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オンキヨー、バランス対応ポータブルやハイブリッドイヤフォン。Iron Maidenモデルも

 オンキヨーは、ドイツ・ベルリンで9月9日(現地時間)まで開催されている「IFA 2015」において、ハイレゾ対応のポータブルオーディオプレーヤー「DP-X1」を11月初旬に欧州で発売すると発表した。このほかにも、多数のヘッドフォン/イヤフォンなどを発売予定のオンキヨーブランド製品についてレポートする。

オンキヨーのブース。Gibson Blandsとして、ティアック、KRKなどと共同で展示

10万円を切るバランス対応ポータブルプレーヤー

 「DP-X1」は、DSDやFLAC/WAVなどのハイレゾフォーマットを再生可能なポータブルオーディオプレーヤー。DSDは11.2MHz、FLAC/WAVは384kHz/24bitまでサポートする。なお、USB経由でUSB DACなどへの出力も可能で、その場合、接続相手のDACが対応していればDSD 11.2/5.6MHzのネイティブ再生が可能。本体のヘッドフォン出力時はPCM変換となる。

 OSはAndroid 5.1.1で、4.7型/1,280×720ドットのタッチディスプレイを装備する。日本での発売時期や価格は未定だが、発売された場合は10万円を切ると見られる。カラーはブラック。

 今回のIFAでは、同じ「オンキヨー&パイオニア」であるパイオニアブランドからも「XDP-100R」を発表しており、DACチップ「SABRE ES9018K2M」やヘッドフォンアンプ「SABRE 9601K」などの基本仕様は共通。ただし、2.5mmバランス接続に対応する点や、UI画面、本体デザインなどに違いがある。

 ヘッドフォン出力はステレオミニのアンバランスと2.5mmバランスの2系統。DAC以降はバランス構成となっている。通常のBTLバランスモードのほか、オンキヨーが単品アンプに搭載している「Active control GND」技術によりグランドを安定化するモードなども利用可能。DAC/アンプ部とCPU部は別基板とし、ノイズを抑制している。

ハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤー「DP-X1」
パイオニアのXDP-100Rとは異なるUIを採用
2.5mmバランス出力に対応

 Wi-Fi/Bluetoothを搭載し、Google Playからのアプリダウンロードが可能。音楽配信のonkyo music(e-onkyo musicの海外版) をPCレスで購入/ダウンロードできる。さらに、今後の配信が予定されるロスレスフォーマットの「MQA」にも無償アップデートで対応予定。

 記録メディアは、内蔵の32GBメモリとmicroSDカードで、microSDスロットは2基装備(各128GB対応)。合計で最大288GBまで拡張できる。BluetoothはaptXコーデックもサポートする。

 側面に大型のボリュームノブを備えるほか、電源、再生/一時停止などのハードウェアボタンを装備する。ボディはアルミ製で、重量は203g。連続再生時間は約10時間(96kHz/24bit再生時)。外形寸法は128.9×75.9×12.7mm(縦×横×厚さ)

イコライザ画面
USB出力も可能
側面のボリュームダイヤル
再生/一時停止などのボタン
既発売のポータブルオーディオプレーヤー/アンプ「DAC-HA300」(右)との比較

ハイブリッド型イヤフォンや、極太バンドのヘッドフォンも

 今回のIFAでは、上記のポータブルプレーヤーに加えて、イヤフォンやBluetoothスピーカーなどのポータブル関連製品を多数用意。ブースにも一部展示されている。いずれも、欧州では'15年秋から'16年第1四半期ごろにかけて発売されると見られる。

ヘッドフォン/イヤフォン新製品

 「E900」は、バランスド・アーマチュア型ドライバとダイナミック型ドライバのハイブリッドイヤフォン。価格は499ユーロの見込み。ケーブルは着脱式で、端子はMMCX。ケーブルはステレオミニのアンバランスだが、上記プレーヤーのDP-X1に合わせて、2.5mmのバランスケーブルも製品化する予定。

ハイブリッド型イヤフォンの「E900」
ケーブル着脱式で、端子はMMCX
バランス対応ケーブルも用意

 オンキヨーが1970年代に発売した、極太なヘッドバンドが特徴のヘッドフォン「HP-100」にインスパイアされたデザイナーが手掛けたという新機種「A800」(オープンエア型)と「A900」(密閉型)も用意。ドライバユニットは同じ50mm径。

左がオープン型のA800、右が密閉型のA900
極太のヘッドバンドが特徴

 「W800BT」は、左右が完全ワイヤレスなBluetoothイヤフォン。スマートフォンなどのプレーヤーから片方のイヤフォンで音楽を受信して、もう一方にも伝送することでステレオで聴ける。イヤフォン上部にツノのようなサポート部を備えており、装着時は耳穴に入れてひねることで固定。耳から外れにくくしている。スタンドが充電台となっている。

左右もワイヤレスのBluetoothイヤフォンW800BT

 このほかにも、USB入力でハイレゾ再生も可能なワイヤレススピーカー「X700」や、ポータブルBluetoothスピーカーの「X6」や「X3」、「T3」、「T1」というモデルを発売予定。背面にパッシブラジエータを備え、低音を強化している点などが特徴。

ワイヤレススピーカーの新モデルも多数

アイアン・メイデン仕様のヘッドフォンが登場

 オンキヨーブースで来場者に注目されているのは、アイアン・メイデン(Iron Maiden)のスティーブ・ハリスが音質やデザインなどを監修したというヘッドフォン。オンキヨーの既発売ヘッドフォンをベースとしているが、スティーブ・ハリスからの厳しい注文にエンジニアが応え、アイアン・メイデンなどのヘビーメタル楽曲の特徴を活かせる音質に仕上げたという。

アイアン・メイデンモデルのヘッドフォン

 ヘッドフォンに合わせて再生用アプリも用意。Onkyo HF Playerをベースにしたハイレゾ再生が可能なプレーヤーアプリで、特徴はアイアン・メイデンの各メンバーが推奨するイコライザが利用できること。

アイアン・メイデンモデルの展示コーナー
ハウジング部を平らにできる

アンプ内蔵ネットワークプレーヤーも。ティアックはDAB対応USB DACなど

 ホームオーディオ機器では、日本でも8月下旬に発売したステレオアンプ内蔵ネットワークオーディオレシーバ「TX-8150」を展示。ブースではELACのスピーカーと組み合わせて紹介している。同製品はWi-Fi/Ethernet搭載だが、Wi-Fiを省いた「TX-8130」というモデルもラインナップしている。

TX-8150

 AVアンプでは、上位機種の電源トランスなどの高音質技術を盛り込み、一から見直したという新シリーズのモデル「TX-RZ900」を展示。内部構造を公開している。

TX-RZ900
内部やパーツを紹介

 同じGibson Blandsの一員であるティアックのコーナーでは、USB DACにネットワークプレーヤーを備えた「NT-503DAB」や、CDレシーバの「CR-H101DAB」というモデルを展示。いずれも、デジタルラジオのDABに対応しており、欧州における同サービスの重要性の高さがうかがえる。

 さらに、ティアックのアナログターンテーブル「TN-500」も展示されている。アナログ音声出力に加え、USBや光デジタル音声出力も装備している。

USB DAC/ネットワークプレーヤーの「NT-503DAB」
CDレシーバの「CR-H101DAB」
アナログターンテーブル「TN-500」

(中林暁)