エコポイント効果で薄型TVの7月販売台数は前年比154.2%

-BCN調査。東芝が販売台数シェアで2位に急浮上


8月5日発表
薄型テレビ全体の販売台数/金額の前年同月比と平均単価。出展:BCN

 株式会社BCNは5日、家電量販店など全国22社のPOSデータを集計した「BCNランキング」のデータをもとに、7月時点での薄型テレビの市場分析結果を発表した。

 7月の薄型テレビ販売台数は、政府が実施するエコポイント制度が「強烈に効いている」(BCN)影響で、前年同月比154.2%、金額で同130.2%と大幅な伸びを記録。販売台数/金額の伸びはエコポイント制度が始まった5月を境に顕著になっており、6月下旬にエコポイントの交換商品詳細が発表されたこともあって、7月の大幅増につながったものとしている。

 また、7月の実績が薄型テレビの販売のピークである年末商戦時とほぼ同等規模ということからも大幅な増加が見て取れる。例年7月の販売台数は前年12月のピークと比べ、6割程度の台数に収まることが多いが、2009年7月の売上台数は昨年12月比99.5%、金額で同94.4%とほぼ同水準で、例年にない伸びを記録した。

 エコポイントの影響で、画面サイズの大型化も促進。特に40型台がシェアを伸ばし、2008年7月に19.4%だった台数構成比が、2009年7月には23.2%と拡大。50型以上も合算した大型テレビの台数では、全体のほぼ1/4を占めるまでになっている。サイズ帯別の販売台数前年同月比を見ても、40型台が85.0%増と突出しており、このサイズ帯が大型化を牽引していると分析する。

薄型テレビのインチサイズ帯別販売台数構成比。出展:BCN30インチ以上の薄型テレビのインチサイズ帯別販売台数前年同月比。出展:BCN

 7月の税抜き平均単価は109,000円と、単価下落も下げ止まりを見せている。主要インチサイズ別の平均単価変動率をみると、1月以降に大きく下落しているサイズはなく、2008年7月比でおよそ15%前後の下落で踏みとどまっているとしている。

 メーカー別の販売台数シェアでは、1位はシャープで42.3%。次いで、比較的小型テレビが好調だという東芝がシェア16.4%で、これまでの4位から2位に急浮上。3位はパナソニックで16.3%、4位はソニーで15.4%と混戦になっている。

 東芝は、比較的低価格な40型未満の製品の構成比が大きく、平均単価も上位4社の中で最も安いため、台数シェアで躍進を見せたとしている。販売金額シェアでは、1位がシャープで42.2%、2位がパナソニックで18.5%、3位がソニーで17.0%、4位が東芝で14.6%となっている。

薄型テレビのインチサイズ別税抜き平均単価変動率。出展:BCN薄型テレビ主要メーカー別販売台数シェア。出展:BCN

(2009年 8月 5日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]