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ソニー、NCを最適化するBluetoothヘッドフォン最上位「1000XM2」。aptX HD対応
2017年9月5日 13:02
ソニーは、ワイヤレスヘッドフォンのフラッグシップモデルとして、ノイズキャンセリング(NC)のカスタマイズ機能を備え、連続30時間の使用も可能な「WH-1000XM2」を10月7日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4万円前後。カラーはブラックとシャンパンゴールドの2色。
'16年に発売した「MDR-1000X」の後継となるBluetooth/NC搭載ヘッドフォン。業界最高クラスというNC機能を継承しつつ、新たにスマートフォンアプリとの連携でNCレベルの調整や、ユーザーの行動に合わせたNCの自動モード切り替えに対応したことが特徴。さらに、NC ON時でも最大約30時間の利用が可能になった(従来機は約20時間)。音声コーデックは新たにaptX HDもサポートした。
同じ1000Xシリーズとして、ネックバンド型イヤフォンの「WI-1000X」と、左右完全分離型イヤフォンの「WF-1000X」も同じく10月7日に発売する。これらの製品は別記事で掲載する。
なお、今回の新モデルからソニーのワイヤレスヘッドフォン/イヤフォンの型番の付け方に一部変更があり、これまでのモデルは「MDR」から始まっていたが、新モデル以降はワイヤレスヘッドフォンが「WH」、ワイヤレスイヤフォンが「WI」から始まる形となる。
NCのカスタマイズがスマホから操作可能に
NC機能はハウジングの内側と外側の2つのマイクで周りのノイズを集音するデュアルノイズセンサーテクノロジーを搭載し、デジタルノイズキャンセリングソフトウェアエンジンにより、騒音を打ち消す信号を高精度に生成。従来機と同様に「業界最高クラスのノイズキャンセリング性能」としている。
メガネの有無など個人の装着状態に合わせてNCの特性を最適化する機能も従来と同様に継承。さらに、飛行機に乗っている時の大気圧の変化に応じた調整機能も加えた「NCオプティマイザー」として搭載する。
iOS/Androidスマートフォン用アプリ「Sony|Headphones Connect」との連携で、NC機能の細かなカスタマイズができるようになったのも特徴。
このアプリは、EXTRABASSシリーズの「MDR-XB950N1」などでサラウンド効果の選択や低域の量感調整などが可能だが、アップデートによりWH-1000XM2などのNC機能調整にも対応。外音取り込みのレベル調整ができる「外音コントロール」、ユーザーの行動によってNCや外音取り込みモードを自動で切り替える「アダプティブサウンドコントロール」、「サウンドエフェクトのカスタマイズ」の3つを利用できる。
「外音コントロール」は、NCをONにした状態でも、駅のアナウンスなど周りの音が聞こえるように、外音の取り込みレベルを調整できる機能。従来機のMDR-1000Xにも搭載している「アンビエントサウンドモード」が、より細かく調整できるようになった。
アプリ画面のスライダーをタッチして調整でき、NCが最大の「ノイズキャンセリングON」からレベルを上げていく(外音の取り込み量を上げる)と、「風ノイズ低減」、「外音取り込み1」~「外音取り込み20」に切り替わる。そのほか、人の声やアナウンスなどを聴きやすくする「ボイスフォーカス」のON/OFFも設定できる。
「アダプティブサウンドコントロール」は、スマホのGPSや加速度センサーを使って、止まっている時、歩いている時、走っている時、乗り物に乗っている時の4つの行動パターンごとに、NCや外音取り込みのモードが自動で切り替わるもの。通勤時に駅まで歩き、電車に乗るなど、周囲のノイズ環境が変わっても手動でモードを切り替える必要がない。各行動時のNC/外音取り込みのレベルは個別に調整できるため、「電車の時はアナウンスは聴こえるようにしたい」など、ユーザーに最適な設定にカスタマイズ可能。
サウンドエフェクトのカスタマイズ機能として、音が聴こえる方向を変更できる「サウンドポジションコントロール」に対応。通常は頭の中央に音が定位する形だが、これを前方から聴こえるようにでき、「疑似的にスピーカーで聴いているように楽しめる」という。このほかにも、斜め前方の左または右、斜め後方の左または右から聴こえるように設定することも可能。
また、バーチャルサラウンドのVPTを4つのプリセットモード(Club/Arena/Concert Hall/Outdoor Stage)から選択できるほか、イコライザの選択(9種類)やカスタマイズ(2つまで保存可能)が行なえる。なお、前述のサウンドポジションコントロールや、VPT、イコライザの変更は、BluetoothのSBCコーデック選択時のみ利用可能。
ハウジングをタッチしてボリュームや曲送り/戻しなどの操作が可能で、NC ON時にハウジング部を手で覆うようにすると外音を大きく取り込む「クイックアテンション」機能も備える。
aptX HD対応、NC ONでも連続30時間使用
Bluetooth接続のコーデックは、ウォークマンやXperiaからハイレゾ相当でワイヤレス伝送が可能なLDACに加え、新たにaptX HDコーデックにも対応。同日に発表されたウォークマン新モデル「NW-ZX300」や、「NW-A40」シリーズもaptX HD対応で、これらのプレーヤーとの接続時にaptX HDも利用できる。
ソニーは、“ハイレゾ相当”としては従来通りLDACを推奨しつつ、その他にも“良い音のコーデックの一つ”としてaptX HDをサポートするという。
ハイレゾ非対応のプレーヤーから受信した音楽もハイレゾ相当にアップスケーリングするDSEE HXも引き続き搭載。なお、DSEE HXはLDACやaptX/aptX HD接続時や有線接続時は無効となる。独自のフルデジタルアンプS-Master HXも搭載。
ドライバユニットは40mm径。内蔵バッテリでの連続使用時間は最大30時間(NC ON、DSEE HX OFF時)。アプリでDSEE HXをOFFにできるため、従来モデル(約20時間)よりも利用時間が伸びている。DSEE HXのアルゴリズムが最適化されており、ON時も従来に比べ4時間長く利用できるようになった。充電時間は従来と同じ約4時間。新たに、10分間の充電で70分再生できるクイック充電にも対応した。重量は約275g。
マイクロUSBケーブルや、キャリングケース、ヘッドフォンケーブル、航空機用プラグアダプタが付属する。
WH-1000XM2 |
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