新発売のAV機器をいち早く紹介 |
ユニラウンドスピーカー採用のDVDミニコンポ |
ケンウッド Digital Avino「VA-6DVD」 |
8月下旬発売 価格/オープンプライス (店頭予想価格:8万円前後) |
●メインユニット■ 主な特徴(DVDプレーヤー、MDデッキ、アンプ、操作部)
正面 背面
右側面
上面
●ユニラウンドスピーカー
正面 上面
●サブウーファ
正面 背面
左側面
ディスクトレイ | リモコン |
DVDプレーヤー、MDLP対応のMDデッキ、アンプ搭載のメインユニットに、サテライトスピーカーとサブウーファをセットにしたシステムコンポ。愛称は「Digital Avino」。本体上部に載せることのできる5.6型液晶モニタ(オープン価格、店頭予想価格は4万円前後)も、別売で用意される。
最大の特徴は付属のスピーカー。米ケンテックの「ポイントソースオーディオシステム」を採用した「ユニラウンドスピーカー」と、サブウーファをそれぞれ1個ずつ使用する。
「ユニラウンドスピーカー」とは、3つのフルレンジユニットを右側、左側、前方に集中させて組み込み、相互の音波干渉をうち消す特殊処理を行なったもの。広いスイートスポットが売りで、「スピーカーの置き場所を選ばず、迫力の音場を実現する」としている。
「VA-6DVD」に付属するユニラウンドスピーカーは、4月発売の「OPM-A3」を発展させたものとなっている。口径を40mmから50mmと大きくし、重量も約90g増加。本体との接続は、専用端子で行なう。
また、サブウーファは、13cm径のコーン型で、再生方式はバスレフとなっている。アンプは内蔵せず、本体背面の専用端子に接続。ウーファユニットは底面に装着され、前面にはバスレフポートが設置されている。
DVDプレーヤー部は、DVD-VideoやプレスCDのほか、CD-R/RWにも対応。さらに、CD-R/RWに記録したMP3ファイルの再生も行なえる。WMA、ATRAC3などの他のフォーマットは再生不可。ただし、それらとMP3を混在して記録したディスクから、MP3だけを再生することは可能。
また、ドルビーデジタルは付属スピーカーから再生できるが、DTSは光デジタル出力経由で出力し、外部機器でデコードする必要がある。
内蔵アンプの出力は、ユニラウンドスピーカー用に5W×3ch、サブウーファ用に20W×1chとなっている。
操作情報は本体前面のパネルに表示されるが、別売の液晶モニタやテレビなどに接続することで、オンスクリーンディスプレイも利用できる。ディスク内に記録されたMP3ファイルのフォルダやファイル名も、モニタ上で確認可能。
MP3のフォルダ選択画面 | 再生ファイルをプルダウンメニューから選択できる |
CDからMDへの倍速ダビング機能を搭載し、MDLP時にも倍速ダビングが行なえる。また、CDで再生途中の曲をワンボタンでダビングする「ワンタッチエディット」機能も装備している。
スピーカー以外の出力端子として、Sビデオ、コンポジット、光デジタル、アナログ音声を1系統ずつ搭載。入力は、光デジタル、アナログ音声を各1系統ずつ備えている。
VA-5DVD-L |
なお、ユニラウンドスピーカーを一般的な2Wayタイプにした「VA-5DVD」も同時に発売される。ブルーの「VA-5DVD-L」と、シルバーの「VA-5DVD-S」の2タイプをラインナップする。
この2つはスピーカーに違いがあり、ブルーは10cmコーン型ウーファと2.5cmバランスドーム型ツィータを採用。シルバーは、ウーファを12cmコーン型とし、スピーカー本体を木目調に仕上げている。両モデルともバスレフ式だが、シルバーのスピーカーの方が、少しだけ大きく重い。
■ 編集部のファーストインプレッション
フルセット状態のVA-6DVD |
今回は、ユニラウンドスピーカー採用の「VA-6DVD」を中心に試聴。同時に、ベーシックな「VA-5DVD-L」も聞いてみた。また、別売の5.6型液晶モニタも試している。
ソースは、DVD-Video、MD、プレスCD、MP3を記録したCD-Rと、本機で再生できるディスクをそれぞれ用意。音楽ジャンルとしてはJ-POPを中心に聞いてみた。これは、本機のメインターゲットを考えてのこと。別途、テクノなど帯域に特徴のあるものも試聴した。
MP3も再生できるので、コレ1台で一般的な用途は間に合ってしまう。これから1人暮らしをはじめる若者などには受けるのではないだろうか。 2Wayの「VA-5DVD-L」は、さらりとして気持ちよく聞ける音。単品オーディオに比べるとさすがにこぢじんまりとはしているが、上品で聞きやすい。生活の中で、BGMとして鳴らすには充分でなんともいい感じだ。もっとも、価格を考えるとさらにいい音のミニコンポも存在する。しかし、DVD-Videoも見られると考えれば、個人的には納得できる。 一方、ユニラウンド+サブウーファの「VA-6DVD」は、その名どおりの広いスイートスポットでちょっと驚いた。試聴位置を大きく変えても、確かにステレオ感が持続する。ほとんど真横でも変わらない。この技術、業務用スピーカーに向いているのではないだろうか。また、視聴位置を固定できないけど、やっぱりステレオで音楽を聴きたい、という人にはぴったりかも知れない。 ただし、帯域は非常に狭く、中域に無理矢理ピークを作っている感じ。とても値段相応の音とは思えなかった。解像感も薄い。第12回のアイテム道にもあるとおり、これは「ラジカセの音」だ。それもCDラジカセ以前の。ユニットにもっと大きなものを使えば音も良くなるのだろう。次モデルに期待している。 サブウーファは控えめ。重低音の補強用というよりは、ユニラウンドの帯域の狭さを補うためのものだろう。よって、ドルビーデジタル収録のDVD-VideoではLFEの美味しさが味わえない。とはいえ、2Wayの「VA-5DVD-L」よりは低音が出ていた。 DVD-Videoの画質だが、SNが悪く、ノイズが激しい。ノイズリダクションもないので、大画面だとかなりきついだろう。しかし、20型くらいまでならそれほど気にならないのでは。また、コントラストが強いわけでもないのに、暗部もつぶれがちだ。 普段聴いているのは音楽CDだし、買ってくるDVDは音楽ばっかり。映画のDVDなど滅多に見ないし……というユーザーには、結構おもしろい選択になるのでは。 そういえば、別売の液晶モニタで見るDVD-Videoは結構おもしろかった。さすがに本格的な視聴には向かないものの、DVD-Videoのミュージッククリップなどをオールリピートで流しておくと、なかなかにオツなのでは。
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「VA-6DVD」の第1印象は、スピーカーユニットが小さい割には良く鳴っているというもの。音もすっきりした感じで、セリフなども聞きやすかった。ユニラウンドということで、どこにでも置けるというのが特長なのだが、置いた場所によりけっこう音が変わる。つまり意外と置き場所を選ぶようだ。 両製品とも、オーディオ機器としては比較的小さい部類に入ると思うが、カーAV製品も発売する同社だけに、もっと小さくできればと感じた。見た目もカーAVっぽい印象で、ちょっとかっこいいので、この大きさ(特に奥行き)が残念。 オプションの液晶は、5.6型だけに小さすぎる。また本体と連動が効かず、電源もディスプレイ上側のスイッチを手動でオン/オフしないといけないのが面倒。設定ボタンも裏にあり、操作しづらかった。
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今回の試聴は、ユニラウンド・スピーカーモデル「VA-6DVD」をメインに行なった。ユニラウンド・スピーカーは、1本のサテライトスピーカーで360度のサービスエリアを提供する。このスピーカーに、パッシブのサブウーファが組み合わされる。 実際に音楽CDや、DVDを聞いてみると、歩き回ってもほとんど同じ音場が得られるので、不思議な感覚。また、ドルビーデジタル5.1chのソースは、「バーチャルサラウンド」機能が使用できる。この機能も、なかなか効果があり、けっこう広がりが感じられた。 音質は、良くも悪くもラジカセライク。イージーリスニングには向くが、じっくり音楽を聞くのはちょっとつらい。その印象は通常の2Wayスピーカーモデルの「VA-5DVD-L」でも同じだった。VA-6DVDにはサブウーファがあるので、確かに重低音は出るのだが、低音は不足する。なので、ボリュームを上げても音量が大きくなるだけで、あまり迫力は増さない。DVDのドルビーデジタル5.1chのソースでも同じ傾向で、ちゃんと聞こえるけど、やはり迫力がない。もちろん、マイクロコンポとして値段分のレベルにはあるとは思う。この価格帯で多くを求めるべきではないのかもしれない。 機能的には、MP3や、DVDからもアナログ経由になってしまうが、MDに録音できるので、MD作成マシンとしても便利だ。もちろん、アナログ経由であれば、それぞれ単体の機器を接続すれば実現できることだが、使い勝手の面で1台にまとまっていることに意味がある。
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【主な仕様】
VA-5DVD | VA-6DVD | |
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出力 | 20W×2 (EIAJ 6Ω) |
5W×3+20W×1 (EIAJ 8Ω) |
定格消費電力 | 65W | 65W |
スピーカー | ウーファー:12cmコーン型(シルバー) 10cmコーン型(ブルー) ツィーター:2.5cmバランスドーム型 |
サテライト:5cmフルレンジ×3 サブウーファ:13cmコーン型 |
入出力端子 |
AUX IN:1系統 AUX OUT:1系統 オプティカル入力:1系統 オプティカル出力:1系統 コンポジット出力:1系統 S出力:1系統 サブウーファ出力:1系統 |
AUX IN:1系統 AUX OUT:1系統 オプティカル入力:1系統 オプティカル出力:1系統 コンポジット出力:1系統 S出力:1系統 |
FM受信周波数範囲 |
76MHz~90MHz |
76MHz~90MHz |
AM受信周波数範囲 | 531kHz~1,629kHz | 531kHz~1,629kHz |
最大外形寸法 (幅×奥行き×高さ) |
本体:240×360×139mm スピーカー: 150×228×285mm(シルバー) 124×236×280mm(ブルー) |
本体:240×360×139mm サテライト:108×108×70mm サブーウーファ:188×258×139mm |
質量 | 本体:約6.1kg スピーカー: 約3.1kg(シルバー) 約2.3kg(ブルー) |
本体:約6.1kg サテライト:約0.45kg サブウーファ:約3.4kg |
□ケンウッドのホームページ
http://www.kenwoodcorp.com/jhome.html
□ニュースリリース
http://www.kenwoodcorp.com/j/press/press20010724.html
□関連記事
【3月23日】ケンウッド、スイートスポットが広いスピーカーシステム
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010323/kenwood.htm
【5月10日】魁! アイテム道~第12回:ナイスなテクノロジーを使ったスピーカー どこで聞いてもステレオ?「ケンウッド OPM-A3」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010510/saki12.htm
【7月24日】ケンウッド、MP3再生にも対応したDVD/MD搭載マイクロコンポ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010724/kenwood.htm
(2001年8月10日)
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