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既報の通り、1月25日からDVD化がスタートし、2008年夏にはBlu-ray Discでのリリースもアナウンスされたテレビアニメ「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」。そのDVD発売を記念すると同時に、長い歴史を持つガンダムシリーズ全体も振り返るガンダムの総合イベント「Gフェスティバル 2008」が26日の大阪に続き、27日には東京・新宿の東京厚生年金会館で開催。出演声優が多数登場し、熱気に溢れるステージが展開された。
「ガンダムエース」や「Newtype」ほか、アニメ/ホビー誌など計10誌に付属する専用用紙で応募し、抽選で選ばれた2,000人が招待されたイベント。女性ファンが多めだが、文字通り老若男女、幅広い層のガンダムファンが会場に集まった。 メインとなるのは、現在放送中のシリーズ最新作「機動戦士ガンダム00」。舞台は西暦2307年の、化石燃料が枯渇した地球。人類はそれに代わる新たなエネルギーとして3本の巨大な軌道エレベーターと、それに伴う大規模な太陽光発電システムを手にしていた。しかし、その恩恵を得られるのは、一部の大国とその同盟国だけだった。
3つの軌道エレベーターを所有する3つの超大国群。アメリカ合衆国を中心とした『ユニオン』。中国、ロシア、インドを中心とした『人類革新連盟』。ヨーロッパを中心とした『AEU』。各国は終わりのない戦いを繰り広げていた。そんな中、「武力による戦争の根絶」を掲げる私設武装組織が現れる。モビルスーツ「ガンダム」を所有する彼らは「ソレスタルビーイング」と名乗り、ガンダムによる全戦争行為への武力介入を開始する……というのが主なストーリー。
宇宙の星々を股にかけるような物語ではなく、地球上で起こっている問題をメインに取り扱っているのが今作の特徴。登場する大国の名称や国境は現代のそれとは違うが、文化や宗教の違いや、資源を巡る利権争いが絶えず、各地で内戦やテロが横行。大国同士が大規模な戦争を行なっていないものの、そうした細かい紛争の影に大国の思惑や武器の流れが透けて見える……という、現代の問題がそのまま持ち越されている近未来が舞台だ。 そこに投入されるガンダムは、各国が保有するモビルスーツよりも圧倒的に高い性能を持っている。そして、彼らが戦うのは“戦争行為そのもの”というのがミソ。どちらかの国家に味方するわけではなく、戦争を行なっている両国に対して武力でこれを鎮圧。テロ組織の壊滅なども任務としている。当然、大国がガンダムの捕獲を目論んだり、ガンダムの介入を見越して大国に喧嘩を売る小国が登場するなど、リアルな政治的なシミュレートが描かれる。また、“自らの理念を暴力で押しつける”という意味では、主人公であるソレスタルビーイングがテロ組織とも言え、人々から非難を受けるなど、非常に挑戦的な内容になっている。 最新話では、謎に包まれた新型ガンダム3機が現れるなど、物語は大きな転機を迎えており、目が離せない状況。美形の男性キャラ4人が主役と言うこともあり、“女性ファン向け”という先入観を持たれがちだが、モビルスーツの戦闘が多く、各勢力の思惑が複雑に絡み合う展開は男性ファンにも堪らないものだ。
■ 物語はシリアスだが、イベントは爆笑の連続 アフレコ現場でムードメーカーだというのは、主人公、刹那・F・セイエイ役の宮野真守さん。「現場は本当にみんな仲が良くて、本番が始まるとピリッとした空気が漂いますけど、和気あいあいと収録しています。このメンバーでガンダム00を作り上げていくことができて、幸せに思っています」と、収録を振り返る。ロックオン・ストラトス役、三木眞一郎さんも「この役をもらった時、運命を感じた」と言うほど、情熱を込めてキャラクターを演じているという。
アレルヤ・ハプティズム役の吉野裕行さんは、シリアスな展開を続けるストーリーについて、「重たい話もあるけれど、アニメでそういう話があっても良いと思っている。もちろん、観る人全員がそれを受け止めなければならないと言うわけじゃないけれど、それぞれにこの作品を楽しんで欲しい」と語る。ティエリア・アーデ役の神谷浩史さんは、「後半は怒濤の展開が待っています。最後まで必ず見てください」と笑顔で訴えた。 作品はシリアスだが、イベントは爆笑の連続。前述のガンダムマイスター(ガンダムのパイロット)の4人もハイテンション。全員が目を閉じ「正直言って、自分のモビルスーツが一番格好いいなと思う人、手をあげて」と言われると、全員が挙手。「もういいです、手を下げてください」と言われても下げないなど、キャラクター&モビルスーツへの思い入れも強い。
「それぞれのガンダムの魅力」を聞かれると、「ガシーンと出て、ガッガッとなるところ!!」(吉野さん/ガンダムキュリオス秘密兵器)、「バカーンって外れるところ!!」(神谷さん/ガンダムヴァーチェの外装パージ機能)、「ビューッってなるとこだよ ビューって!!」(三木さん/ガンダムデュナメスの狙撃能力)と、擬音と身振りで大アピール。しかし、一緒に騒いでいたガンダムエクシアを駆る宮野さんは、自分の番になると「GNソードです」と一転冷静に武器名称で回答。「そーゆーテンションは事務所的にNGなので」と澄まし顔の宮野さんに、残りのガンダムマイスターが詰め寄ると、場内は爆笑に包まれた。
ちなみに、女性キャストの中で最も人気のある男性キャラクターは? の問いでは、キャラクターを聞かれているのにセルゲイ・スミルノフ役の「(石塚)運昇さんが素敵です」という回答が大半。アリー・アル・サーシェス役の藤原啓治さんまでが「もちろん運昇さんですよ」と答えるなど、運昇さんが大人気。「好みの女性キャラは?」という問いでは、巨乳でサービスシーンも多い、ソレスタルビーイングをまとめる戦術予報士、スメラギ・李・ノリエガが人気。一方で、パトリック・コーラサワー役の浜田賢二さんが、画面に一瞬登場した、名前も出ていない(台本に美女とだけ書かれていた)金髪の女性キャラを挙げるなどマニアックな回答。グラハム・エーカー役の中村悠一さんは「ルイスがうっとうしかったんですが、アフレコを通じて魅力がわかってきました」と答え、場内の笑いを誘った。
ガンダムの歴史を振り返るコーナーには、特別ゲストとして、ファーストガンダムのアムロ・レイ役であり、ナレーターとしてガンダム00にも参加している古谷徹さんが登場。当時のアフレコの思い出話や、アムロと同年代の娘を持つようになって、15、6歳の幼さを目の当たりにすることで、アムロを演じる際の声にも変化が出たという。 ステージでは歴代ガンダムのオープニング映像なども上映。クイズでは「ファースト・ガンダムの企画当初のタイトルは?」などの難問も出され、古谷さんは「と、当然答えは知ってますが、若い人を立てて……」と、冷や汗をかきながらガンダムマイスター達にバトンタッチ。「ここはリーダーの三木さんに」、「いやいや主人公の宮野くんに……」と延々譲り合いが繰り広げられた。ちなみに答えは「フリーダム・ファイター」。モビルスーツは登場せず、宇宙船に乗った少年少女が戦うという、十五少年漂流記のような内容だったという。宇宙船のカラーは黄色で、ホワイトベースならぬ、イエローベースなのだろうか?
出演者が2チームに分かれて対決する「ガンダムマイスター選手権」では、「各話のストーリーのキーワードを挙げよ」や、「第3話のファイナルカットを絵で描け」などの難問が続出。ファイナルカットの答えは「刹那・F・セイエイが自室のベッドに寝転がっている姿」が正解であり、それがわかっている回答者も多いのだが、画力に問題のある回答が続出。
マリナ・イスマイール役、恒松あゆみさんの絵は非常にハイレベルだが、沙慈・クロスロード役、入野自由さんの絵は2次元とも3次元ともつかない微妙なクオリティ。ルイス・ハレヴィ役の斎藤千和さんの絵に至っては状況は合っているのだが、殺人事件の現場にしか見えないなど、珍回答が連発。ソーマ・ピーリス役の小笠原亜里沙さんは「ハロが沢山集まって、キングハロに」など別次元の回答で会場を沸かせた。
最後に古谷さんは、「心に残る思い出深いイベントになった。ガンダム00は、哀しい過去を持ちながらも、それを乗り越えようと戦う少年達の物語。後半に向け、出演者一同気持ちを新たに、より魅力のある作品にすべく、一言一言に命をかけて演じていきます。さらなる大きな波になるよう、応援よろしくお願いいたします」と呼びかけ、ステージに幕が降りた。
□作品の公式ページ
(2008年1月28日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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