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「日本の主要音楽サービスになった」。Amazonプライムミュージック1周年

 '16年11月18日、音楽配信サービス「Prime Music」(プライムミュージック)の国内提供開始から1周年を迎えた。アマゾンジャパン デジタル音楽事業本部ディレクターのポール・ヤマモト氏は、「スタート時に比べ、月間平均再生時間は2倍以上。日本の主要な音楽配信サービスの1つになった」と語り、1年間のプライムミュージックの施策や実績を紹介した。

アマゾンジャパン ポール・ヤマモト氏

 プライムミュージックは、Amazonプライムの年会費(税込 3,900円)に追加料金なしで利用可能になる音楽配信サービス。100万曲以上の楽曲を揃え、プライムラジオやプレイリストなどから好きな音楽を楽しめる。スマートフォンやPCに加え、Fire TVやFireタブレットなどでも利用可能。

アマゾンジャパン ポール・ヤマモト氏

 プライムミュージック1周年を記念して、1,500名にJBLやボーズ(Sound Link mini)などのBluetoothスピーカーが当たるキャンペーンも実施。また、各5組10名には、ロサンゼルス、ウィーンへの音楽の旅をプレゼントする。

「凄い音楽ファンではないが音楽が好きな人」に。CD同時配信で効果

 デジタル音楽事業本部ディレクターのポール・ヤマモト氏は、Amazonの音楽サービスの歴史やプライムミュージックの歩みを説明。Amazonの日本のサービスでは、書籍に次ぐ2つめの商品として2001年6月にCDの販売を開始、さらに'10年11月にMP3の音楽配信サービスを開始した。その後、2014年6月にAmazon Musicにブランドを統一し、'15年11月のプライムミュージックがスタートした。

Amazon音楽サービスの進化

 プライムミュージックが他のストリーミングサービスと比較してユニークなのは、お急ぎ便やお届け日時指定便などの優先配送やセール優待、プライムビデオなど、音楽配信だけでなく、他のAmazonサービスと統合されていること。月額にすると325円(税込)という低価格も特徴といえる。

 ヤマモト氏は、「他のストリーミングサービスとは発想が全く別のもの。プライムミュージックは、メインストリームの音楽ユーザー向けのサービス」と説明。CDや配信楽曲を多く買う音楽ファンではなく、音楽にはあまりお金を使わないが、音楽が好きな人をターゲットにしている。

プライムミュージックのターゲット

 楽曲数も100万曲以上で、例えばSpotifyの3,000万曲以上と比べるとかなり少ない。しかし、「我々は、プライムメンバーとユーザーにフォーカスしている。彼らは規模(楽曲数)を求めているわけではなく、最新のものだけを聞きたいわけでもない。馴染みがよく、心地よいものを聞きたいはず。その満足度を高めることが目標」という。そのため、ユーザーの嗜好データやランキングなどを元に、人気曲を中心に集めている。プライム会員であれば、他のプライムサービス目当てで加入しても音楽配信が“付いてくる”。熱心な音楽ファン以外に「音楽ストリーミング」を広げることも、プライムミュージックの狙いという。

 「広告なし」、「フルモバイルアクセス」、「制限なしスキップ」、「オフライン再生」などの特徴に加え、4月にはラジオ機能「プライムラジオ」を導入。カジュアルユーザー向けのサービスながら、機能面も拡充している。

 日本向けの施策としては、プレイリストの強化や、「オールJ-POP」などのプライムラジオを用意。人気のあるジャンルは、POPSとJ-POP。また、「アニメ、ゲーム、演歌など、日本の特徴的なものは好まれるという傾向は確実にある」(ヤマモト氏)という。1年間で最も再生された曲はアリアナ・グランデ「Break Free」、最も再生されたアルバムはアリアナ・グランデ「My Everything」、2位はきゃりーぱみゅぱみゅ「KPP BEST」。

プレイリストを強化

 楽曲の調達でこだわっているのは、ストリートデート(CD発売日等)の配信。同時配信とともに、AmazonのWebサイト上のバナーとも連動させた「New Release Program」では他の関連製品もあわせて販売し、きゃりーぱみゅぱみゅやBABY METALなどで成果を上げたという。

発売日と同時配信で最大の効果を

 こうした施策により、「スタート時に比べると、月間平均再生時間は2倍以上になった」という。日本ならではの特徴としては、前述のアニメ、ゲーム人気に加え、プレイリストがよく使われているという。一方で、ラジオの利用頻度は低く、「米国ではPandoraなど他のラジオサービスが浸透しているが、日本のリスナーは慣れていないのかもしれない」という。

 米国では、音声操作対応のスピーカー「Echo」や配信楽曲等を拡充したプレミアム音楽ストリーミングサービス「Amazon Music Unlimited」など、新たなデバイス・サービスも登場している。ヤマモト氏は「アメリカではEchoを使っていて『これ無しでは暮らせない』と思うほど」とのことだが、EchoとUnlimitedの日本展開は「現在発表できることはない。プライムミュージックに集中する」と述べた。

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