オンキヨー、3D映像やARCに対応した初のHDMI 1.4 AVアンプ

-1080pアップスケール対応。84,000円の「TX-SA608」など


TX-SA608のブラック

3月31日より順次発売

標準価格:「TX-SA608」84,000円
       「TX-SA578」71,400円


 オンキヨーは、3D映像などをサポートするHDMI Ver.1.4対応のAVアンプ2モデルを3月31日より順次発売する。エントリークラスの「TX-SA608」と「TX-SA578」をラインナップし、価格と発売日はSA608が84,000円で3月31日発売、SA578が71,400円で4月30日発売。ボディカラーはSA608がブラック(B)/シルバー(S)の2色で、SA578がブラックのみ。

TX-SA608のシルバーTX-SA578はブラックのみ

 最大の特徴は、HDMIの最新規格であるHDMI 1.4で採用された3D映像の伝送と、オーディオリターンチャンネル(ARC)に対応したこと。

 “3D映像対応”とは、3D対応テレビ/BDプレーヤー間で伝送される1080/60p×2本(左/右目用)の3D映像をそのままスルーできることを意味する。また、ARC対応により、従来はテレビのチューナからの音声をアンプ側に送るため、HDMI以外に音声ケーブルをつなぐ必要があったが、新モデルではアンプ→テレビとは逆方向のテレビ→アンプの音声信号も同じHDMIケーブル内で伝送できるようになった。

 なお、同社は「3D映像伝送とARC(オーディオ・リターンチャンネル)対応のHDMI 1.4対応AVアンプを2010年春から発売する」と1月に予告しており、新モデルについては「将来を見据えた上質な3Dシアターを楽しめる先端仕様を採用した」としている。今回はエントリークラスの発表となったが、上位モデルについても「順次HDMI 1.4対応モデルを発表する予定」だという。



■ TX-SA608

 定格130W×7ch、最大190W×7ch(いずれも6Ω時)の出力に対応したモデル。同社の上位モデルに採用されている、低インピーダンス化を実現する独自の3段インバーテッドダーリントン回路を装備し、パワーアンプの出力インピーダンスを低く抑えることでスピーカードライブ能力を向上させている。プリアンプ部とパワーアンプ部はディスクリート構成。また、銅バスプレートにより電源供給効率の向上とアース電位の安定化を図っている。

内部構造

 Blu-ray Discビデオに収録されたドルビーTrue HDやDTS-HD Master AudioなどHDオーディオのデコードに対応。水平方向だけでなく、垂直方向も含む三次元的な空間表現を行なうというドルビーのサラウンド技術「ドルビープロロジック IIz」や、フロントワイド/フロントハイスピーカーを加えて、より大きなサラウンド空間を実現できる「Audyssey DSX(Dynamic Surround Expansion)」にも対応する。そのほか、THX Select2 Plusにも準拠している。

 従来モデルの「TX-SA607」から、GUIメニューを改善したことも特徴。OSDがオーバーレイ表示になり、動画を再生しながらメニューが見られるようになったほか、入力された映像/音声のフォーマットなどが、本体ディスプレイだけでなく接続したテレビなどでも確認できるようになった。


OSDメニューの例。左から、ビデオ情報表示、オーディオ情報表示、オーディオ設定の画面
入力セレクタ画面(左)と、リスニングモード選択画面(右)

 HDMIは入力6系統、出力1系統で、入力のうち1系統は前面に装備。HDMIを利用したAVシステム連動機能「RI HD」も備えており、各社のHDMI CEC対応デジタルテレビのリモコンから、電源連動や音声出力切り替え、ボリューム制御などの操作が行なえる。対応機器とのリンク設定を自動で行なうRI HD自動検出機能も搭載した。

 連動対応機種は、パナソニックの「ビエラリンク」対応VIERA/DIGAと、東芝の「レグザリンク」対応REGZA、シャープの「AQUOSファミリンク」対応の液晶AQUOS('08年4月以降のモデル)としている。本体電源OFF時は、接続した機器同士のHDMI音声がスルー可能。なお、HDMI新規格のEthernetチャンネル(HEC)はサポートしない。

 新たに、アナログRGB(D-Sub 15ピン)の映像入力を搭載し、パソコンなどと接続可能。アナログ入力信号のアップスケーリング機能は、SA607の最大1080iから、最大1080pに強化。「DCDi Cinema」回路により、コンポジット/S映像入力や、アナログRGBからのSD映像が1080pに変換できる。

 上記以外の入出力端子は、映像入力がD4端子×2、コンポーネント×2、コンポジット×5。映像出力がD4端子×1、コンポーネント×1、コンポジット×2。音声入力は光デジタル×2、同軸デジタル×2、アナログ音声(2ch)×8、音声出力はアナログ音声×1、7.1ch出力×1、サブウーファプリ×2。ヘッドフォン×1。外形寸法は435×329×176mm(幅×奥行き×高さ)、重量は11.5kg。プリプログラム対応のリモコンが付属する。

HDMI端子部。左から2番目にある、BD/DVD用として割り当てられた端子は、シャーシとの間にブチルゴムを噛ませるなど、徹底した制振対策が施されている。背面端子部付属リモコン。ENTERや十字キーの下に設けられた「HOME」ボタンでOSDメニューを呼び出せる


■ TX-SA578

TX-SA578

 HDMI入力4系統、出力1系統を備えた7.1ch AVアンプ。ドルビーTrueHDや、DTS-HD Master Audioのビットストリーム音声もデコード可能。定格出力は100W×7ch、最大出力は160W×7ch(いずれも6Ω時)。

 楕円状のプレスラインを設けたオーバルシャーシを採用し、強度を向上。振動によるノイズ発生を抑えている。自動音場補正機能「Audyssey 2EQ」や、「Audyssey Dynamic Volume」も搭載している。オーディオ用再生モード「Pure Audioモード」も備えている。三次元サラウンドのドルビープロロジックIIzも搭載。なお、Audyssey DSXは搭載しない。


付属リモコン

 HDMIを利用したAVシステム連動機能「RI HD」も備えており、各社のHDMI CEC対応デジタルテレビなどと連動動作が可能。オンキヨーにおける同クラスAVアンプでは初めて、アナログ映像の1080pアップコンバート機能も備えている。本体電源OFF時のHDMI音声スルーにも対応する。

 HDMI以外の入出力端子は、映像入力がD4端子×2、コンポーネント×2、コンポジット×5。映像出力がD4端子×1、コンポーネント×1、コンポジット×2。音声入力は光デジタル×2、同軸デジタル×2、アナログ音声(2ch)×7、音声出力はアナログ音声×1、サブウーファプリ×1、ヘッドフォン×1。外形寸法は435×328.5×151.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は9.4kg。プリプログラム対応のリモコンが付属する。



(2010年 3月 4日)

[AV Watch編集部 中林暁]