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ハイレゾ再生と日本初Dolby Atmos対応スマホ「AXON 7」。旭化成DAC搭載で59,800円
2016年10月13日 12:01
中国のZTEは、ハイレゾ音楽再生機能や、Dolby Atmosにも対応したSIMフリースマートフォン「AXON 7(アクソン セブン)」と「AXON 7 mini」を日本国内で10月21日に発売する。価格は、AXON 7が59,800円、AXON 7 miniが39,800円。予約は13日より受け付ける。カラーは、両モデルともイオンゴールドとクオーツグレーの2種類を用意する。
5.5型でAK4490 DAC搭載の「AXON 7」
ハイエンドモデルのAXON 7は、5.5型/2,560×1,440ドットの有機ELディスプレイを備えたスマートフォン。OSはAndroid 6.0を搭載する。
スマートフォンでは日本初となる、立体音響の「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」に対応し、映画などの対応コンテンツにおいて、広がりのある音や明瞭なセリフ、豊かなディテールなど、リアルなサラウンド音声が楽しめるのが特徴。
ZTE AXON 7には、本体にサンプル動画のアプリがプリインストールされ、内蔵スピーカーやヘッドフォン/イヤフォン、USBデジタル接続で利用可能。Bluetooth接続時も高音質で楽しめるという。本体設定の「ドルビーデジタルプラス」の項目からAtmosの設定が可能。ON/OFFのほか、映画/音楽/ゲーム/ボイスといったジャンル選択なども可能となっている。
なお、日本では現時点でモバイル向けのDolby Atmosコンテンツの配信はされていないが、米国のVUDUや、COMCAST、Orange、Beijing Gehura CATV、Jiangsu Cableの6つの海外ストリーミングサービス/有料テレビでは対応コンテンツを配信中/発表済み。中国のストリーミングサービスiQIYIは、'15年末に対応のテレビ番組を、初めてモバイル向けにストリーミング開始している。
旭化成エレクトロニクス(AKM)のスマートフォン向けDSP「AK4961」に加え、ハイエンドオーディオ機器などにも搭載されているDAC「AK4490」も備え、最高192kHz/24bitのFLACやWAV、AIFF、Apple Losslessなど、ハイレゾ音源再生に対応。なお、DSDには対応しない。デュアルスピーカーを搭載し、ボリュームキーを上にして横画面視聴すると、ステレオ再生になる。ステレオミニのヘッドフォン出力と、USB Type-C端子を装備。USBから、外部のUSB DACなどへデジタル出力することも可能(別途OTGケーブルが必要)。なお、付属イヤフォンはハイレゾ対応ではない。
メインカメラは2,000万画素で、F1.8の明るいレンズや、光学/電子式の手ブレ補正を搭載。4K/30p動画撮影(H.265/HEVC)にも対応する。フロントカメラは800万画素で、レンズはF2.2。CPUはクアルコムのSnapdragon 820(2.15GHzクアッドコア)。メモリは4GB、ストレージは64GB。
IEEE 802.11b/g/n/acの無線LAN(2.4GHz/5GHz)と、Bluetooth 4.1に対応する。BluetoothのコーデックはSBC。外形寸法は約151.7×75×7.9mm(縦×横×厚さ)、重量は約175g。バッテリー容量は3140mAh。クアルコムのQuick Charge 3.0にも対応する。背面に指紋認証センサーも装備。
5.2型「AXON 7 mini」
AXON 7 miniは、5.2型/1,920×1,080ドットの有機ELを備えたAndroid 6.0スマートフォン。Dolby Atmosに対応するほか、デュアルスピーカーも搭載。IEEE 802.11b/g/n/acの無線LAN(2.4GHz)と、Bluetooth 4.1に対応する。
カメラはメインが1,600万画素でF1.9レンズ、フロントは800万画素でF2.2レンズ。CPUはSnapdragon 617(1.5GHzクアッド+1.2GHzクアッド)、メモリが3GB、ストレージは32GB、DSPはAK4962を搭載し、同チップ内でDA/AD変換も行なう点などがAXON 7と異なる。
外形寸法は約147.5×71×7.8mm(縦×横×厚さ)。重量は約153g。背面に指紋認証センサーも備える。バッテリ容量は2,700mAhで、クイックチャージ2.0に対応する。
Google Daydreamサポートも予定。平原綾香も絶賛
AXON 7は、今後のアップデートにより、GoogleのVRプラットフォーム「Daydream」とAndroid 7.0に対応予定で、第4四半期中の対応を目指して開発を進めているという。海外では、AXON 7を装着できるVRヘッドセット「ZTE VR」も発表しているが、日本への導入は検討中。
ZTEで、EMEA/APAC地域のデバイス担当マーケティングディレクターを務めるHerbert Chan氏は、「製品こそ我々の成功の原点。全世界で行なった顧客調査を元に、素晴らしいサウンドを、いつでもどこでも体験できるフラッグシップシリーズを開発した。このプレミアム機種を導入することで、日本において新たな成功をもたらすと確信している」と述べた。
また、「スマートフォン単体ではハードウェアの競争を勝ち抜くことはできない。ZTEは、AR/VRをはじめとする様々な先進技術とコンテンツを組み合わせることで想像力に富む質の高い体験を届ける」と述べた。
ZTEジャパンのモバイルターミナル事業部 デザイン兼商品企画ディレクタを務める荒井厚介氏は、AXON 7/7 miniの特徴を、「サウンド」、「デザイン」、「カメラ&ディスプレイ」の3つの側面からアピール。
特に音質は、スマートフォンを超えるオーディオ体験として、「Pure Sound 1.0」と名付けて特徴を解説。旭化成エレクトロニクスのDACや、自社開発のデュアルスピーカーといったハードウェアと、ソフトウェアの最適化を行なったほか、中国の西安音楽学院と協力し、アーティストによる“理想の音”を取り入れたという。
AXON 7にDSPやDACが採用され、高音質のベースとなっている旭化成エレクトロニクスからは、シリコンソリューション事業部 オーディオ&ボイス事業開発部 Audio Quality Expertを務める小瀧敬氏が来場し、VELVET SOUNDなどの同社高音質技術を説明。
8mmを切る薄さのスマホ本体に搭載するため、スペースの制約や、通信モジュールからのノイズ対策といった課題をクリア。最終的な音質チューニングは、ZTEのラボで行なったという。小瀧氏は、「ZTE様の協力により、AK4490の能力を全て発揮できた。最終的には、音楽家の皆さんにも納得いただける音に仕上げた」と自信を見せた。
ドルビージャパンの大沢幸弘社長も来場。Dolby Atmosについて「日進月歩のオーディオにおいて、20年ぶりくらいの技術の大革新」とし、同技術が、映画館などだけでなく、モバイルにも採用されたことの意義を強調した。
AXON 7を一足先に体験したという、アーティストの平原綾香さんも来場。日頃からレコーディングスタジオなどの本格的なスピーカーで音を聴く平原さんは、「最初は、『音が良いといっても、“ちょっといい音”ぐらいなんじゃないかと疑いもありましたが、実際は、スピーカーを持ち歩いているんじゃないかというくらい、いい音。使わないと損」と絶賛。
普段からスマートフォンで歌声の録音もするという平原さんは、「ちょっとくらいシャウトしても音が割れないので、気を遣わずに録音できる」として、以前にアカペラで「ジュピター」を録音したデータを会場で再生し、録音/再生ともに音質の高さに満足した様子だった。