東芝、半導体好調で営業黒字に転換。TVも好調

-エコポイントも寄与。最終損益は197億円の赤字


5月7日発表

 東芝は7日、2010年3月期の連結決算を発表。売上高は前年比4%減の6兆3,816億円、営業利益は1,172億円で、前期2,502億円の赤字から黒字に転換。半導体事業がメモリの好調により大幅に改善した事が好影響となった。しかし、最終損益は構造改革費などがかさみ、197億円の赤字。しかし、前期の3,436億円の赤字からは大幅に改善している。

 V字回復の要因は半導体事業で、NAND型フラッシュメモリの需要が改善し、価格が安定した事で、メモリが大幅な増収を達成。個別半導体も前年並の売上高を維持したことで、システムLSIの減収を補い、半導体事業全体として増収となった。一方で、液晶ディスプレイ事業は大幅な減収で、部門全体の売上高は前期比158億円減少の1兆3,091億円。

 デジタルプロダクツ部門では、テレビなどの映像事業が国内を中心に好調で増収。「高画質、高機能の当社商品に対する高い市場評価及び広告展開による認知度向上に加え、エコポイントも好影響となった」と分析している。

 ストレージ事業は富士通からのハードディスク事業譲受けなどにより増収。一方で、パソコン事業が低価格化、部品価格の上昇などの影響で悪化したが、映像事業とストレージ事業の増収やコスト削減などの効果で、部門全体では前期比275億円改善、133億円の黒字になっている。

 なお、2010年の業績見通は、売上高7兆円、営業利益2,500億円の達成を目指している。


(2010年 5月 7日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]