白押しな内容」と期待を持たせた。
ここでトークの時間がタイムアップとなり、フォトセッションに。監督と榎戸さんの“マヴフォトセッション”が行われた。
最後に、イベントの感想。
「昨年放送をした地上波は祭りと言ってもらえました。最終回のオンエアはあったときは祭りが終わったね、とも言ってもらえましたが、これはあくまで前夜祭かなと思っていて、今後もいろいろ提供できればと思っています」(榎戸)
「放送が終わって半年以上経つわけですが、集まっていただけるのかなと思っていたので本当にありがたいです。パッケージとして『-Beginning-』も出るので、そこまでよろしくお願いいたします」(鶴巻監督)
と挨拶。大きな拍手に包まれ、イベントは終了となった。また、イベント終了後、プロデューサーの杉谷が来場者に向けて感謝を述べると、再び拍手が沸き起こる。来場者からも「GQuuuuuuX最高!」のメッセージが送られるなど、作品に対する愛が詰まったイベントとなった。









