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透明ボディに歌詞表示「Lyric speaker」は11月14日発売。「歌詞の力を取り戻す」
2016年9月14日 14:57
SIXは、歌詞アニメ−ションを透過型ディスプレイに表示できるワイヤレススピーカー「Lyric speaker」(LS1)の発売日を11月14日に決定した。限定生産で、伊勢丹と三越の通販サイトで先行予約を受付中。価格は324,000円(税込)。6月にプレオーダー開始していたもので、発売日決定に合わせてGLAYのTAKUROらを迎えたトークセッションが開催された。
Lyric speakerは、筐体に22型の透過型液晶を備え、再生楽曲の歌詞を様々なアニメーションで表示できるスピーカー。「歌詞をより深く味わえる、上質な音楽体験を届ける」ことがコンセプト。「音楽の楽しみ方がCDから配信に代わり、今では歌詞カードを眺めることも少なくなって、歌詞の魅力が置き去りにされている。その力を取り戻したい」(SIX 斉藤迅氏)。
無線LAN機能を備え、IEEE 802.11a/b/g/n/acに対応。アナログ音声入力などの端子は備えていない。iPhoneやAndroidスマートフォンとワイヤレス接続でき、AirPlayとGoogle Castに対応。スマートフォン用の専用アプリが用意され、歌詞データベースを持つシンクパワー(プチリリ)と提携して、120万曲以上の歌詞をビジュアライズできる。
歌詞のアニメーション表示には、産業技術総合研究所が開発した音楽解析技術と、プチリリの歌詞DBを活用した独自システムを使用。本体にはIoT機器用のOSを備え、描画エンジンには「Unity」を利用。これらを用いてそれぞれの楽曲に対してモーショングラフィックを生成し、「バラードのような優しい曲であれば優しいフォントや動きに。ロックのようなエネルギッシュな曲であれば力強く」表示できる。
iOS端末では音楽配信サービスのアプリを使った音楽再生も可能。対応サービスはApple Music、AWA、Google Play Music、レコチョクベスト、プチリリ、うたパス、dヒッツ、KKBOX。
Androidの場合は、専用アプリを使ってハイレゾ音源(最大96kHz/24bitのFLAC、WAV)の再生も可能。Androidの音楽配信対応は年内対応予定としている。
スピーカー部には、同軸ユニットを2基、パッシブラジエータを2基搭載。再生周波数帯域は40Hz~40kHz。最大出力は20W×2。
消費電力は最大100W。外形寸法は、52×14×35cm(幅×奥行き×高さ)、重量は約11kg。
GLAYのTAKUROが「歌詞に光を当ててくれた」
発表イベントに登場したGLAYのTAKUROは「(このスピーカーは)友人を通じて知った。一目見て、一番最初に思ったのは『文字って美しいなあ』。再生している曲によって、歌詞のフォントや雰囲気が変わるのが興味深い」と、Lyric speakerの第一印象を語り、「テクノロジーの進化で音楽が身近になればなるほど、歌詞が置いてきぼりになっている気がしていた。アーティストたちはみんな寂しく思ってたんじゃないか。(歌詞を書く)物書きの自分としては、よく作ってくれたと思っている。ライブでも、大画面に歌詞を表示するとファンから嬉しい反応が返ってくることもある。(Lyric speakerは)置いてきぼりにされていた歌詞に光を当ててくれた」とコメント。ボーカルのTERUが、既に2台注文済みであることも明かした。
Lyric speakerに携わるSIXの斉藤迅氏は、このスピーカーで使用している技術を応用した新しいプロジェクト「Lyric Culture Project」をスタートすると発表。「アーティストの楽曲の歌詞をアニメーション化した映像作品『リリックビデオ』の制作をお手伝いしたい。そのために期間限定で、無償で技術提供を行なう」とした。
起業家の孫泰蔵氏(Mistletoe代表取締役社長 兼 CEO)も「iPod以来の革命だと思う。今までは歌詞の価値が相対的に低くなってきたが、これはそれを新しく見せて、今までと違った音楽の楽しみ方ができる」とコメントした。