ニュース
BLUESOUND、小型で6万円を切るストリーマー「NODE NANO」。ESS DAC搭載
2024年11月25日 10:00
PDNは、BLUESOUNDのストリーマーのエントリーモデルとして、小型筐体も特徴の「NODE NANO」を12月2日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は6万円を切る見込み。
これまでのNODEモデルよりも手に届きやすい価格にしつつ、より小型になっているのが特徴。外形寸法は143×143×36mm(幅×奥行き×高さ)、重量は570g。サウンド面では、これまでのTI製DACではなく、ESSの「ES9039Q2M」を採用している。
また、「ミュージック・ストリーマーの性能は、単一のチップセット以上に、内部エレクトロニクスの実装に深く依存している」とし、エンジニアリング・チームは、長年に渡るデジタル、アナログ回路設計の経験を活かし、設計とレイアウトを追求。「競合製品とは一線を画す存在になった」という。
クアッドコアの1.8GHz ARM CORTEX A53プロセッサーを搭載。BluOSを採用しており、Amazon MusicやQobuz、TIDAL(日本未サービス)などのストリーミングサービスに対応。 Spotify Connectや、日本未サービスだがTIDAL Connectにも対応。MQAにも対応する。さらに、AirPlay 2、Bluetoothにも対応。aptX Adaptiveコーデックまでサポートし、Bluetooth受信だけでなく、Bluetooth送信も可能。DSDの再生にも、今後のアップデートで対応予定。
アプリからの操作に加え、筐体には再生/一時停止、音量アップ/ダウン、コンテンツに簡単にアクセスできる2つのプリセットボタンを用意する。
出力端子はアナログRCAステレオ、光デジタル、同軸デジタル、USBデジタル出力を備える。既発売のストリーマーである「NODE」との機能的な違いとしては、HDMI eARCやヘッドフォン出力、サブウーファー出力などが省かれている。
LAN端子を備えるほか、デュアルバンドWi-Fiも搭載。リモコンは付属しないが、IRリモコン学習機能を備え、テレビ付属のリモコンなどと連携できる。
音を聴いてみる
説明会において、短時間だがAmazon MusicやQobuzを用いて、サウンドをチェックした。デジタル出力ではなく、NODE NANOからはアナログRCAでアンプに出力している。
音の前に、NODE NANOの実機に触れるとその小ささに驚く。奥行きも短めなので、例えば、机の上などに設置する時も使いやすいだろう。コンパクトである一方で、持ち上げると適度な重さがあり、中身がギッシリ詰まっている密度感を感じる。手に取りやすい価格の製品だが、チープな印象は無い。
BluOSでの楽曲検索や、再生操作はキビキビしており、こちらもエントリーモデルっぽさは無い。UIもわかりやすく洗練されているので、使用時のストレスは少ないだろう。
「ダイアナ・クラール/月とてもなく」、「手嶌葵/明日への手紙」、ヒラリー・ハーンのヴァイオリンとロサンゼルス室内管弦楽団 による「J.S. バッハ:ヴァイオリン協奏曲集 BWV 1041, 1042, 1060」から「I. Allegro」などを再生する。
一聴してわかるのは、音場が広く、そこに定位する音像に情報量があり、立体感も感じられる事。シャープで高精細な描写力があり、女性ボーカルの生々しさや、オーケストラの楽器の分離なども明瞭。特定の帯域を押し出したりせず、ピュアオーディオな音の傾向で、とても6万円を切る価格とは思えないクオリティだ。
既発売のストリーマーである「NODE」との違いが気になるところ。DACがESSに変更されたというのも大きいと思うが、全体として、情報量や解像感、音場の広さといった面では、最新のNODE NANOの方が上回っていると感じる部分がある。
NODE NANO自体は、ピュアオーディオのコンポとしては低価格だ。しかし、例えば数十万円するようなアンプやCDプレーヤーなどを使っている環境に、ネットワーク再生機能を追加する目的でNODE NANOを導入しても、それらの高価な機器と釣り合いのとれたハイクオリティなサウンドを再生してくれるだろう。
一方で、前述の通り、NODEにはHDMI eARCやヘッドフォン出力、サブウーファー出力などを備えているので、テレビとの連携や、サブウーファーの追加などを考えている人にはNODEの方がマッチするはずだ。