マランツ、ハイスピード駆動を追求した中級プリメイン

-新ボリュームIC/コンデンサ搭載の「PM-15S2」


PM-15S2
6月下旬発売

標準価格:15万7,500円


 株式会社マランツ コンシューマー マーケティングは、プリメインアンプの新モデル「PM-15S2」を6月下旬に発売する。価格は15万7,500円。カラーはゴールド。

 2005年に発売した「PM-15S1」から4年の間に、同社から発売された製品の開発過程で培われた技術とノウハウを投入してブラッシュアップしたモデル。独自アンプモジュール「HDAM」の最新バージョンを採用したほか、ボリュームコントロール部の改良や、V/Iサーボ方式電流帰還型回路の搭載など、最新モデルや上位モデルの技術が盛り込まれている。

 定格出力は90W×2ch(8Ω時)、140W×2ch(4Ω時)で、「PM-15S1」(75W×2ch/140W×2ch)より向上。高速電圧増幅モジュールの最新バージョン「HDAM-SA3」は、温度特性に優れ、スルーレート200V/μsec以上という高速性が特徴。HDAM-SA3/SA2の両方を駆使したフルディスクリート構成の電流帰還型リニアコントロールボリューム/パワーアンプとし、ハイスピード化を徹底した。

 

内部構造
 フォノイコライザーアンプは、セパレートのプリアンプ「SC-11S1」と同様のコンスタント・カレントフィードバック型。低域~高域のNFB量を一定にし、音域による変化のないスムーズで奥行きのあるサウンドを実現したとしている。

 ボリュームコントロールICにはMICRO ANALOG SYSTEMS製「MAS6116」を搭載。これにHDAM-SA3/SA2の電流帰還型アンプを組み合わせた0.5dBステップのリニアコントロール・ボリュームを採用する。SC-11S1と同様に反転型NFB回路を搭載し、反転アンプを不要とした。チャンネル間のクロストークや連動誤差も少ないという。

 CD入力端子の直近に専用の入力バッファアンプを搭載。HDAM-SA2を使用し、CD入力から入った信号を低インピーダンス化、チャンネル間/入力ソース間の干渉を抑えている。

 電源部には、1.5mm厚のアルミケースと、ケース内のコアリングによる二重シールド構造のトロイダルトランスを搭載。もともと漏洩磁束の少ないトランスに対し、さらに音質へ与える悪影響を防ぐという。内部のコアリングは2段重ねとし、高比重充填材で封入。唸り音を抑えている。

 パワー部には上位モデルのPM-11S2と同様にV/Iサーボ方式の電流帰還型回路を採用。入力回路とDCサーボ回路にはHDAM-SA2とトランジスタを組み合わせ、オンボードのHDAM-SA3回路を構築。同社が近年のアンプ開発において追求している瞬時電流供給能力の向上に貢献したという。

 

プリ部パワー部

 コンデンサは、上級機と同様に3分割巻構造の新開発品を採用。幅広のタブで電極箔と端子を結んでいる。また、電極箔は素子固定材でソフトかつ確実に支えているという。そのほか、アースラインの見直しなども行なわれている。

 内部のレイアウトは、入力端子からスピーカー端子まで並行配置とし、左右チャンネルのクロストークを排除。シャーシはクロムフリーの1.2mm厚鋼板と、3mm厚の黒塗装鋼板の2層構造。アルミダイキャストのインシュレータを採用する。

 PM-15S2を最大4台(8ch)まで接続し、シンクロ操作することが可能な「F.C.B.S.(フローティングコントロールバスシステム)」も搭載。バイアンプやマルチチャンネルシステムなどに対応できる。

 ディスプレイは反転表示型の液晶を採用し、従来に比べ視認性を向上。蛍光表示管に比べオーディオ回路へのノイズの影響も抑えているという。端子はフォノ入力×1、ライン入力×3(CD、LINE1/2)、テープ入出力×2。スピーカーターミナルは独WBT製。消費電力は220W。外形寸法は440×444×123mm(幅×奥行き×高さ)、重量は18.5kg。

背面インシュレータ


(2009年 6月 12日)

[AV Watch編集部 中林暁]