ローソンがHMV ジャパンを18億円で買収

-店舗、Loppi、ネットショップの充実へ


 ローソンは28日、HMV ジャパンの発行済普通株式の全て取得し、同社を完全子会社化する株式譲渡契約を締結したと発表した。取得期日は12月1日を予定。取得価額は18億円。HMV ジャパンの株式は有限会社HMV ジャパン・ホールディングスが全て保有。そして、HMV ジャパン・ホールディングスの株式は、大和証券SMBCPIが100%保有している。

 HMV ジャパンの株式は、2007年8月に、それまで保有していた英HMV Groupが、大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ(大和証券SMBCPI)のSPC(特定目的子会社)である、有限会社ディー・エス・エムインベストメンツカトルセに売却。

 その後、TSUTAYAなどを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が、2010年3月にHMV ジャパンの事業を取得することで基本合意し、事業買収に向けた具体的な協議を進めていたが最終合意には至らず、同年6月に買収を断念していた。

 エンタテイメント事業を重要な成長分野と位置付けているローソンは、特にネットを活用した利便性の高いサービスの構築を目指しており、現在でも店頭マルチメディア端末「Loppi」や「Ponta&LAWSON ネットショッピング」によるエンタテイメント系オリジナル商品の開発・販売、ローソンエンターメディアでのチケットサービス、アーティストグッズの販売、ファンクラブ運営などを展開している。

 ローソンは、HMVを「スタイリッシュで信頼性の高いブランドとして定着し、リアル店舗とネット通販をバランスよく両立した稀有なブランド」と評価。また、専門店およびオンラインショッピングサイト「HMV ONLINE」、モバイルショッピングサイト「HMV MOBILE」で、ローソンが比較的手薄な音楽・映像ソフトを販売している事、リアル店舗、ネット通販の両面で国内有数のシェアを持っている事を評価。HMVをグループ化することで、両社店舗、Loppi、ネットでの品揃え充実を図り、「リアルとネット両面での総合エンタテイメントショップの実現が可能となる」と判断したという。


(2010年 10月 28日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]