地デジ受信機普及率は60.7%。総務省調査
-沖縄は37.1%と地域差も。視聴可能世帯は51.8%に
5月7日発表
総務省は7日、地上デジタルテレビ放送に関する浸透度調査の結果を発表した。地上デジタル対応機器の世帯普及率は昨年の43.7%から60.7%に増加。アナログ停波の認知度は、昨年比で5.5ポイント向上し、97.7%となっている。
地上デジタル放送の浸透度を定量的に把握し、今後の広報活動と普及活動への活用を目的としたもので、調査は社団法人中央調査社が担当。調査方法は郵送調査で、対象者は全国47都道府県の男女15歳以上、80歳未満の個人。調査は3月に実施し、サンプル数は12,375人。
■ 地アナ停波は「ほぼ定着」
地上アナログ停波については、「知っている」が97.7%(昨年度調査92.2%)、「知らない」が1.9%となり、総務省では、「アナログ放送停波については、100%に近い人が知っており、ほぼ定着した」とする。ただし、2011年という停波時期については認知率89.6%と、まだ周知がいきわたっていないため、「今後さらに認知度を上げることが課題」とする。
地上デジタル放送の認知率は、「知っている」が97.6%、「知らない」が2.3%。「知っている」と回答した人に占める居住地域での視聴可否の認知は、85.5%が「視聴可能エリアである」と回答。「まだ視聴できない」は4.2%、「分からない」が9.9%と高いため、今後の周知広報が課題とする。
なお、国の相談窓口などの認知度調査については、「総務省地デジコールセンター」が18.2%、「総務省テレビ受信者センター(デジサポ)」が3.5%、「総務省総合通信局」が0.8%といずれも低く、75.1%の人が「いずれも知らない」と回答しているという。
■ 世帯普及率6割越えも沖縄は37%。視聴可能世帯は5割強
地上デジタル放送受信機の世帯普及率は60.7%と前年の43.7%から大幅に増加。受信機のタイプ別内訳は、テレビが50.4%、録画機が30.5%、外付けチューナが6.8%、パソコンが7.8%、CATV用のSTBが15.1%。
購入動機については、「テレビの買い換え時期だったから」が43%、「アナログ停波を見越して」が36.3%、「薄型テレビが欲しかったから」が35.3%、「ハイビジョン放送などを見たかったから」が29.3%。
なお、都道府県別の普及率は、福井県が68.6%でトップ。続いて三重(67.3%)、滋賀(67.0%)、大分(66.2%)、愛知(65.5%)、岐阜(65.5%)と続く。一方、最も普及率が低いのは沖縄で37.1%。下位から2番目の岩手(47.4%)と比べても、10ポイント以上下回っている。総務省では、「デジサポなどにおいて、地域に応じたきめ細かな周知広報活動展開が必要」とする。
地デジ放送の視聴可能世帯は51.8%と初めて半数を超えた。一方で、受信機を保有しながら地デジ放送を見ていない人が7.4%、保有しているが受信可否は不明という人が1.5%存在する。
受信機を保有しているが、視聴できない理由については、「アンテナや分配器などが地デジに対応していない」が31.0%、「居住区域で地デジ放送が行なわれていない」が18.4%、「共同受信施設が地デジに対応していない」が15.1%、「見るために何をしたらいいかわからない」が15%と続く。総務省では、「具体的な受信方法の周知などが必要」としている。
(2009年 5月 8日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]