アキュフェーズ、AAVA搭載の純A級新プリメイン「E-560」

-630,000円。信号経路をバランス構成/電源部を強化


E-560

11月上旬発売

標準価格:630,000円


 アキュフェーズ株式会社は、純A級のステレオプリメインアンプの新モデル「E-560」を11月上旬に発売する。価格は630,000円。

 AAVA方式のボリューム・コントロールを搭載するプリメインアンプで、2005年に発売された「E-550」の後継モデル。従来、AAVAは大きな物理的容量が必要だったが、回路構成の見直しと、部品の実装密度を上げることにより、小型回路ながら同社プリアンプに搭載されているAAVAと同等の性能を実現したという。

 パワーアンプ部は、新たにインスツルメンテーションアンプ(Instrumentation Amplifier)構成を導入。入力端子から出力段までの信号経路をバランス伝送することで、機器内で発生する雑音を除去する能力やひずみ率などを改善。さらに、パワーアンプの安定化も図れるとしている。

 回路構成には、同一回路を並列接続する「MCS回路」を進化させた「MCS+回路」を搭載。初段バッファアンプのバイアス回路の改善により、回路安定性を向上。並列動作させる部分を電流-電圧変換部のA級ドライブ段まで拡張することで、低ノイズ化を図っている。また増幅方式は、「カレント・フィードバック増幅回路」を搭載する。

 出力素子には、パワーMOS FETを採用。3パラレル・プッシュプル純A級動作で駆動することで、120W×2ch(2Ω)、60W×2ch(4Ω)、30W×2ch(8Ω)の出力を実現した。さらに、大型トロイダル・トランスを使った強力な電源部を用いることで、1Ωの超低インピーダンス負荷で150W×2chの出力を得ることができる。

 プリアンプ部に専用の電源回路を設置するなど、プリアンプ部とパワーアンプ部はそれぞれ独立した回路を搭載。相互干渉を防ぐことができ、音質の向上を図っている。また、それぞれを独立アンプとして使用可能な切替スイッチ「EXT PRE」を装備。バイアンプにも対応する。

 入力端子はアンバランスを5系統、レコーダ入出力を各1系統、バランス入力を2系統用意。プリアウト/パワーアンプ入力も各1系統備えている。スピーカー出力は2系統で、Yラグやバナナ・プラグにも対応する。専用アンプを搭載するヘッドフォン出力も備え、ヘッドフォンリスニング時の音質も考慮したという。

 そのほか、リアにはオプションボードスロットを搭載。別売の入力ボードをスロットして入力端子を増設できる。用意されているオプションカードは、デジタル入力ボード「DAC-20」(63,000円)、ライン入力ボード「LINE-10」(8,400円)、アナログディスクボード「AD-20」(63,000円)の3種類。

 消費電力は無入力時で170W、8Ω負荷定格出力時で200W。外形寸法は465×426×191mm(幅×奥行き×高さ)、重量は24kg。リモコン「RC-200」が付属する。


(2009年 10月 13日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]