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8Kを活用した遠隔医療や遠隔病理診断の実証実験。スカパーも協力

 NTTデータ経営研究所とNHKエンジニアリングシステム、NHKエデュケーショナル、NTTコミュニケーションズ、スカパーJSATは、8Kスーパーハイビジョン技術を活用した、遠隔医療の実証実験を開始する。8Kスーパーハイビジョン(8K SHV)の高精細映像を活用し、遠隔医療が臨床に応用可能な範囲や、医学的な効果検証を行なう。

8K SHVとハイビジョンの画質比較

 8K SHV技術により医療機関間で患者に関する画像等を共有し、遠隔で専門医の診療アドバイスを実施することで専門医不足を補う遠隔医療のための検証を行なう。

 目的の1つは「遠隔病理診断モデル」。病理医は全国的に不足しており、現在、遠隔での病理診断(テレパソロジー)が、デジタル画像を用いて行なわれている。この実証実験を通じて、病理診断の精度向上に向けた8K技術の活用を目指す。虎の門病院と東京大学病院に8Kカメラをセットした遠隔操作顕微鏡システムを構築。東大病院の病理医が虎の門病院の8K画像を元に、遠隔で病理診断を行ない、東京大学病院では通常通り顕微鏡で実物を直接観察して病理診断を行なう。これにより、診断結果の差や診断にかかる負担の差などの検証を図る。

遠隔病理診断モデルの概要

 もう1つの目的は「遠隔診療支援モデル」。離島・へき地は、特定疾患領域の常勤専門医が不足しており、現在は遠隔での画像連携や、他地域医師の定期的な訪問が行なわれている。実証実験は、診療支援の精度の向上や、訪問医師負担軽減等に向けた8K技術の活用を目指すもの。数10名のモニター患者を募集し、長崎県の離島の上五島病院と長崎大学病院との間を衛星回線で結び、長崎大学病院の病理医が遠隔で診療。同一患者を対面でも診療し、診断結果の差や患者に与える安心感の差などを検証する。スカパーJSATは、この遠隔医療支援システムの拠点間通信で協力する。

遠隔診療支援モデルの概要