キヤノン、フルHDのAVC動画撮影可能なデジタル一眼

-1,510万画素CMOS搭載の「EOS Kiss X3」。実売9万円


「EOS Kiss X3」。レンズは別売

4月下旬発売

標準価格:オープンプライス



 キヤノンは、フルHD解像度の動画撮影が可能なデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss X3」を4月下旬より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格はボディのみで9万円前後の見込み。

 また、レンズとのセットモデルも販売。「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS」とのレンズキットは店頭予想価格10万円前後の見込み、「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS」と「EF-S55-250mm F4-5.6 IS」とのダブルズームキットは13万円前後の見込みとなっている。

 1,510万画素の新開発CMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラ。映像エンジンは「DIGIC 4」を搭載。フルHDでの動画撮影が可能なデジタル一眼としては、同社では「EOS 5D Mark II」に続いて2機種目で、「Kissシリーズ」では初めてとなる。

 モードダイヤルに「動画撮影モード」を追加。動画の記録フォーマットはMOVで、コーデックは映像がMPEG-4 AVC/H264、音声がリニアPCM。記録モードは1,920×1,080ドットの「Full HD」、1,280×720ドットの「HD」、640×480ドットの「SD」の3種類を用意。フレームレートは「Full HD」撮影時のみ20fpsで、そのほかは30fpsとなっている。

 記録媒体はSD/SDHCカードで、Class6以上を推奨している。4GBのカードを使った場合、フルHDで約12分、HDで約18分、SDで約24分の撮影が行なえる。動画撮影中でもシャッターボタンを押すことで、動画撮影を中断して静止画撮影することもできる。

 ライブビュー機能も備え、5D Mark II同様、動画/静止画撮影に対応する3種類のライブビューAFモードを搭載する。「クイックモード」、「ライブモード」、「顔優先ライブモード」の3モードから選択可能。「クイック」は、ライブビューを一瞬中断して素早くピント合わせ、「ライブ」ではライブビューのままAF、「顔優先」では、フェイスキャッチ技術を用いた顔認識ピント合わせが使用できる。

 音声は内蔵マイクのモノラル録音で、外部マイク端子は備えていない。本体にスピーカーを内蔵する。そのほか、動画/静止画出力が可能なHDMI出力端子を1系統装備。

液晶は3型/VGA

モードダイヤル。動画撮影モードを追加側面にHDMI端子を備える

 静止画はJPEG/RAWに対応。記録画素数はJPEGのラージが4,752×3,168ドット、ミドルが3,456×2,304ドット、スモールが2,352×1,568ドット。感度はISO 100~3200まで設定でき、感度拡張としてISO 6400、ISO 12800も設定できる。最高シャッター速度は1/4,000秒。連続撮影速度は最高3.4コマ/秒。

 レンズの周辺光量特性に応じて、自動補正を行なう「周辺光量自動補正」機能を新搭載。また、明るさやコントラストの自動補正や、逆光での人物撮影に顔を明るく自動補正する「顔検知機能付きオートライティングオプティマイザ」機能も備える。

 液晶モニターは3型/640×480ドットで、視野角は上下/左右約170度。7段階の明るさ調整も可能。表面は反射防止コーティングを採用し、屋外でも見やすいクリアな表示を実現するという。ファインダー視野率は約95%で、倍率は約0.87倍。AFの測距点は9点。ストロボも内蔵する。

 高速現像/高速画像編集機能を備えたソフト「Digital Photo Professional」や、動画編集にも対応した画像管理ソフト「ZoomBrowser EX 6.3/ImageBrowser 6.3」を含む、アプリケーションソフトを収録したCD-ROM「EOS DIGITAL Solution Disk」を同梱。対応OSはWindows XP/Vista、Mac OS X 10.4~10.5。

 外形寸法は128.8×61.9×97.5mm(幅×奥行き×高さ)。本体のみの重量は約480g。リチウムバッテリ「LP-E5」、バッテリチャージャ、ストラップ、AVケーブルなどが付属する。電源にLP-E5を使用した場合の動画撮影可能時間は約1時間10分。


(2009年 3月 25日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]