ミニレビュー
ファインダー越しの景色を切り取る。新感覚トイデジ「InstantSnap.novo」が楽しい
2026年10月6日 08:00
インスタント写真のような形をした、不思議なカメラ。それが、香港のカメラメーカー・Escuraの手がけるトイデジタルカメラ「InstantSnap」を見た最初の印象だった。
目を引くのが、本体中央にある透明なファインダー。初代モデルでは液晶画面もなく、このファインダーだけ。そこから覗く景色を切り取るようにして撮影するのが、このカメラの特徴だ。
このたび新たに登場した第2世代モデル「InstantSnap.novo」(8,894円)では、小さな液晶画面がプラス。本体デザインも、写真のフレーム風から昔のコンデジ風に変化して、交換式となったファインダーは3つの構図から選べるようになった。
初代らしいファインダー撮影は残しつつ、使いやすさと遊び心がアップデートされた「InstantSnap.novo」。
今回、販売元のPinkoiから試してみませんか?と声をかけていただいて、新感覚の撮影体験を試させてもらった。
液晶 or ファインダー。撮影体験を好きに選べる
実物を手に取って最初に思ったのは、とにかく軽いということ。それもそのはず、本体重量は約38gしかない。
サイズは約106×60×16mm。普段使っているミラーレス一眼とは違って、出かける際「今日はカメラを持っていこう」と構える必要は全くなく、とりあえずでパッと持ち出せる気軽さがある。
そしてやっぱり、今回も見た目がいい。小さな横長ボディに、透明なファインダー。その横には、10年以上前に使っていた昔のコンデジみたいに、1.3インチの小さな液晶画面がちょこんと備わっている。なんだかかわいい。
オレンジ色の楕円形のボタンがシャッター、隣の小さな丸いボタンが電源。電源を入れると「シャラララン」みたいな、魔法のコンパクト的な音がわりとしっかりした音量で鳴る。
液晶画面の下にボタンが3つ。中央のオレンジボタンは、電源を入れた状態で押すと画面表示のオンオフが可能。左右のボタンはフィルターを変えたり、撮影した画像を切り替えたりできる。
ファインダー越しに撮影するのは、初代「InstantSnap」から続くこのカメラの面白さのひとつ。でも液晶画面があると、やっぱり便利で。実際、私も使っているときはほとんど液晶画面を見ながら撮影していた。
というのも、ファインダー越しの撮影が意外と難しい。「ファインダーを覗いて景色を切り取る」と聞くと簡単そうなのだけれど、ファインダーに描かれた構図なのか、その奥に見える景色なのか、目の焦点が行ったり来たりしてしまうのだ。
じゃあ、ファインダーの存在はなくていいのかというと、そうじゃない。「InstantSnap.novo」に付属するのは、「標準」「三分割構図」「フィボナッチ構図」の3種類。液晶画面を見ながら撮る場合にも、このファインダーの存在が役に立ってくれる。
たとえば、いつもなら真ん中に置いてしまうものを少しずらしてみたり、余白を意識してみたり。ファインダーに引かれた線を見て、写真の構図を意識させてくれる。
ファインダーと液晶、どちらかひとつを選ぶというより、2つを行ったり来たりしながら撮る。これは「InstantSnap.novo」ならではの面白い撮影体験なのかもしれない。
ファインダーパーツは、小さな透明の板。本体の横から抜き差しして交換する仕組みになっている。動きとしてはカメラのSDカードを出し入れする感じに近いけれど、感覚としては、フィルムを入れ替えているみたいなアナログさを感じる。個人的には、それも好き。
さらに、鏡代わりのパーツも用意。自撮りにも配慮されているところは、今っぽい仕様だ。
年代別フィルターで、それぞれの“あの頃”を撮ろう
イメージセンサーは、500万画素相当CMOS(補間)で、写真の解像度は2,560×1,920(JPG)。動画撮影も可能で、その場合1,440×1080 /30fps(AVI)となる。
レンズは3.2mm/F2.8、シャッタースピードは1/125秒の固定。撮影距離は約0.3m。
「InstantSnap.novo」には、フィルム風のフレームと、5種類の「年代フィルター」が用意されている。このフィルターは、通常撮影でもフィルム風フレームでも、どちらの撮影スタイルにも使用できる。
1960年代、1970年代、1980年代、1990年代、そしてY2K。「レトロ」といった名前じゃなくて、年代で色味の違いを選べるのが面白い。
どのフィルターを使ってもいいけれど、人によって「懐かしいなあ」と感じる世代はそれぞれ。たとえば私にとっては、Y2Kが青春だ。フィルターの種類も、Y2Kのちょっと色味が鮮やかになる感じが好み。「あの頃っぽく撮りたいなあ」と思ったときは、自然と選びたくなってしまう。
実際に撮ってみての感想は、トイデジらしい粗さはあるものの、思っていた以上に「ちゃんと撮れる」だ。
とはいえ、予想通りにはならない。液晶画面があるといったって、小さな画面上ではやっぱり把握しきれないし、「そんな色になるんだ」と思ったり、逆に「思っていたよりちゃんと写ってる」と驚いたりする。
撮る前から結果が全部わかっているわけじゃなくて、あとで写真を取り込んで、偶然の一枚をワクワクしながら探すのも、トイデジらしくて楽しいなと思う。
ある程度ちゃんと構えて撮らないとブレてしまうけれど、何も考えずに、歩きながらパシャパシャとシャッターを切る。このカメラには、そんな撮り方が似合う気がした。
不思議な撮影体験で、カメラがまた一段と好きになる
透明なファインダーを覗きながら撮る、初代InstantSnapで印象的だったシンプルな撮影スタイルに、液晶画面の利便性、交換式ファインダーや年代フィルターの遊び心も加わった「InstantSnap.novo」。
当たり前だけど、スマホほど便利ではないし、ミラーレスほどきっちり撮るものでもない。だけど、連れ出しやすさは抜群に高い。
感覚で好きなようになるばかりで、構図などをしっかり勉強してこなかった私に撮っては、ファインダーを横目に構図を意識できることも、個人的にはすごくいいなと感じた。
今までと少し違う方法で、目の前の景色を見られるようになる。それだけでも、カメラで撮ることがまた一段と好きになれた気がする。次は晴れた日に、また「InstantSnap.novo」と一緒に出かけたいと思う。














