ソニーがエプソンの中小型液晶事業の一部を取得へ
-ソニーはa-si TFTを取り入れ競争力強化を図る
3月12日発表
セイコーエプソン株式会社とソニー株式会社は、エプソンの中小型液晶ディスプレイ事業資産の一部をソニーに譲渡することを含めた、事業提携について協議を開始することに合意した。今後、法的拘束力を有する契約を2009年6月末に締結することを目標に両社で協議していくという。
エプソンの中小型液晶ディスプレイ事業は、子会社のエプソンイメージングデバイス株式会社が担当。アモルファスシリコンTFT液晶と低温ポリシリコンTFT液晶の技術をもとに、高精細、広視野角技術など独自の技術を培いながら展開していた。エプソンでは、「ソニーとの提携により、エプソンイメージングの液晶技術やアモルファスTFT液晶生産力を最大化し、より幅広い顧客ニーズを満たせる」と、提携の意義を説明している。
一方、ソニーは中小型液晶ディスプレイ事業に関して、低温ポリシリコンTFTにフォーカスしており、開発/設計/製造が一体となったソニーモバイルディスプレイ株式会社に集約している。今回の提携を通じ、エプソンの持つ幅広い液晶技術、特にアモルファスシリコンTFT液晶の技術力や商品設計力、生産力等を取り入れ、中小型液晶ディスプレイ事業の競争力強化を図るとしている。
エプソンは11日に中期経営計画を発表。その中で、中小型液晶ディスプレイ事業は収益化困難とされており、人員集約などの構造改革に加え、「一段と踏み込んで、あらゆる選択肢を検討し、早急に事業の方向性の結論を出す」と説明していた。
(2009年 3月 12日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]