パナソニック、世界初の低価格な二眼式フルHD 3Dカメラ

-二眼式と小型化でメンテナンス性と機動力が向上


2010 International CESのプレスカンファレンスで展示された一体型二眼式3Dカメラ

2010年秋発売(受注生産)

標準価格:220万5,000円

 パナソニックは、世界初という低価格な業務用一体型二眼式3Dカメラを発表。2010年秋からの発売を予定しており(受注生産)、4月から本格的な受注活動を開始する。価格は220万5,000円。技術サンプルをCESの会場に出展する。

 業務用として世界初という、一体型二眼式フルHD 3Dカメラ。従来の3Dカメラは、左右の眼用に映像を撮影するため、2台のカメラを用意。2台のレンズの光軸を人間の目の間隔である約6.5cm分だけ離して設置して撮影する必要があるが、カメラが大きいとその間隔に並行設置できず、2台のカメラをリグや、並行、もしくはハーフミラーを挟んで垂直に交差するよう取り付ける必要があった。

 そのため、大掛かりなシステムとなっていたほか、移動や移設の衝撃や振動で左右のカメラにズレが生じるため、撮影前には入念な調整が必要だった。さらに、レコーダ部を別途用意する必要もあった。

 新たに発表されたカメラは、2本のレンズ、カメラヘッド、メモリーカード記録部が1つの筐体に一体化しており、従来のシステムと比べて大幅な小型、低価格化を実現。機動力が向上し、メンテナンス性にも優れているという。本体重量は3kg以下で、記録メディアはSD/SDHCメモリーカードを採用している。

 さらに、光学部は二眼レンズ方式を採用することで、左右のレンズ光軸の収束点(コンバージェンスポイント)の調整が可能で、左右の映像ズレを自動補正する機能も備えている。この機能は3D映像の演出に活用でき、人間の両眼も見ている対象物に合わせてコンバージェンスポイントが変化するため、被写体にあわせてコンバージェンスポイントを調整することで、自然な3D映像が可能になるという。

 この処理は従来の3DカメラではPCや外部ビデオプロセッサなどで補正する必要があったが、新しいカメラでは、カメラ本体のみで自動補正でき、速やかに撮影できるという。

 また、左右のフルHD映像をメモリーカードにファイルベースで記録可能。収録時の信頼性と、メカレスによるメンテナンスコストの削減、ノンリニア編集システムとの親和性向上も実現しているという。

 同社は「制作環境の整備と効率化を目指した3D映像制作システム開発を加速することで、高品質な3D映像コンテンツの制作促進に貢献していく」としている。


(2010年 1月 7日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]