ビクターの4K2Kカメラを使用した皆既日食ライブ中継

-大阪会場などに全天映像を伝送。4Kプロジェクタで投映


4K2K 60P単板カメラ

7月16日発表


 日本ビクター株式会社は16日、同社が世界で初めて開発した4K2K撮影可能な超高精細映像撮影用ビデオカメラ「4K2K 60P単板カメラ」と、4K D-ILAプロジェクタ「DLA-SH4K」が、22日に観測される皆既日食のライブ上映実験に採用されたと発表した。

4Kプロジェクタ「DLA-SH4K」

 この上映実験は、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)と超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(URCF)が共同で、7月22日に観測される皆既日食を超高精細映像でライブ上映するというもの。伝送された映像は大阪などの会場で一般公開される。

 4K2K(3,840×2,160ドット)での撮影が可能なビクターの「4K2K 60P単板カメラ」を使用し、奄美大島の屋仁(やに)小学校で皆既日食を撮影。和歌山大学と共同で新開発した190度魚眼レンズをカメラに搭載し、全天映像での撮影を行なうとする。

190度魚眼レンズ装着例。全天映像が撮影できる

プロジェクト構成図

 伝送にはURCFが構築した「4K超高精細全天映像伝送システム」を使用。奄美大島での全天映像はこのシステムを介して、国内の全天ドーム4会場(けいはんなプラザ、大阪市立科学館、大阪ABCホール、つくばエキスポセンター)に伝送される。

 伝送された映像は、ビクターの4K D-ILAプロジェクタ「DLA-SH4K」によって投映。「遠隔地にいながら、その場にいるかのようなライブ感覚で皆既日食を体験できる」としている。なお、つくばエキスポセンターで使用されるプロジェクタは「DLA-SX21」になるという。

 「4K2K 60P単板カメラ」は、1.25型/3,840×2,160ドットのCMOSを搭載する小型のカメラヘッドと信号処理部で構成。4K2K/60pのリアルタイムビデオ出力を世界で初めて実現した。カメラ部のレンズマウントはニコンFマウントまたはPLマウントに対応する。

 「DLA-SH4K」は1.27型/4,096×2,400ドットのD-ILAデバイスを搭載したプロジェクタ。光学エンジンには、入射光の角度による特性変化を抑える「WireGrid(無機系反射型偏光板)」を採用し、レンズへの光漏れを極限まで抑制することでコントラスト比10,000:1を実現した。輝度は3,500ルーメン。レンズは光学1.22倍のズームレンズを採用する。


(2009年 7月 16日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]