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第196回:ソフィーの配役変えてください
細い足で支えます「ハウルの動く城」

怒涛のように発売されつづけるDVDタイトル。本当に購入価値のあるDVDはどれなのか? 「週刊 買っとけDVD!!」では、編集スタッフ各自が実際に購入したDVDタイトルを、思い入れたっぷりに紹介します。ご購入の参考にされるも良し、無駄遣いの反面教師とするも良し。「DVD発売日一覧」とともに、皆様のAVライフの一助となれば幸いです。


■ まだまだ行きます、宮崎アニメ

ハウルの動く城
特別収録版

価格:8,925円(特別収録版)
発売日:11月16日
品番:VWDZ-8084
仕様:片面2層
収録時間:本編約119分
画面サイズ:ビスタサイズ(スクイーズ)
音声(Disc1):日本語(ドルビーデジタル2.0ch)
         日本語(DTS-ES)
音声(Disc2):日本語(ドルビーデジタル2.0ch)
         英語(ドルビーデジタル2.0ch)
         フランス語(ドルビーデジタル2.0ch)
         北京語(ドルビーデジタル2.0ch)
         広東語(ドルビーデジタル2.0ch)
字幕(Disc1):なし
字幕(Disc2):日本語
        英語
        フランス語
        北京語
        広東語
発売・販売元:ブエナ・ビスタ・ホームエンタテイメント

 「ハウルの動く城」は、「千と千尋の神隠し」から3年後の2004年末に公開された、宮崎駿監督の最新作だ。「千と千尋」は、「もののけ姫」が持っていた日本映画の歴代興行記録を抜いて1位を獲得。次作である「ハウル」の製作にあたっては大きなプレッシャーがあったと思われるが、蓋を開けてみれば国内だけで1,500万人を越える観客動員数を記録。千と千尋に続き、歴代観客動員記録の第2位となる大ヒットとなった。

 ちなみに3位も宮崎監督の「もののけ姫」がキープしており、監督は1位から3位までを独占した状態。「宮崎アニメだから」と流してしまいがちだが、冷静に考えると物凄いオジさんである。

 新作「ハウルの動く城」は、宮崎アニメとしては久しぶりの、原作付きアニメだ。元々はイギリスの児童文学で、原作者はダイアナ・ウィン・ジョーンズ。ただ、登場人物などの大まかな設定は共通しているものの、ストーリーに関してはアニメ版のオリジナル要素がかなり盛り込まれている。

 映画の公開前は、作品に関する情報が厳しく管理されていたようで、「ハウルの動く城」というタイトルと、城の一枚絵はテレビで目にするものの、その城がどのように動くのか? そもそもどんな話なのか? という基本的な点が謎となっていた。

 宮崎アニメの最新作というだけで話題性は充分だが、それに拍車をかけたのはキャスティング。魔法使いであるハウルは、宮崎アニメきっての美男子ということで、木村拓哉を抜擢。また、相手役のソフィーには倍賞千恵子。脇は「もののけ姫」で圧倒的な存在感を見せた美輪明宏。また、千と千尋で高い演技力を見せ、現在ブレイク中の子役・神木隆之介も起用。相変わらず、いわゆる“声優”は見当たらないが、それまでハウルに興味がなかった人も「キムタクが声優って、どんな声出すんだよ」と気になった人は多いはずだ。

 また、冒険活劇でも、自然と人間が戦う話でもなく、恋愛物語という点も注目を集めた。しかもヒロインは90歳のおばあちゃん。巨大で不気味な城が動いて、ハンサムな魔法使いが出てきて、おばあちゃんが頑張る。それでラブストーリーだというから、はっきりいってわけがわからない。声優・木村拓哉への不安と期待も合わさり、鑑賞前はかなり微妙な気持ちだったのを覚えている。

 ちなみに、DVDは本編/特典ディスクを収録した2枚組みの通常版(VWDZ-8076/4,935円)と、本編ディスク2枚、特典ディスク2枚を収録した「特別収録版」(VWDZ-8084/8,925円)を用意。さらに、同時発売の「ジブリがいっぱいCOLLECTION SPECIALショートショート」(VWDZ-8078/3,990円)と通常版のDVD、「どれどれの唄」のCDをセットにした初回限定の「ツインBOX」(VWDZ-8086/8,925円)も同時にリリースされた。

 注意しなければならないのは、通常版と特別収録版では、収録する本編ディスクが異なるということ。具体的には音声が異なり、通常版の音声はドルビーデジタルEX/ドルビーデジタル2.0ch。特別収録版はDTS-ES/ドルビーデジタル2.0chとなる。また、特別版に収録するもう1枚の本編ディスクは多言語版となっており、日本語、英語、フランス語、北京語、広東語をドルビーデジタル2.0chで収録している。

2005ウインターキャンペーンで先着順にプレゼントされるミニフィギュア

 特典の分量もディスク1枚分、特別収録版の方が多いため、クオリティを重視し、作品をより深く知りたいというユーザーには特別収録版がお勧めだ。同額のツインBOXも気になるところだが、「ジブリがいっぱいCOLLECTION SPECIALショートショート」は単品でも発売されているため、後から購入することもできる。

 発売日前日の15日の午前中、人影もまばらな新宿の家電量販店に向かったところ、既に販売が開始されており、通常版、特別版ともに豊富な在庫が用意されていた。購入者には「ハウルの動く城 1/24 second」が先着順でプレゼントされる。全国で上映されたハウルの映画用フィルムの中から、視聴者の評価の高かったシーンや、キャラクター達を1コマに切り分けて透明のキューブに密封したもので、なかなか高級感がある。

 ハウルやソフィーが大きく描かれているフィルムは特に人気があり、ネットのオークションサイトでは数万円の値が付いている模様。木村拓哉ファンを中心に「ハウルのフィルムが出るまでDVDを買う!!」という豪気なファンもいるようだ。

 また、「ジブリがいっぱいCOLLECTION 2005ウインターキャンペーン」として、ハウルの動く城のミニフィギュアももらえた。発表では、ハウルの動く城以外のスタジオジブリ関連DVD、またはVHSビデオを購入すると先着順にプレゼントされるはずだったが、店舗によってこのあたりの配布基準は異なるようだ。



■ ソフィーの第一声で吹き出した

 物語の舞台は魔法と科学が混在する19世紀末のヨーロッパ。派手な身なりで雑踏に紛れる母や妹と違い、18歳のソフィーは一人の時間を愛する地味な少女。だが、彼女の質素な生活は、悪名高い“荒地の魔女”に呪いをかけられたことで、激変してしまう。中身は18歳のままだが、外見は90歳の老婆になってしまったのだ。

 元に戻るための唯一の手掛かりは、動く城に住む魔法使いハウル。荒地の魔女はハウルの心臓を狙っているという。ソフィーはなんとか動く城を探し出し、掃除係のおばあさんとしてハウルを含め、奇妙な住人達と共同生活を始めることになる。徐々に心を通わせるハウルとソフィー。だが、ハウルら魔法使いをも巻き込んだ大規模な戦争の影が忍び寄っていた……。

 宮崎駿の作品は、“自然の気高さ”や“人間の愚かさ”などをテーマにした作品が多いが、今回は“恋愛物語”がメイン。宮崎アニメにはこれまでにも様々なカップルが登場したが、少年と少女の清々しい恋愛がサブ要素として盛り込まれていることが多く、それがメインになることは少ない。中年の男女の恋愛などは皆無に近く、挙げるとすれば「紅の豚」ぐらいだろう。あの映画の場合、三角関係の1角はやっぱり少女だし、相手は男というか豚だが……。

 宮崎駿は「大人の女性が描けない監督」などと批判されることがある。彼の作品に登場するのは凛とした少女か、老婆が多く、普通の大人の女性というのはあまり登場しない。今回のハウルも公開前に恋愛物語と聞いて「大丈夫かな」と不安になったが、「少女が魔女の呪いで老婆になる」というストーリーを聞いて「やっぱり少女と老婆か」と、ガッカリしたような安心したような、不思議な気持ちになったことを覚えている。

 そんな作品だからこそ、最も印象に残るのはハウルとソフィーの関係だ。老婆のソフィーは劇中、何度も少女、女性、老婆の間を行ったりきたりするのだが、それぞれに見せるハウルの反応が面白い。老婆のソフィーには甘える子供のような一面を見せ、若いソフィーを前にすると肩を抱いて彼女を守るナイトになる。だが“ソフィーの中身は同じ”という設定が興味深い。「女は子供の頃から女で、男は大人になっても子供」などという言葉もあるが、それを身をもって知っている年配の女性にとっては、思わず笑みがこぼれる映画ではないだろうか。

 ストーリーは複雑だが、説明は少なく、観客は「たぶんこういう事なんだろうな」という曖昧な状態で鑑賞を続けることになる。それを不快に感じる人もいるかもしれないが、前述したハウルとソフィーの関係さえ注意していれば、大きく取り残される事はないだろう。中盤以降は展開も加速してより難解になるので、些細な会話も聞き漏らさないよう注意したい。ストーリーを完全に理解できなくても、動く城を含め、火の悪魔カルシファーや、可愛いマルクルなど、登場する様々なキャラクターを見るだけでも充分楽しめる。

 映像のクオリティは「流石はジブリアニメ」の一言。動く城が辿り着く湖のほとりや、秘密の花園など、大画面で観賞すると吸い込まれるほど美しい。街中では揺らめく旗や人々の服装は、絵の具のパレットをひっくり返したような鮮やかさ。だからこそ、着飾る母親や妹と、最後まで地味な服を着通すソフィーの対比が鮮烈。「美しくなければ生きている意味がない」と嘆くハウルに「私は美しかったことなんてない」と答えるソフィー。「美しさとは何か?」も重要なテーマ。

 不安だったハウルの声だが、結論から言えば木村拓哉という配役はベストマッチだったと言えるだろう。ドラマなどで目にする彼の演技は“自然体”で、個人的には評価しているのだが、役者としては「演じるキャラクターの引き出しの数」に疑問を持っていた。だが、今回のハウルの“声”は、素っ気無い若い男として自然でありながら、紳士的な誠実さと、魔法使いのミステリアスさも感じさせる。妙な色気のある声だ。実写ドラマの演技とは、一味違った面を見せてくれる。

 ハウルというキャラクターは、容姿や性格、能力を含め、誰もを虜にする魅力を持っていながら、当の本人がそれを忘れているような子供っぽさがある。本人は大人のつもりだが、はたから見ると実に危なっかしい、アンバランスさが魅力だ。木村拓哉の配役は、「顔がハンサムなキャラだから」という理由で選ばれたという話が本当かどうかは知らないが、ハウルと木村拓哉の性格は重なる要素も多く、上手い配役だ。

 ただ、最大の問題は別のキャラの声にあった。ソフィーだ。別に倍賞千恵子の女優としての演技力に文句を付けるつもりはないが、声優としての能力には大いに疑問が残る。冒頭、18歳のピチピチしたソフィーの口から出るのは、どう贔屓目に聞いても“頑張って元気な声を出している64歳の女性の声”だ。初めて聞いた瞬間は、映像とのギャップに思わず吹き出してしまった。これから映画の世界にのめり込もうという冒頭で、この違和感の代償はあまりにも大きい。

 逆に、90歳になってからのソフィーの声には違和感がない。年齢別に声を変化させようとする努力は感じられるが、残念ながらエンドロールまで違和感が消えることはなく、99%映画の中に入り込んでいるのに、声に引っかかって現実に引き戻されてイライラする。無理なら無理でなぜ倍賞千恵子の若い頃の声に似た声優を起用しないのか。

 「宮崎監督は声優嫌いだし、監督がOKを出したからこれでいいのだ」ということかもしれないが、声優であれ女優であれ、観客が違和感を感じるような配役はミスキャスト。出演者にとっても、作品にとっても不幸だ。宮崎駿は神ではないし、同人映画を作っているわけでもないのだから、そろそろ映画に悪影響を及ぼす妙な配役は誰かに止めていただきたい。


■ 画質・音質は文句なし

 映像はビスタサイズ。DVD Bit Rate Viewerでみた平均ビットレートは8Mbpsと実写映画と比べると高いが、アニメでは平均的な数字だろう。変動の少ないグラフを見てもわかるように、最後まで安定した高画質が楽しめる。

 赤味がかることもなく、擬似輪郭や単色内に偽色が乗ることもない。ただ、冒頭、街中で行なわれているパレードの場面で、群集がうごめき、紙吹雪が舞うというMPEG-2には辛いシーンがあり、その場面ではブロックノイズやモスキートノイズが若干見られた。そのほかのシーンでは大きな問題は見当たらなかった。

 特別収録版の音声はドルビーデジタルステレオと、DTS-ESの2種類で収録。ビットレートはステレオが192kbps、DTS-ESが768kbps。視聴はDTS-ESで行なったが、サウンドデザインはかなり派手目。千と千尋はリアチャンネルの利用も少なめだったが、ハウルではかなり活発に鳴る。特に汽車の移動や、魔法使いの空中戦のシーンは音の移動が頻繁にある。環境音を使ったサラウンド感も上々で、郊外の風が吹くシーンでは音場の広さが印象的。

 低音も豊富だが、動く城が移動する際の「ズシン、ズシン」という音にもう少し締まりが欲しかった。なお、この作品にはパイオニアが開発したマルチチャンネルオーディオの制作/再生時に発生する「低音のズレ」を解消する「フェイズコントロール技術」が使われている。対応するAVアンプとサブウーファが必要になるが、時間遅れと位相のズレを解消する技術として注目されている。同技術が使用されたソフトの第一弾は「CHAGE and ASKA」がファンクラブ向けに限定発売したDVDだったが、ハウルのような大作DVDにも採用されたことで、今後の普及に期待できそうだ。

 多言語版のディスクには、日本語、英語、フランス語、北京語、広東語をドルビーデジタルステレオで収録。ビットレートは192kbps。DVD Bit Rate Viewerでみた平均ビットレートは7.86Mbpsで、ほぼ同じ。映像も比較したが、画質の違いは感じられなかった。

【本編ディスク】
DVD Bit Rate Viewerでみた平均ビットレート

【多言語版・本編ディスク】
DVD Bit Rate Viewerでみた平均ビットレート

 特典ディスクは2枚組み。1枚目にはジブリアニメでお馴染みの絵コンテ映像を収録。マルチアングル機能で本編と切り替えて視聴できる。「世界のハウル」はヴェネチア国際映画祭から全米プレミア試写までを追った映像だが、ドキュメンタリーと言うほど内容の濃いものではなく、「現地の映像集」といった感じだ。

 1枚目で注目すべきは、原作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズへのインタビューだろう。ダイアナは20年来の宮崎アニメファンということで、今回のアニメ化を心から喜んでいるよう。「どの場面も美しい。ハウルも魅力的に描かれていて、世界中の若い女性がハウルと結婚したいと思うわ」とご満悦。

 宮崎監督とも直接会って話をしたそうで、「彼は、他の誰よりも私の本を理解している。だから、原作とアニメには共通点が多く、込められているメッセージも同じ。誰かを深く愛すると素晴らしいことが起きる。それは一種の魔法なのよ」と、原作者ならではの素敵なコメントを聞かせてくれる。

 2枚目では、フランス漫画界の重鎮・メビウス氏と、宮崎駿のインタビューが中心。メビウス氏は日本での知名度は今ひとつだが、日本の漫画界に多大な影響を与えたクリエイターで、宮崎監督も影響を受けたそうだ。対談ではそれぞれの創作活動への姿勢などが話されているが、メビウス氏の宮崎監督に対する質問は「ここ最近の作品が難解で、1つの結論に結びつかないのはなぜか?」など、なかなか鋭いものが多くて面白い。

 ハウルに関しての話では、「60歳になった少女に向けて作った映画」という宮崎監督の言葉が興味深い。「18の自分と60の自分のどこが違うのか? それを考えた」という。そして、「とにかく老婆になったソフィーが元の少女に戻ったらハッピーエンド……という映画にしたくなかった。若いことが幸せなのではない。では、どうすれば幸せになるのか、それを考えた映画だ」と語る。そう言えば宮崎監督も今年でもう64歳。日頃考えている疑問が、映画の中にそのまま反映されているようだ。ともかく、鑑賞後に聞くと、モヤモヤしたものがスッと消えていくような対談だった。

 映像的に面白いのは、デジタル部分の作画監督によるCG解説。「動く城」をいかに描いているかが中心だが、とにかくアイデアの豊富さや試行錯誤の過程に感心する。単に城をCGで描き、動かしているシーンもあるのだが、動きによってはCGムービーを1枚ずつプリントアウトして、それを参考に紙に人間がペンで描くなど、CGに頼り切るのではなく、デジタルをツールの1つとして活用していく姿勢がジブリらしい。CGを手描きのように見せるために、あえて線の太さがランダムに変わるようなプログラムを作るなど、途方もない労力がかかっている。


■ 21世紀のエンターテイメント?

 宮崎アニメが、“家族そろって大人から子供まで楽しめるブランド”だったのは、正直言ってカリオストロの城、ナウシカ、ラピュタ、トトロあたりまで。メッセージとエンターテイメントの逆転現象が起こり、もののけ姫から後は、千と千尋を含め、内容は複雑化。ストーリーは破綻の一歩手前でかろうじて繋がっているような状態だ。家族揃って観賞しても、子供が親を質問攻めにして、大人は考え込んでしまうことも多いだろう。

 今回の映画も、動く城の謎を解いたり、怖い魔女を打ち倒したりする単純な娯楽作ではない。ただ、「愛するとは、相手の何を愛するということか?」、「美しさとは何か?」というメッセージは素直に胸に響く。家族でというよりも、カップルで……いや、母親と息子、お婆ちゃんと孫で鑑賞するなんていうのもいいかもしれない。

 個人的には、お気に入りのラブストーリーだ。賛否両論あるかもしれないが、とりあえず購入しておくべきDVDだろう。ただ、特典ディスクの密度はそれほど高くないため、通常版(4,935円)と特別収録版(8,925円)の約4,000円という価格差は微妙。ドルビーデジタルEXの音声もクオリティは高いと思われるので、とりあえず通常版を買うというのもアリだろう。

 それにしても、押井守しかり、大友克洋しかり、成功した日本のアニメクリエイターは、成功後、ライトな観客を拒絶するような、難解で内向的な小道に迷い込まずいられないのは何故だろうか? もともと外交的でないのかもしれないが……。

 特典ディスクのインタビューの中で、宮崎監督は「混迷した21世紀だからこそ、悪役が出てきて、やっつければ良いというエンターテイメントを作ってはいけないと思ってる。固定概念を崩して、今まで当たり前だと考えていたことも、もう一度仕切りなおして考えなくちゃならない。判断基準は自分が面白いと思うかどうか。面白くないと思うものを切り落としながら映画を作っていくのだけれど、結局作ってる自分達にもよくわからないものになっている」と笑う。

 既成概念の破壊自体は必要なことだと思うが、その一方で「混迷した21世紀だからこそ、映画(アニメ)の中くらいは、悪役が出てきて、やっつければ良いというエンターテイメントが見たい」とも思う。勝手な注文だが、大友監督が「スチームボーイ」で、あえて冒険活劇にチャレンジしたように、宮崎監督にはもう一作くらい、純粋なエンターテイメントを作って欲しい。“良薬口に苦し”で良しとせず、新しい試みという名の薬は、シンプルな娯楽作に包んで飲ませないと、監督が特に重視する観客である子供達には受け入れられないのではないか? 初期の宮崎アニメを見て育った私はそう思い、期待もするのだが……。

●このDVDについて
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□ブエナ・ビスタのホームページ
http://club.buenavista.jp/
□タイトル情報
http://www.howl-movie.com/
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(2005年11月17日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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