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カラー表示できるAmazonの読書端末「Kindle Colorsoft」実機触れてきた

7月24日に発売された「Kindle Colorsoft」

Amazonは、カラーディスプレイを採用した電子書籍リーダー「Kindle Colorsoft」を7月24日に発売した。7月31日~8月3日には東京ミッドタウン日比谷で体験型イベントも実施し、実機を体験できる。イベント開始にあわせてメディア向け体験会が行なわれたので、カラー表示に対応したKindleに触れてきた。

「Kindle Colorsoft」

ラインナップは、16GBストレージの「Kindle Colorsoft」(39,980円)と、32GBストレージで明るさ自動調整機能、ワイヤレス充電に対応した「Kindle Colorsoft シグニチャーエディション」(44,980円)、キッズカバーや2年間の限定保証などが付属する子ども向け「Kindle Colorsoft キッズモデル」(42,980円)の3種類。

「Kindle Colorsoft シグニチャーエディション」
「Kindle Colorsoft キッズモデル」

Kindle Colorsoftは、7型のE-inkディスプレイを採用した読書専用端末であるKindleの最新モデルで、シリーズで初めてカラー表示に対応。Kindleライブラリやストアで、実際の本棚や書店のように書籍の表示をカラーで確認したり、カラーの挿絵や画像、マンガのカラーページなども、よりリアルに楽しめるという。

なお、もともとがモノクロのコンテンツをカラーに変換する機能は非搭載。

また読書中のハイライト機能もカラー表示に対応。新たにイエロー、オレンジ、ブルー、ピンクでのハイライトが可能になり、ハイライト箇所を色で区別したり、あとから検索しやすくなったという。

実機を触ってみた

「Kindle Colorsoft」に触ってきた

実機のサイズ感は従来のKindleシリーズと変わらず、片手でも楽に持てる大きさ。重さも215gと軽量だ。

肝心のカラー表示に対応したディスプレイは、視認性は良好。解像度はカラー表示時150ppi、白黒表示時300ppiと、カラーで表示すると解像度が下がるのだが、会場で試した限りは、解像度不足を感じることはなかった。

スマホやタブレットと比べると発色は淡め。画像は色のスタイル「標準」を選んだ状態
設定画面で「色のスタイル」をふたつから選択できる
色のスタイル「ビビッド」を選んだ状態。画像では分かりにくいが、ガンダムの目の色合いなどがより鮮やかになった印象だった

一方、製品名に「Colorsoft」とあるように、発色はかなり淡め。端末の設定で発色度を高める「ビビッド」モードも選択できるが、スマートフォンやタブレットのような鮮明な発色には及ばない。

それでもマンガなどを楽しむには十分な色合いに感じられ、液晶や有機ELとは違って自発光しないE-inkディスプレイの特性も相まって、長時間でもストレスなく使用できそうなイメージだった。

バッテリー持続時間も最大8週間と、スマホやタブレットを遥かに上回っているので「普段はスマホでマンガを読んでいるけどバッテリーの減りが心配」という方には、Kindle Colorsoftはオススメと言える。

マンガ好き野田クリスタル、最新Kindleは「絵のタッチ感が紙と変わらずに再現」

東京ミッドタウン日比谷 アトリウムで体験イベントが行なわれている。期間は8月3日まで

そんなKindle Colorsoftの魅力を体験できるイベント「Kindle Colorsoft POP UP EVENT」は、7月31日から8月3日までの4日間限定で、東京ミッドタウン日比谷 アトリウムで開催。

日本未発売モデルも含む歴代Kindleデバイス
イベントエリアに登場した「Kindle Tree」
好きな一冊のタイトルを書いて木に結ぶと、オリジナルキャンディがプレゼントされる

期間中は実機に触れられるほか、歴代のKindleデバイス7モデルを展示するヒストリーボードや、「Kindle Tree」と名付けられた大きな木のオブジェが登場。自分の好きな一冊のタイトルをカードに書いて、木の枝に結ぶと、オリジナルキャンディがプレゼントされる。

トークセッションに登壇したディーン・フジオカ(左)と、マヂカルラブリーの野田クリスタル(中央)、村上(右)

イベント初日の31日には、Kindleデバイスを愛用しているという俳優のディーン・フジオカと、お笑いコンビ・マヂカルラブリーより、マンガ愛が強く最近Kindleデバイスを使い始めたという野田クリスタル、読書好きでKindleデバイスに興味があるという村上の3名によるトークセッションも行なわれた。

仕事柄移動が多く、移動中に紙の本やKindleで読書することが多いというディーン・フジオカは「移動が連続するとき、バタバタしていると充電を忘れてしまうことがある。スマホでもアプリで読めますが、スマホは気がつくと充電がなくなっている。Kindleは数日間放置していても(バッテリーの減りが)まったく気にならない。旅や移動が多い人、忙しいスケジュールの間に、ぽっと読書する時間ができたとき、すごく便利だなと思います」とコメント。

カラー表示に対応したKindle Colorsoftもさっそく使ったといい「赤を見ると熱く感じるとか、青を見ると涼しく感じるとか、色で感じ方が大きく変わるじゃないですか。マンガや絵本、図鑑などで色が分かることは必須だと思うので、すごく大事だなと思います」と語った。

Kindleライブラリに2,300冊ものマンガがあるという野田クリスタルは「(Kindle端末は)画面の表示には、スマホとは違った“質感がある”ので、漫画家にとってもありがたいんじゃないかな」と語った。

「ビビり」だという野田クリスタルは、空港で1時間~1時間30分ほど時間を持て余すことが多いといい、そんなときKindleでマンガを読むという

「タッチが原画に違い印象で、とても見やすいんです。また、初めてKindle端末を手にしたとき『動かないサンプル機なのかな』と思ってしまうくらい軽かった。長時間マンガを読むと、ずっと(スマホやタブレットを)持っていると手がだんだん辛くなってきますけど、Kindleではそうなりませんね」

「今、いろいろなマンガがカラー版で再発売されていて、僕も昔読んでいたマンガをカラー版で買い直したりしているんですが、カラーになると『この人、こんな髪色だったんだ』みたいなことに気付かされるので、その点はありがたいですね。一度読んだマンガをもう一回読み直してしまいます」

村上も「『アニメになるまで、キャラクターの髪色が分からない』という問題は昔からあったので、原作者のかたが『これで』としてくれた髪色や、色の分け方をそのまま楽しめるのはファンとしても嬉しいところですよね」とカラー表示ならではの魅力を語った。

「私はふだん携帯で(マンガなどを)読むことが多い。先ほどKindle Colorsoftを見せてもらって、カラーのマンガを読みましたが、光の目への刺さり方が紙の本とまったく一緒でびっくりしました。『これなら疲れないな』と感じましたね」

最後に野田クリスタルは「マンガ好きの人たちのなかには“頑なに紙派”という人たちがいたんですね。電子書籍では、漫画家が実際に書いた質感が再現されないから邪道なんだという意見がすごく多かったんです。そんな人たちも(Kindle Colorsoftには)納得すると思います。絵のタッチ感が紙と変わらずに再現されています」とコメントした。

「相当なマンガ好きが開発したんじゃないかと思うくらい、相当こだわっている。実際に、そういった意見があることも耳にしていただろうから、彼らを唸らせるデバイスにしたんじゃないかと思いますね」

撮影の待機時間にKindleで読書しているというディーン・フジオカ

ディーン・フジオカは「長いことKindleデバイスを使っているので、ここまで進化したのかと感慨深く思いながらKindle Colorsoftを使わせていただきました。自分が読みたい資料のPDFをメールで送ると、Kindleで読めたりするので、そうやって台本も結構読んできたなぁと思い返して、仕事においても、人生においても縁のあるパートナーだったんだなと思いました」と語った。