フラットディスプレイの総合イベント「LCD/PDP展」が開幕
―サムスンがテレビ向け40ワイド型TFT液晶を出品


期間:10月31日~11月2日開催

場所:パシフィコ横浜

入場料:2,000円



 フラットディスプレイパネルの総合展示イベント「LCD/PDP International 2001」が10月31日に開幕した。会期は11月2日までの3日間で、会場は神奈川県・パシフィコ横浜の展示ホール。入場料は2,000円となっている。

 同イベントは、プラズマや液晶、有機ELといったフラットディスプレイのパネルを中心に、応用製品、部材、製造装置までを展示するイベント。8回目となる今回は、出展社182社、小間数405の規模で行なわれた。

 今回はハイビジョン対応の液晶パネルをはじめ、テレビ視聴用途のものが目につく。AV Watchでは、会場で見つけたテレビ向けのパネルを中心にレポートする。


■ 液晶パネル

 韓国Samsung Electronicsは、世界最大となる40型ワイドのTFT液晶パネルを出品。8月に技術発表が行なわれたものと基本的には同じパネルで、一般展示は初めてという。仕様は、パネルサイズ871.7×523mm、解像度1,280×768ドット、アスペクト比15:9。

 30型以上では難しいとされていた高輝度、高コントラスト、高速応答性を実現し、輝度は500cd/m2、コントラストは600:1、応答速度は12ms。2002年の製品化を目指すという。説明員は「現用技術を活かせるため、コスト的にもPDPに対する大きなブレイクスルーとなる」と語っていた。

 また、三洋電機株式会社は29型ワイドTFT液晶ディスプレイを参考出品した。解像度は1,280×768ドットで、ハイビジョンにも対応。モジュールの外寸は688×60×427mm(幅×奥行き×高さ)となっている。

 その他の仕様は、画面輝度450cd/m2、コントラスト比600:1、応答速度22ms。製品化については「今のところ予定なし」としている。

サムスンが出展した世界最大となる40型ワイドのTFT液晶パネル 40型液晶パネルの背面 三洋電機の29型ワイド液晶パネル

 日本電気株式会社(NEC)は、デジタルテレビ用をうたった23型ワイドTFT液晶パネルを展示。解像度は1,280×768ドット。輝度は450cd/m2、コントラスト比は350:1となっている。

 最大の特徴は、EBU(European Broadcast Union)規格に準拠した色度域と、24msの高速応答性能。来年春頃に製品化される見込みで、現在商談中とのこと。

 また、三菱電機株式会社は、応答速度に優れるというFFD(Feed Forward Driving)機能と順次間欠点灯バックライトを組み合わせた試作品を参考展示した。液晶の中間調領域の応答速度を高速化し、視覚特性を自然にするとしている。動きの激しい映像を流し、その効果をアピールしていた。

NECの23型ワイド液晶。応答速度は24ms 三菱はFFDによる動画適応を訴求した

LCOSパネル。0.9型(左)と0.5型(右)

 液晶プロジェクタ用パネルを出品したのが株式会社日立製作所。同社開発のLCOS(Liquid Crystal on Silicon)パネルを紹介した。LCOSは各画素ごとの遮光層を必要としないため、通常使用する透過型より開口率を高めることが可能としている。

 出荷済みの同社製「CP-SX5500」で搭載した解像度1,365×1,024ドットの0.9型とともに、1,366×7667ドットの0.5型も出品された。


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■ プラズマディスプレイパネル

 新パネルを出品したのがNEC。出荷済みの61ワイド型、47ワイド型と並び、50ワイド型の新バージョンが展示された。すでに発売されている50V型パネルに置き換わるもので、各性能を若干ブラッシュアップしたという。年内には搭載機が発売される予定。

 静岡パイオニアは、既発売のプラズマディスプレイ「PDP-503CMX」を中心にラインナップをアピールした。今回新たに参考出品されたのは43V型のPDPモジュール「PDU-43WX2」1点。

 12月に発売される民生用プラズマテレビ「PDP-433HDシリーズ」の外販用モジュールで、すでに出荷されている50V型モジュールと合わせ、熱心な質問を担当者に投げかける来場者が多かった。

NECは50V型の新パネルを出品した 人垣ができるほど人気を集めたNECの61ワイド型パネル 静岡パイオニアの43V型パネル。出荷交渉も開始している

 富士通日立プラズマディスプレイ株式会社(FHP)は、ALIS方式の32V、37V、43V型パネルを並べてアピール。すでに民生用プラズマテレビとして日立などから出荷されている。また、1,024×768ドットの37V型パネルも展示。これも出荷済みの製品で、今回発表の新製品はなかった。

ALIS方式を採用したFHPの3製品 デモを盛んに行なったLG電子 LG電子の60ワイド型

 大きくPDPをアピールしたのが韓国LG Electronics。同社のプラズマディスプレイ「FLATRONシリーズ」をデモンストレーションした。これまで日本ではあまり紹介されなかった製品だが、今後は積極的な展開を図るという。

 同シリーズは2001年3月より世界出荷しており、60ワイド型、50ワイド型、40型の3種類。40型は4:3でファンレス構造。40型の仕様は、アスペクト比4:3、解像度640×480ドット、輝度750cd/m2、コントラスト600:1となっている。

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□LCD/PDP International 2001のホームページ
http://expo.nikkeibp.co.jp/lcd/

(2001年10月31日)

[orimoto@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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