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torneの新機能「レコ×トルネ」を試す

−レコーダと連携し、BS録画/再生。「ライブ」も強化


 PlayStation 3(PS3)用レコーダキット「torne(トルネ)」の大型アップデートが7月7日よりスタートした。バージョンは3.00で、20項目以上の機能アップデートが行なわれる。

 また、3.00ではtorneのトップメニューに「STORE(トルネ屋)」が追加され、新機能を有償で購入・追加できる。例えば「レコ×トルネ」機能(1,800円)を追加することで、同社の対応レコーダやBRAVIAと連携して、torneからレコーダ/録画対応テレビを操作できるようになるなど、ニーズにあわせた機能拡張が図れる。有償バージョンアップ内容は以下の通り。

機能 価格
「レコ×トルネ」機能 1,800円
デザインテーマ:「トルネ・ブラック」 500円
デザインテーマ:「ロケットトイトイ」 500円
“ウォークマン”書き出し機能 500円
「nav-u」書き出し機能 500円

 ゲーム機ならではの軽快な動作と、シンプルな操作性が特徴のtorne。PS3さえ持っていれば9,980円のtorneを購入するだけで地デジレコーダになるため、レコーダの価格が下がってきた今でも、まだ価格面での魅力は高い。また、6月30日から再発売されている「PlayStation 3 HDDレコーダーパック 320GB(CEJH-10017)」も35,980円だ。

 PlayStation Networkもようやく復旧し、フルにネットワーク機能を楽しめるようになった「torne」の最新版3.0を、レコーダ連携機能を中心にテストした。

 


■ 1週間番組表など多くの機能改善。TwitterのストリーミングAPI対応も

 レコーダ連携の「レコ×トルネ」は大きな特徴だが、torneユーザーの多くに関連する無料アップデートの機能をチェックしてみる。

星付きがトル数の多い番組

 番組表では、新たにジャンルハイライト機能とトル情報リボンが追加。特に魅力的に感じるのは、「トル」(torneユーザーの録画予約件数)での人気番組を番組表にラベル確認できるようになったこと。これまでもトル数での番組検索などは可能だったが、番組表上で、より気軽に人気番組が確認できるようになった。地デジ放送の場合、トル数が1,000を超えると[☆]のアイコンで表示するようだ。

 また、1週間表示も追加された。任意の1チャンネルだけを1画面に7日分表示できる。1週間番組表もジャンル別色分け表示も、最近のレコーダ専用機の多くで採用されているものだが、torneも簡易的なレコーダでなく本格的なレコーダになってきたという印象だ。番組検索でも、「日付」を指定した絞りこみが可能になったため、[今日]-[トル数]で検索すれば、当日の人気番組がチェックできる。


一週間番組表 検索機能では日付を指定した絞り込みに対応
シリーズ表示に対応

 録画番組の管理について、魅力的なアップデートが「シリーズ表示」対応。連ドラなど、「タイトル」が同じ番組をまとめて表示できるようになった。専用レコーダでは一般的な機能だが、普段レコーダを使っている人がtorneに触れた時も、不足を感じずに使えるようになったと思う。また、複数選択したビデオの一括再生にも対応したので、シリーズ表示にまとめられた、連ドラなどを一気に視聴、といった応用も可能になる。

 録画番組のフィルタ機能も強化し、「新着」や「未視聴」番組だけをソートできるほか、チャンネル別でもソート可能になった。このあたりも専用レコーダに機能で迫ってきたといえる。


 録画ビデオの書き出し機能も強化し、有償アップデートでウォークマンへの書き出し(500円)とnav-uへの書き出し(500円)が可能になった。従来同様にPSPへの書き出しは無料で行なえ、新たに書き出し終了後に、PS3の電源を自動でOFFにすることができるようになった。ビデオ書き出しの利用頻度も増えそうだ。

 また、メモリーカードリーダ「MRW-F3」を使ったメモリースティックへの書き出しにも新たに対応した。

有償アップデートでPSP以外のウォークマン(500円)やNav-u(500円)書き出しに対応 ビデオ書き出し機能では、PSP転送後のPS3自動電源OFFに対応した
ライブ機能

 Twitter連携機能「ライブ」も大幅に強化された。一番大きな点はなんといってもTwitterのストリーミングAPI対応だ。これまでのtorneでは、Twitterアカウントを登録した場合で20秒に一度の更新という制約があった。

 今回のアップデートで、よりリアルタイムに近い形でツイートが反映されるようになったため、スポーツやテレビ実況などで表示されるツイートがより番組に沿ったものになる。なお、ストリーミングAPIを利用したツイート取得は、Twitterアカウントが登録されている時のみとなる。

 また、新ライブ表示モードを搭載。ツイートを画面下に表示することで、より画面を大きく表示できるモードが用意された。ライブ機能でツイート表示中に、コントローラのSELECTボタンを押すことで、新しい画面に移行可能になる。画面下に右から左にスクロールしてツイートが流れていき、ツイート数が多いとスクロール速度も上がっていくという仕組みだ。画面にツイートがかぶることはないが、「ニコニコ動画」的な雰囲気が味わえる。“ツイートを読む”という実用性より、“流れの速さ”で番組の盛り上がりを体験するモードといえそうだ。

 そのほか、Twitterのスパム報告機能や、ツイート表示の文字サイズ変更に対応。なお、従来ツイート時に付与されていた[s_xxxx]、[e_xxxx]のハッシュタグは追加されなくなった。

新しい表示画面を採用。画面下のツイートのスクロール速度で、番組の盛り上がりが実感できる TLも確認できる ライブ機能でツイート
リモートプレイも強化。PSPで外出先から番組の録画予約が可能になる

 ビデオの再生機能も改善され、ビデオの早見速度が1.2〜2.0倍の範囲で調整可能になったほか、ビデオの頭出し精度強化や、トリックプレイのパフォーマンス向上が図られた。特にシーンサーチのサムネイル表示が早くなったという。元々早かったが、確かに体験的にわかるレベルで改善されている。

 また、BDリモコンのSLOW/STEPボタンを使ったコマ送り/スロー再生機能の追加や、CH+/-ボタンでのチャンネル切替対応など細かな改善も図られた。

 リモートプレイは、LAN内でPSPからtorneを利用する機能に加え、新たにインターネット経由で外出外から番組表を見たり、番組の録画予約を行なう機能が追加された。


 


■ 「レコ×トルネ」でレコーダをtorneから操作

PS3+torneとBDZ-AX2000

 バージョン3.0の最大の強化点ともいえるのが、「レコ×トルネ」機能だ。有償バージョンアップのため1,800円だが、torne内に設けられたストアで同機能を購入することで、torneと同一のLAN内に設置したソニー製BDレコーダや、BD/HDD搭載のBRAVIAの操作ができるようになる。torneから、レコーダにBS/110度CSデジタル放送の3波を録画予約できるようになる(torneの内蔵チューナは地デジのみ)など、torneハードウェアの枠を超えた使いこなしが可能になる。

 「レコ×トルネ」は有料。購入方法はtorneのメインメニューの[Store]から「トルネ屋」を呼び出して、レコ×トルネを選択すると、PlayStation Storeでの課金画面に遷移し、購入可能になる。なお、10日間の試用期限も設けられており、購入前に機能を体験できるようになっているため、最初はこちらで使い勝手をチェックしたほうがいいだろう。

 今回はレコ×トルネ機能のテスト用に、ソニーのBDレコーダ「BDZ-AX2000」を使った。レコ×トルネ対応機器は最新のソニーBDレコーダとBD録画対応BRAVIAで、詳細は同社ホームページで案内している(BRAVIA/BDレコーダ)。

 設定は若干面倒で、レコ×トルネの利用前にPS3側のDTCP-IPをONにした上で、AX2000側でサーバー機能をONにする。その後、torneの[SETTING]-[ネットワーク設定]-[レコ×トルネ設定]を選択して、BDレコーダを登録する。BDレコーダは最大で2台まで登録できるため、torneと合わせて最大5番組(torne1番組、レコーダ2番組×2)を同時に録画/管理する環境を構築できる。

 レコ×トルネは、レコーダへの予約録画をtorneのシステムを使って行なうもののため、実際に録画を実行するのは、BDレコーダや録画対応テレビだ。

torneのメインメニュー BDZ-AX2000のサーバー機能をONに torneの[レコ×トルネ]設定でAX2000を登録
torneのメニューからStoreを呼び出して、レコ×トルネを購入できる 購入画面

 設定が済んでしまえば、使用感は普通にtorneを使っているときとあまり変わらない。torneには地デジチューナしか備えていないのだが、レコ×トルネ対応により、BSデジタル放送の録画予約も可能になる。番組表を立ち上げて、△ボタンでサブメニューを表示、[BS番組表]を選択すれば、レコーダ側で取得したBSデジタルの番組表がtorneの番組表として表示される。

 ユーザーインターフェイスはtorneそのもので、トル(録画予約数)の確認も行なえる。torneで地デジ番組表を使っているときとほぼ同等の感覚で、レコーダ側のBS番組確認、予約が可能だ。また、ジャンルや日時での絞り込み検索も行なえる。

 なお、torneからレコーダへの録画予約と録画番組の再生が行なえるものの、レコーダ側のチューナで受信中の番組をtorne側で見ることはできない。torneから再生できるのはレコーダで「録画」した番組のみだ。

サブメニューからBS番組表を選択 「トル」数が多い番組はEPG上で☆を表示 トル数で絞り込み検索も可能

 違いが出てくるのは、番組を選択して、録画予約を行なう時。地デジ録画の場合、録画先に[本体HDD]だけでなく、登録したレコーダ(この場合[BDZ-AX2000])が選択可能になる。また、BSの場合は録画先はBDZ-AX2000のみとなり、PS3の内蔵HDDにBS番組を録画することはできない。

 torneで録画する場合、録画モードとして選択できるのは[DRモード(高画質)]と[3倍モード(標準)]のみだが、AX2000を録画先に指定した場合はDRモードのほか、XR(16M)/XSR(11M)/SR(8M)/LSR(4M)/LR(3M)/ER(2M)といった、AX2000が備える録画モードが選択可能になる。また、[毎週]、「番組名」などの繰り返し録画設定も行なえ、レコーダで直接録画する場合と遜色ない機能が実現されている。録画時に番組名などをツイートするなど、torneならではの機能も備えている。

 ただし、番組表を見ると[トル数]が多い番組を示す[☆]マークが少な目だ。torneにはBSチューナが無いので、BSのトル数については「torneとソニーの対応録画機のユーザーで、レコ×トルネ機能を使っている人」と、かなり母数が限られる。トル数の表示閾値も15ぐらいに設定されているようで(地デジは1,000くらい)、8日現在ではBSのトル数ランキング上位はBS11のアニメが占めている。

録画先にAX2000を選択 録画モードもAX2000の機能が選べるため、15倍の長時間録画も行なえる 「毎週」や「番組名」での録画設定も

 レコーダで録画した番組を、torneから視聴する事も可能。torneメインメニューで[Video]を選択すると録画番組を確認できる。最初に出てくる画面はPS3のHDDに録画した番組だが、右カーソル操作で次の画面に遷移すると、AX2000に録画された番組が現れる。なお、BDレコーダで録画した番組は、一覧表示時にサムネイルが表示されない仕様となっている。

 BDレコーダで録画した番組も、再生・停止・早送りなどの基本操作が可能。再生開始時のタイムラグが1〜2秒程度あるので、PS3のHDDに録画した場合よりは遅いが、それほど待たされている感は無い。ネットワーク経由で再生していることを考えれば、かなり高速といえる。

 さらに、BDレコーダ側で作成された「おまかせチャプター」を利用し、見たいシーンを素早く簡単に頭出しできる。torneでは自動チャプタ設定できないので、これはレコ×トルネ連携ならではの魅力といえる。チャプタ送り時は2〜3秒ほど待たされるので、レコーダを直接操作している時と比べると、レスポンス性は劣るのだが、それでもCMスキップが行なえるのは魅力的だ。

 レコーダで2番組録画中でも、レコーダ内の録画済み番組にtorneからアクセスして再生することができたほか、torne録画中にレコーダ内の番組を再生することもできた。

PS3のHDDから右カーソルでAX2000のHDDに遷移 torneから番組を再生。チャプタも付与されている

 連携機能はかなり便利だが、必ずしもレコーダと同等というわけにはいかない。例えば、torneでレコーダに録画予約を行なった場合、レコーダの録画番組は追っかけ再生できない(torneはできる)。また、BDレコーダに「ムーブバック」した番組については、torneからの操作はできないという。

 こうした細かい機能の違いはあるのだが、レコーダとtorneの違いをほとんど意識せずに使えるというUIの洗練は見事だ。

 ここまでレコーダとの連携が充実してくると、物足りなさを感じるのは「ダビング」だ。torneで録画した番組は、PS3に接続したUSB HDDへのムーブのほか、PSPへの書き出し、有償でウォークマン/Nav-uに書き出しが可能だが、レコーダにダビングすることはできない。そのため、BDへのダビングなどHD解像度のまま番組を保存する手立てが用意されていないのだ。

 もちろん残す番組は「レコーダ」、タイムシフト利用は「torne」と使い分ければいいのだが、録画した後に「残しておきたい」と思う番組もあるはず。レコーダへのDTCP-IPダビングなどができれば、さらに魅力は向上すると思う。

デザインテーマも変えられるようになった。「トルネ・ブラック」(500円) 「ロケットトイトイ」(500円)

 


■ より洗練された操作感

 「レコ×トルネ」のレコーダ連携の完成度も高く、torneの優れたUIにレコーダの機能がきっちりと融合されているのはさすがだ。それゆえに「PS3ベースではない、torne的なレコーダを作れないものだろうか? 」とも思ってしまう。BDレコーダのおまかせ録画やBD関連の編集機能、サーバー機能などが、torneのUIに統合された姿も見てみたいところだ。

 番組表の改善など、アップデートでの改善は、ユーザーにはうれしい部分。さらに、ライブ機能やトル/ミルなどのtorneならではの機能も洗練を重ね、より魅力的になってきた。また、トルネ屋のオープンにより、ウォークマン用の書き出しのような、細かな機能強化が有料で行なわれるようになったことから、今後のtorneの展開に期待が持てそうだ。


(2011年 7月 8日)

[ AV Watch編集部 臼田勤哉]