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オンキヨー、スマホライクなAndroidハイレゾプレーヤー。パイオニアもバランス対応機

 ドイツ・ベルリンで行なわれている「IFA 2016」において、今後発売が見込まれるオンキヨー/パイオニアブランドのポータブルオーディオプレーヤーやヘッドフォンを見ることができた。

オンキヨーブランドの“次世代デジタルオーディオプレーヤー”

カメラも備えたポータブルオーディオプレーヤー。非Androidで2種類のクロック搭載機も

 オンキヨーブランドでは、'15年11月から「DP-X1」を販売しているが、この上位と下位に相当する各1モデルが参考出品されている。日本でも9月1日に予告された通り、Androidベースの上位モデルと、Androidではない小型モデルを用意。

 上位モデルは5型ディスプレイとAndroid OSを搭載し、再生対応ファイルは、FLACやWAV、DSD、MQAもサポート。

 “次世代デジタルオーディオプレーヤー”という位置づけだが、背面に1,600万画素、前面に800万画素のカメラを搭載するなど、スマートフォンに近い機能を持つ。また、詳細な仕様は公開されていないものの、外観からは“SIMカードが収まりそうな”スロットも備えているようだ。マイクのような穴も見える。側面には、ロック機構も備えている。

 実際にスマートフォンのように使えるかどうかは今後の正式発表を待ちたいが、「スマホとプレーヤーの2台持ちをしたくない」人にも、期待できる製品の登場となるかもしれない。

バランス/アンバランスのヘッドフォン出力を装備
背面と前面にカメラを内蔵
側面に、大きめのカードスロットや、ロックスイッチも

 下位モデルにあたるプレーヤーは、2.4型ディスプレイ(DP-X1は4.7型)を備え、microSDカードスロットを2基搭載。最大416GBまで拡張可能。OSはDP-X1と異なりAndroidではない。これによりアプリの追加などはできない一方、このサイズながらクロックを44.1kHz系と48kHz系の2つをのせることができたのが大きなメリット。これは既存ユーザーからの意見を反映させたものだという。

Androidではない小型プレーヤー

 DP-X1より小型の筐体ながら、2.5mmバランスのヘッドフォン出力や、ツインDAC(ESS製)も装備。MQAやDSDを含むハイレゾ楽曲を再生可能。

 パイオニアブランドからも、前述したオンキヨー下位モデルと同じく2.4型ディスプレイのエントリー向けプレーヤーが参考出品。ツインDACや、ヘッドフォンの2.5mmバランス出力なども備えている。ストレージはmicroSD×2で、最大416GB。価格帯は、パイオニアブランドのXDP-100Rを下回る見込み。

パイオニアブランドの小型プレーヤー

 また、ブース内には展示されていないが、現行のXDP-100Rの後継機となる製品「XDP-300R」も見ることができた。100RはシングルDACでヘッドフォン出力もアンバランスのみだが、後継機はデュアルDAC、2.5mmバランス出力対応となり、OSはAndroid 5.1。DP-X1と同様にACG(Active control GND)も搭載する。一方で、現行のXDP-100Rのデザイン的な特徴である“バンパー”は省かれた。

XDP-300R
バランス出力も追加
ツインDAC仕様に

 このようにXDP-300Rは大幅な機能強化によって、DP-X1とほぼ同等の仕様となり、これまでの両ブランド製品の違いがなくなってくる。一方のDP-X1も現在、後継機を検討しているとのことで、詳細は公開されていないが、300Rの登場に合わせて発表されるのか、今後の動向が気になるところだ。

70年代モチーフのデザインや両耳ワイヤレスなど、新ヘッドフォン/イヤフォンも

 今後の発売が見込まれる、オンキヨーブランドの新ヘッドフォンやイヤフォンも、一足先に見ることができた。

左が開放型「A800」、右が密閉型「H900M」

 デザイン的なインパクトが大きいのは、極太なヘッドバンドが特徴のヘッドフォン「A800」(開放型)と「H900M」(密閉型)。オンキヨーが1970年代に発売した、「HP-100」にインスパイアされたデザイナーが手掛けたという。昨年のIFAでも見ることができたものが、製品化に近づいたという。

 ドライバユニット径は同じ50mだが、オープンエア型モデルは3層のドライバを採用し、より正確にディテールを再現可能としている。両モデルとも高域は40kHzまでサポートし、ハイレゾに対応。ケーブルは着脱可能で、端子は3.5mm。開放型は両出し、密閉型は片出し。

A800
H900M

 また、ダイナミック型とバランスド・アーマチュア(BA)型のハイブリッドイヤフォン「E900M」も用意。低域を受け持つダイナミック型ユニットは6mm径で、中/高域はBA型を使用する3ウェイ。ケーブルは着脱対応で端子はMMCX。別売ケーブルの利用でバランス接続も可能になる。付属ケーブルはOFC/低インピーダンス仕様で、リモコンマイクも備える。

ハイブリッドイヤフォンのE900M
ノズル部は楕円形
MMCX端子でケーブル着脱が可能

 “左右完全ワイヤレス”のBluetoothイヤフォン「W800BT」も用意。メタルフレームの筐体がBluetoothのアンテナとしての役割も果たし、安定した両耳ワイヤレス接続ができる点も特徴。内蔵バッテリでの連続使用は3時間で、付属のキャリングケースに内蔵したバッテリによって5回のフル充電もできるため“1週間使える”製品としている。R側のイヤフォンにマイクも内蔵。BluetoothのコーデックはSBC。

W800BTの装着例
ケースに入れて充電できる

 パイオニアブランドのヘッドフォンは、Bluetoothヘッドフォンで“有線接続時はハイレゾ対応”のモデル「SE-MS7BT」などを展示している。

有線接続時はハイレゾ対応のヘッドフォン「SE-MS7BT」