気になるグッズを衝動買い |
第63回:有名メーカーDVDプレーヤーが欲しい でもやっぱりMP3再生機能も欲しい「ソニー DVP-NS515」 |
AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。 |
■そういえば有名メーカー製DVDプレーヤーって……
DVDプレーヤーも市場が成熟してきたようで、価格、機能、性能に分かれて、さまざまな製品が揃ってきました。自分もいくつかの製品を購入してきましたが、振り返ってみるといわゆる「イロモノ」系に走ってきたように思います。えーと、ZENIXの「Z-2000」と「Z-315L」、それに壁掛けのできるスロットイン型のソニー「DVP-F21」か。やっぱイロモノかも……。
うーん、ここらで一発有名メーカー製の据え置き型プレーヤーが欲しいかも。最近は薄型になったものが多くて、設置のハードルも低いし、なにより「DVD再生関連」の機能が豊富だし、操作性も高そうなのが魅力。ZENIXのプレーヤーも多機能だけれども、あれはなんか「DVD再生」とは違ったベクトルを進化させてるしなー。
いままで有名メーカー製の据え置きデッキ導入に踏み切れなかったもうひとつの理由は、自分には「毒々しい」と感じるシャンパンゴールドのボディカラー。それも最近ではシルバーのモデルも増えてきた様子。ふむ、そろそろ導入を考えますか。
そんなことを考えながら、プレーヤーの物色をしていると、ソニーから魅力的な製品が発表されました。「DVP-NS515」でございます。
6枚分まで再生ポイントを記憶できる「つづき再生機能」を装備し、本体に付いたジョグダイヤルは、トラックのスキップ、サーチが可能。カラーバリエーションはゴールドとシルバーの2色が用意されていて、そしてトドメにMP3を記録したCD-R/RWの再生対応で「MP3ブラウザ」も搭載。
フム、なかなか魅力的な製品。それでいて価格もお安め。標準価格はオープンプライスで、店頭予想価格は2万円弱。MP3再生対応を謳った日本の有名メーカー製プレーヤーの中では結構安いと思います。最近発表された製品だけに、MP3再生機能は日本語表示対応かもしれないし。けど、これって5月21日が発売日なんだよねー。ゲットするのはちょっと先になるかな。
■パッケージ内容は標準的
などと考えながら量販店なぞにふらふらと足を踏み入れると、あら、もう売ってるじゃないッスか。型番も合っているし、ちゃんと「MP3再生対応」とも明記してある。カラーバリエーションもシャンパンゴールドとシルバーの2色を展示。いや、もう間違いありません。で、販売価格は19,800円。うーん、これはゲットしておかねばならないでしょう。あ、もちろんシルバータイプでお願いします。
ということで買ってきました。箱はさすがに据え置き型だけあって、抱えて持ち運ぶには少々大きなサイズ。とはいえ、本体重量約2.3kg、梱包重量でも3kg程度と、お持ち帰りには支障の無いレベル。もちろんお持ち帰りました。
では、内容物の確認をしますかね。同梱品は、プレーヤー本体、リモコン、リモコン用単3型乾電池×2、コンポジット/ステレオRCAケーブル×1。以上。出力端子はD1×1、S映像×1、コンポジット/ステレオRCA×2、光/同軸デジタル×各1を装備してますが、D端子ケーブル/S映像ケーブルは別途購入してくれ、ということですな。ま、他のDVDプレーヤーの同梱物もこんなモンですし。
本体は、外形寸法430×255×62mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.3kg。幅、奥行きは通常のデッキサイズで、他のデッキとの親和性も高し。なんと言っても高さ62mmという薄型設計が好印象。やっぱこれからは薄型ですよ。
トレイはセンターではなく、多少左に寄った配置。フロントパネルのデザインは、うーん、凝ったデザインだとは思うのだけれども、シンプルな「Z-315L」に比べると自分の好みではないかな。それでも「嫌い」と言い切れるほどのことでもなく、許容できる範囲。ま、現時点では買ったことを後悔してません。では設置しますかね。
同梱品一覧。低価格帯DVDプレーヤーだけに、必要最小限度の構成 | 本体フロント部。凝ってはいるがちょっと好みが分かれそうなデザイン | 本体背面。出力端子はD1×1、S映像×1、コンポジット/ステレオRCA×2、光/同軸デジタル×各1 |
本体天面。奥行きは結構短めでいろいろなところに設置できそう | 本体底面。フロントから見える足らしきものは実はダミー |
■画質はほぼ満足。操作性も良好
ウチのテレビ、ソニー「KV-14AF1」はD端子を装備していないので、S端子で接続っと。うーん、そろそろテレビも大型のものに買い換えたいけど、その前に部屋の模様替えがな……。などと思いながらも設置終了。
電源を入れると「クイックセットアップ」機能が動作して、テレビの画角、外部AVアンプへの音声出力方法などの設定を行ないます。ウチのテレビは4:3なので、一応レターボックスに設定してっと。これで準備は完了ですかね。
設定画面はもちろん日本語。設定終了後に改めてメニュー画面を確認してみたところ、まあ、なんとか理解できました。ソニーのDVD設定画面はあまり触れたことが無かったけれども、正直、ちょっとわかりにくいとは思います。
ソフトはそうさねー、まずは「ナチュラル・ボーン・キラーズ」を再生。ワーナーの1,500円再販キャンペーンで5枚ばかしまとめ買いしたのだけれども、なかなか視聴する気力がおこらず、ほったらかしになってたんだよねー、コレ。
画質はというと、ふむ、いいんじゃないでしょうか。スクイーズ収録されているため、レターボックスで出力してますが、変換に関して特に問題ないみたい。輪郭もはっきりとしていてシャープ。暗部でのコントラストも良好。しばらく見ていても、特に問題を感じませんでした。
しかし、途中で飽きてきたな、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」。一度見た映画だからストーリーは知っているしな。んー、そろそろ別のソフトに切り替えますかえ。
アニメソースの確認の意味もこめて、続いて「フリクリ」6巻を久々に視聴。ふむ、こちらはデジタルソースで制作されたアニメ独特の画質ですな。何よりもシャープ。コントラストも高いから階調の塗り分けもはっきりと確認できて、30分と収録時間が少ない代わりにビットレートも高いようで、PCMで収録された音声は非常にクリア(一部レベル割れしてますが)。
しかし、シャープすぎる画質は少々ノイジーに感じるのが難点。背景とキャラクタの境目などはもろジャギーって感じですわ。そういえば輪郭調節機能があったなと、リモコンから設定画面を呼び出して、輪郭を「ソフト」に設定。ふむ、多少ぼやけた感じにはなりますが、ノーマル状態よりも格段に見やすくなりました。
そのほかにもブロックノイズリダクション、コントラスト/輝度を調節する「お好み画質」などの画質調節機能を装備。コントラストの調節ができる「お好み画質」は、暗いシーンの多い「タイタス」などで活躍してくれます。ま、元の画質に慣れていると違和感を感じてしまうので、「お好み」で調節ということになりますけど。
ふむ、安いプレーヤーなのにこれだけ画質調節機能がついてれば満足ですわ。ま、ブロックノイズが気になるソフトは今のところ「スーパーミルクチャン」だけですけど。
やはり有名メーカーだけあって、基本機能、操作感とも特に問題は感じません。本体に装備されたジョグダイヤルによる操作は、便利なのだけれども本体まで手を伸ばすのがおっくう。これはリモコンに欲しかったなー、という程度。なによりもリモコンの使い勝手がよろしい。同じソニーの「DVP-F21」のリモコンは、小型な本体にあわせてか、10キーを省いた特殊仕様でしたが、こちらは当然10キーまでフル装備。
ZENIX製品のリモコンは英語表記だったのに対して、こちらは日本語表記。目当てのキーを探す時間が短縮されました。キー配置に関しては、スキップ、サーチのボタンの位置に最初は違和感を感じましたが、すぐになれました。それよりも細めのボディでグリップ感が高し。テレビの操作も可能なので、これ1本でTVのリモコンと持ち変えることなく、シームレスに大抵の操作ができました。うーん、さすが有名メーカー製。細かいところまで気が配られてるなー。
リモコン。細身で握りやすく、日本語表示でボタンの確認もラク | 初期設定画面。画角の設定など、忘れがちな設定も最初に行なえる |
■MP3再生&その他機能はどうよ?
「MP3ブラウザ」。……英数表示/ファイルネームだけってのはやっぱり…… |
MP3の再生ディスクは、ISO9600/Joletフォーマットで記録し、マルチセッションに対応するが、パケットライトには非対応。パケットライト非対応はちょっと痛いな。では、MP3を記録したCD-Rをセットして、再生っと。
「MP3ブラウザ」の表示は、英数のみ。それ以外の記号/日本語は全て「*」で表記されます。ついでに言うと、ID3タグには非対応。表示はファイルネームオンリーです。……えーと、今感じているもやもやとした気持ちと、どうやって折り合いをつけようかな? そうだ、「MP3はあくまで再生できることに意義があるのです」とでも。うーん、クーベルタン。
MP3対応のポータブルCDプレーヤーに入れ込んでいる自分の本音を言わせてもらえば、この仕様は納得できません。「日本語表示対応かも」という期待は裏切られましたとさ。
とはいいつつも、フォルダ階層の表示には対応しているので、フォルダ名、ファイルネームさえしっかりと「英数で」再編集しておけば再生には問題ないのですね。ソートはファイルネーム順になるので、ファイルネームの頭にアルバム曲順を設定するのを忘れずに。……「外で聞いている曲を自室でも聞きたい」という状況もたまにはあるのですが、結構な数のファイルを溜め込んでる自分はいまさら再編集するのも大変。日本語表示できないんじゃ目当ての曲を探せないッスわ。
MP3再生機能の使えなさに打ちのめされた後、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」の続きを見ることにしました。そうそう、前述の通りこの「DVP-NS515」には6枚分まで再生ポイントを記憶できる「つづき再生機能」が装備されております。
で、ディスクを交換して再生ボタンを押すと、以前に停止ボタンを押したポイントから再生開始。おー、これは便利かも。これまでは続きの位置をDVDメニューなどで確認してから再生したり、チャプタースキップで以前の停止位置を探したものですが、これならばその時間をかけずにすみます。以前の停止位置を探す時間って、視聴に対するテンションを微妙に下げていたので、この機能はなかなかイイですぞ。
停止位置を記録できる枚数は6枚ですが、同時進行で試聴するDVDの数はそれほど多いとは思えません。かなり使いでのある機能だと思います。
えーと、あと残ってるのはバーチャルサラウンド機能「TVS(TV Virtual Sorround)」か。各社は「Q Surround」や「Tru Sorround」などのライセンスを受けている場合が多いのだけれども、TVSはソニーが独自開発したサラウンドシステム。マニュアルにはテレビスピーカーでの試聴時を想定したシステムと解説されてます。
サラウンドモードは、サラウンドL/Rをエミュレートする「ダイナミック」、10本5組のバーチャルスピーカーをエミュレートする「ワイド」、低音量でも「ワイド」と同様の効果を得られるという「ナイト」、外付けスピーカー接続時に6本3組のサラウンドL/Rをエミュレートする「スタンダード」の4種類。
さて、その効果はというと、うーん、思ってたより結構いいんじゃないでしょうか? サブウーファがない分、低音の迫力は5.1chシステムには及びませんが、結構いい感じに音が動いてくれます。ま、移動感は(バーチャルサラウンドにしては)大きいのですが、さすがに定位感はかなり薄弱。しかし、動きが感じられる分、楽しく試聴することができました。
■環境に合うならコストパフォーマンス高し
これまでイロモノ系プレーヤーを中心に使ってきた自分の感想としては、さすがにこなれた設計をしてると思います。ま、自分の環境では出力先が14型と小さいため、画質のアラが目立たないという理由も大きいですが、近くでじっくりと試聴しても特に問題は感じないので基本性能自体も高いのでは。
メインプレーヤーとしてZENIX製品を使用していたので、ソニー独自のメニュー構成はまだ慣れきらないところがあったり、リモコンのスキップ/サーチボタンの配置が微妙だったりという部分もありますが、ホールド感が高く、フルキーが使えるリモコンの使い勝手が良好なことを思えば操作性も高い(というか自然)ですな。6枚までの再生ポイント記録機能も便利な機能だったし、総合すると「より便利にDVD再生を行なう機能」が充実したプレーヤーだと感じました。
で、これにMP3再生機能。MP3再生機能がほぼ標準装備となっている韓国メーカー製品や、MP3再生機能が付いていない他の有名日本メーカー製品と比べると、19,800円は多少高い価格設定になってますが、その差は1割程度。この価格帯ならば1割程度が上がったところで大差ないでしょう。
「DVDにMP3再生機能も欲しい。でも、有名日本メーカー製品でないとダメ」というようなお方にはお薦めできる製品だと思います。やはり、リモコンは日本語表記でないとねー、と改めて思うワタクシでありました。であるが故に、日本語表示ができないMP3再生機能は使いません。日本語表示とID3タグ対応ならば「満足」と言い切れるんだけどなー。
□ソニーのホームページ
http://www.sony.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200203/02-0327/
□関連記事
【3月27日】ソニー、DVD-R/RWやMP3にも対応する薄型DVDプレーヤー
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020327/sony.htm
(2002年5月23日)
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