「ガンダム00」2期BD/DVD発売記念、「Gフェス2009」開催

-2010年に劇場版公開。謎の声優・蒼月昇の正体が!?


今年も東京厚生年金会館で開催された

4月25日開催

 

  2008年10月から2009年3月にかけてテレビ放送された「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」セカンドシーズン。既報の通り、DVD/Blu-rayは2月20日からリリースが開始され、4月24日には第3巻がリリースされたばかり。7月には主題歌をまとめたコンピレーションCD「機動戦士ガンダム00 COMPLETE BEST」(SME)のリリースも控えている。

会場には主題歌をまとめたコンピレーションCD「機動戦士ガンダム00 COMPLETE BEST」も参考展示された(SME)
 さらに、2010年に劇場版の公開が決定。テレビシリーズでは語られなかった謎も残されているため、ファンの期待も非常に高い。そういった意味で、テレビ放送終了後も熱気は冷めず、むしろ加熱していると言えるだろう。そんな“熱さ”を証明するように、4月25日、東京厚生年金会館で開催されたDVD/Blu-ray発売記念イベント「Gフェスティバル2009」には、あいにくの空模様にも関わらず、大勢のファンが詰め掛けた。

 「機動戦士ガンダム00」の舞台は、化石燃料が枯渇した地球。人類はそれに代わる新たなエネルギーとして3本の巨大な軌道エレベーターと、それに伴う大規模な太陽光発電システムを手にしていた。しかし、その恩恵を得られるのは、一部の大国とその同盟国だけだった。

 3つの軌道エレベーターを所有する3つの超大国群。アメリカ合衆国を中心とした『ユニオン』。中国、ロシア、インドを中心とした『人類革新連盟』。ヨーロッパを中心とした『AEU』。各国は終わりのない戦いを繰り広げていた。そんな中、「武力による戦争の根絶」を掲げる私設武装組織が現れる。モビルスーツ「ガンダム」を所有する彼らは「ソレスタルビーイング」と名乗り、ガンダムによる全戦争行為への武力介入を開始する……。

 戦いが未だに終わらない未来の地球を舞台に、テロなども含む、全戦争行為に対する抑止力としてガンダムを描き、シリーズに新たな風を吹き込んでいる。セカンドシーズンでは、地球連邦政府の独立治安維持部隊「アロウズ」や、世界を裏で操る「イノベイター」と呼ばれる謎の存在も現れ、ガンダムを取り巻く戦いはより混沌としていく。

 ガンダムシリーズらしい激しい戦闘シーンに目を引かれるが、多くの登場キャラクターが、それぞれの立場からどのように“戦い”をとらえ、“平和”を求めて行動していくのかが正面から描かれており、志とメッセージ性の高い作品に仕上がっている。

会場には完成品リアルフィギュアの新作として、ティエリアのフィギュアが参考展示された。写真はドレスバージョン(バンダイ)こちらは制服バージョン。どちらも発売日や価格は未定だ。(バンダイ)


 

■ 劇場版の情報も

 ステレオポニーの「泪のムコウ」ライヴで幕を開けたイベント会場には、主人公刹那・F・セイエイを演じる宮野真守さん、ロックオン・ストラトス役の三木眞一郎さん、アレルヤ・ハプティズム役の吉野裕行さん、ティエリア・アーデ役の神谷浩史さんと、ガンダムマイスターが勢揃い。

 さらに、ミスター・ブシドー役の中村悠一さん、マリナ・イスマイール役の恒松あゆみさん、フェルト・グレイス役の高垣彩陽さん、ミレイナ・ヴァスティ役の戸松遥さん、リボンズ・アルマーク役の大型新人(?)声優・蒼月昇さんも登場。MCは沙慈・クロスロード役の入野自由さん、ルイス・ハレヴィ役の斎藤千和さんが努めた。

豪華なキャスト陣がステージに集結。中央のサングラスの男性は大型新人声優蒼月さん。気のせいか、古谷徹さんに似ているような……
 各自が印象に残ったシーンを挙げるコーナーでは、ステージのキャスト以外に、スメラギ・李・ノリエガ役の本名陽子さんもビデオメッセージで参加。衛星兵器「メメントモリ」の破壊にソレスタルビーイングが挑むシーンなどを挙げ、「画面に負けないほどアフレコスタジオでも熱い演技が繰り広げられました」と振り返る。クルーとして同作戦に参加した高垣さんも、「皆が想いを重ねて大きなものを倒すシーンは沢山ありましたが、特にメメントモリは皆の声が重なり、スタジオの空間が画面とリンクしていて胸が一杯になった」と語る。やはり同シーンには特別な思い入れがあるようだ。

 非情な傭兵アリー・アル・サーシェス役の藤原啓治さんもビデオメッセージで参加。「戦争好き」を自認し、他人の命を奪うことを躊躇しないキャラクターであるため、藤原さんが挙げるのは「絹江さんをやっちゃった時」、「ロックオンをやっちゃった時」、「ライルにやられちゃった時」と、殺伐としたシーンばかり。聞いていたステージのキャスト陣から「みんなやっちゃった時だ」と突っ込みが入り、場内は爆笑。


いじられキャラの入野さんには、事あるごとに難題が!
 さらに藤原さんは「アリー・アル・サーシェスって名前は言いにくいですよね」とつぶやき、ステージ&観客から「今ごろ!?」と突っ込み。「5回か10回連続で言えたら凄くかつぜつが良いですよね……」と言い残してビデオは終了。案の定、いじられキャラの入野さんが早口に挑戦することになり「アリー・アル・サーシェス、アリー・アル・サーシェス、アリーあるさーしぇすありーがとうございました」と最後はムニャムニャ&謝罪で終了し、再び場内は笑い声に包まれた。

 途中からは、特別ゲストとして水島精二監督も参加。監督の依頼が来た時の驚きや、シリーズ構成/脚本の黒田洋介さんと物語を煮詰めていく作業の模様、「人類革新連盟のモビルスーツは重機のイメージからデザインする」など、陣営ごとにメカのデザインコンセプトを変えるアイデアなど、作品の舞台裏を解説した。


水島精二監督も参加

 ガンダムのデザインについては、乗り込むガンダムマイスター達も格別の思い入れがあるようで「トリコロールカラーのガンダムに乗れるというだけで感激」(宮野さん)、「それぞれの個性と機能を活かしたデザインが凄い。ハロもいるし、愛着が持てる」(三木さん)、「やっぱり変形するのが嬉しかった」(吉野さん)と感想を語る。

 大のガンダム好きで、プラモデルも大好きな神谷さんに至っては「役が決まった時にまっさきに『やった! プラモ出る!!』って思いましたよ。いやー(プラモ)買いましたねぇ 家がおもちゃ屋さん状態です」と笑う。


流れるBGMに合わせ、突然4人で踊り出すなど、流石にガンダムマイスター息はピッタリ
 ミスター・ブシドー役の中村さんは、乗り込むフラッグの「今までにないスポーティーなデザインが好き」だという。水島監督によれば「フラッグのデザインが出来た時に、『細身のモビルスーツは売れない』と言われたので、逆に『絶対カッコ良くしてやる! 模型売ってやる!』って燃えました(笑)。その後『フラッグ売れました』と聞いて『ばんざーい!! って(笑)』。女性ファンにも買ってもらえたと聞いて嬉しかったです」と顔をほころばせた。

 気になる劇場版の進捗状況について監督は、「お話を煮詰めているところで、脚本に取り掛かる段階。テレビシリーズの延長線上にあり、決着をつけるための映画。2010年中にキチッと皆さんに届けられるよう頑張ります。お話のほうもビックリする内容もあると思うので、楽しみに待っていてください」と意気込みを語った。



■ 謎の声優・蒼月昇の正体が!?

古谷徹さんがガンダムシリーズの歴史を振り返った
 イベント中盤には、ファーストガンダムの放送から30周年を迎えたことを記念し、ガンダムシリーズの歴史を振り返るコーナーも用意。アムロ・レイ役の古谷徹さんが登場し、放送中に日本各地にファンクラブが生まれ、ファンクラブ連合も誕生。その代表者がインタビューに来て「こんなに凄いことになってるんだ」と反響の大きさに驚いたことなど、当時の貴重なエピソードを披露した。

 そんな古谷さんだが、ガンダム00に登場するリボンズ・アルマークを演じる、新人声優・蒼月昇さんと声が良く似ている。蒼月さんは常にサングラスをしているので素顔は不明だったのだが、今回のイベントの最後でついにサングラスを外し、その正体が古谷徹さんであることを発表。他のキャスト陣は驚きのあまり全員ひっくり返った。

来場者へのプレゼント企画も行なわれた

 正体を隠していた理由について古谷さんは、「古谷徹が演じていると、例え一言の役でも『何かあるんじゃないか?』と思われるので、名前を変えさせていただきました」と説明。知らないフリをし続けていたキャスト陣から攻められると「全部監督のせいです(笑)。正直言うと、面倒くさくなってきました」と答え、場内は爆笑に包まれた。

 そんな古谷さんは、最後にガンダム00という作品について「完成度の高さ、熱さ、皆さんの愛、ファーストを超えたと思っております」と語り、場内から喝采を浴び、水島監督も感激した様子。

キャスト陣から作品に対する熱い想いが語られた
 宮野さんも「この作品に出会えたこと自体が奇跡というか、幸せなこと。刹那がが本編で得ることができた絆を、僕も、皆さんに応援していただいて、感じることができました。その絆を今後も繋いでいきたい」とコメントした。

 キャスト陣の熱い言葉を受け、水島監督は「こういうイベントが行なわれていることが、自分にとって凄く大事なことなんだと改めて感じ、今、手に汗を握っています。今まで『ガンダムという作品に監督として関われるのは、人生のなかで大きなこと』と口にしてきましたが、今、それを改めて実感し、緊張しています。(テレビシリーズは)良い作品が作れたと誇りを持っていますが、劇場版もしっかり皆さんにお届けしなければいけないなと決意を新たにしました。これからもガンダム00、そしてガンダムシリーズへの応援をよろしくお願いします」と締めくくり、3時間以上のイベントは幕を閉じた。



(2009年 4月 27日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]