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Bluetoothのハイレゾ標準規格は2027年登場。CESで「プレミアムなワイヤレスオーディオ」発表へ

記者説明会に登壇したBluetooth SIGのネヴィル・マイヤーズCEO

Bluetooth技術を統括するBluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は10月15日、東京都内で記者説明会を開催し、Bluetoothの高データスループット技術(Bluetooth LE HDT)を11月に提供し、これをベースとしたハイレゾ・ロスレスオーディオの標準規格を2027年に提供する予定を明らかにした。

また2027年1月のCES 2027では「Bluetooth SIGとして、新たなプレミアムなワイヤレスオーディオを発表する」と予告した。

Bluetooth SIGは、Bluetooth技術を監督する国際的な標準化団体。製品認証や特許・商標ライセンスに加えて、加盟企業とBluetooth技術を進化させるためのプロジェクトを行なっている。

ハイレゾ&ロスレスオーディオの標準規格は、次世代Bluetoothオーディオ規格として2020年10月に仕様書がリリースされた「LE Audio」の機能強化版。

先行して、11月から提供されるBluetooth LE HDTにより、データレートが7.5Mbpsから8Mbps近くまで高速・大容量化されることを活用し、対応のBluetoothイヤフォン・ヘッドフォンなどでハイレゾ・ロスレスオーディオが楽しめるようになる。

Bluetoothを使ったハイレゾ伝送技術としては、クアルコムのaptX Adaptiveや、ソニーのLDACなど、すでに複数の方式が存在しているが、Bluetooth SIGによる“標準化規格”は、これまで存在していなかった。

Bluetooth SIGは、東京を拠点とする日本法人「Bluetooth SIG Japan合同会社」を2026年6月に設立した
Bluetooth SIG Japanの代表に就任した黒川剣氏

さらにBluetooth SIGは、東京を拠点とする日本法人「Bluetooth SIG Japan合同会社」を9月に設立。その日本代表に黒川剣氏を任命したほか、日本国内におけるBluetooth技術の協賛・教育・認知度向上を目的に、Bluetooth Japan Member Group(JMG)も発足している。

JMGの第1回ミーティングは10月16日に開催
これまでBluetoothコミュニティからは言語の壁が日本メンバーの課題になっている、日本メンバーのワーキンググループへの参加が不足していて、各種仕様に日本市場の意見が十分に反映されていないといった声があったという
Bluetooth SIG JapanとJMGを立ち上げることで、日本での協業・教育・市場開拓を推進。2027年3月には京都で相互接続性試験イベント「UPF(UnPlugFest)」を開催する予定

Bluetooth SIGは「日本は、Bluetooth SIGのなかでも最大規模のメンバーコミュニティのひとつを擁しています。Bluetooth SIGの設立以来、2,900社を超える日本企業がBluetooth SIGに加盟しており、そのメンバー数は世界第3位です。また日本は、Bluetooth製品の認証件数でも世界第3位となっています。黒川は日本代表として、日本のメンバー企業を支援し、Bluetooth JMGを率いていきます」としている。

黒川代表は、DVDやBlu-rayディスクなど、コアオーディオ・ビデオ技術の標準化や、Xperi/DTS、Deezer、Spotify、ゲーム会社のUbisoftなど、グローバル企業の日本代表を歴任してきた人物。

その黒川代表も記者説明会に登壇し、自身のキャリアのモットーは「つなぐ」だと紹介。「日本にはたくさんの課題があると思います。その課題をJMGのメンバーの協力によって解決し、JMGの成功例をBluetooth SIG全体に共有すれば、より良い製品づくりと、より豊かな社会を作っていけると信じている」とコメント。続けて「つないで、つないで、つないで参りたいと思います」と締めくくった。

2027年には高周波数帯域への拡張も予定する

黒川代表は今後予定されているBluetoothのアップデートについても紹介。上述のとおり11月には高データスループットが提供され、速度と容量、信頼性が向上すること、同じく11月にBluetooth LEでIP v6パケットを伝送するIP Linkも提供されるとしたほか、2027年にはBluetooth SIGによるハイレゾ・ロスレスオーディオ標準規格の提供、さらに「今後25年間にわたる性能向上の基盤を確保する」としてBluetooth LEの動作帯域を5GHz帯、および6GHz帯を含む高周波数帯域に拡張する計画も紹介した。

なお、日本については主に6GHz帯の導入を目指して、総務省など関係各所とコミュニケーションを取っていくという。

そのほか記者説明会の会場にはBluetooth SIG参加企業による展示ブースも用意され、中国・Bestechnic(恒玄科技)のブースでは、96kHz/24bitのハイレゾ音源をBluetooth LE HDTを使って伝送するデモが行なわれたほか、Auracastに対応する製品としてNTTソノリティの耳スピシリーズ、ヒビノのAuracast送受信機なども展示。また会場で使う同時通訳の送受信機にもAuracast対応端末が活用されていた。

記者説明会後には、日本法人設立を記念した鏡開きが行なわれた
展示ブースでは中国・Bestechnic(恒玄科技)がBluetooth LE HDTを使ったハイレゾ音源の伝送デモが行なわれた
Auracast対応デバイスとしてNTTソノリティの耳スピ、ヒビノのAuracast送受信機なども展示されていた
会場で記者に渡された同時通訳用のAuracast受信機