J:COM、ワーナーのTVドラマが定額で見放題の「WARNERTV」

-独占配信作品も。「J:COM TV デジタル」料金で視聴可能


J:COMの中谷博之上席執行役員(左)と、ワーナー エンターテイメント ジャパンのウィリアム・アイアトン社長(右)

7月15日サービス開始


 ジュピターテレコム(J:COM)は、ワーナー・ブラザース テレビジョンとの協力により、CATVサービスの「J:COM TV デジタル」において海外ドラマのVOD見放題サービス「WARNERTV」を7月15日よりスタートする。

 既存サービスの「J:COM TV デジタル」(月額5,229円)加入者であれば追加料金なしで利用可能。また、「J:COM TV デジタルコンパクト」(月額4,389円)の加入者は、1,050円を追加すれば利用できる。

海外で展開されてきた「WARNERTV」が、J:COMとの協力で日本にも登場

 さらに、7月15日からは「WARNERTV」と地上/BSデジタル放送、J:COM NET 40Mコースを組み合わせた料金プラン「J:COM TV My style セレクト」(月額4,980円)も開始する。

 「WARNERTV」は、ワーナー・ブラザースのテレビドラマシリーズをVOD見放題で楽しめるサービス。海外では欧州を中心に16の国や地域で展開している。ワーナーがテレビシリーズのみで編成した配信サービスは日本初で、日本未放送の海外ドラマや、人気シリーズなど年間1,000話以上を提供予定。

 注目作品としては、J:COM独占配信となるジェリー・ブラッカイマー製作のSFサスペンス「イレブンスアワー」(仮題)や、ロサンゼルスを舞台にしたヒューマン・クライムストーリー「サウスランド」(仮題)を用意。これらは2010年後半~2011年に配信予定となっている。

 この2作品を含め、約8割はハイビジョン画質で配信。「ER」の初期シリーズなど、製作時期の古いものはSD画質での配信となる(現状のJ:COMオンデマンド作品はHD2割/SD8割)。各作品の1シーズンを前/後半に分けて、2カ月で1シーズンが視聴可能。作品の更新は1カ月に2回(1日/15日)行なわれる。7月15日の配信予定作品は下表の通り。

タイトル話数
コールドケース迷宮事件簿 シーズン11~12話
WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え! シーズン11~12話
The OC シーズン11~14話
ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ シーズン11~5話
ER緊急救命室 シーズン11~12話

日本初となるテレビシリーズのみの編成で、年間1,000話以上配信予定J:COM独占タイトルの1つである「イレブンスアワー」(仮題)


■ 「VOD事業者のパイオニア」が新しいTV視聴スタイルを提供

J:COMの中谷博之上席執行役員

 J:COM上席執行役員の中谷博之氏は、これまでのVODサービスの取組みについて「テレビが、録画機の大容量化などにより、リアルタイム視聴からオンデマンド視聴に変わっていく中、J:COMは変化にいち早く対応し、5年前から『J:COM オンデマンド』で市場を開拓してきた。その結果、最新ドラマやアニメなど25,000タイトルを170万世帯が視聴できる日本最大のテレビ向けVODプラットフォームに成長した」と説明。その後、3D映像配信や、劇場公開と同時の配信、地上波見逃し配信などの各サービスについても触れ「日本のVOD事業者のパイオニア」と振り返る。

 今回の新サービスについては「従来から、J:COMではユーザー満足度が高い『ムービープラス』や『LaLaTV』などを基本パッケージ化してまとめて提供する『マストバイベーシック戦略』で商品設計し、ファミリー層を中心に加入世帯を拡大してきた。そのチャンネルラインナップにWARNERTVを組み込むことで、新しいテレビの視聴スタイルを提供する」とした。

 また、「WANERTVに続き、他のさまざまなオンデマンド配信も検討中」としており、具体的な内容は明かされなかったが「エンタメ系チャンネルで、条件が合えばWANERTVと同じスキームで展開したい。ハリウッド系、韓流、音楽などで交渉は開始している」とした。

リアルタイム型から、オンデマンド型の視聴スタイルに応じてサービスを展開月額見放題とすることで新しい視聴スタイルを提供し、新規視聴者層の獲得を見込む

 ワーナー エンターテイメント ジャパンのウィリアム・アイアトン社長は、「ワーナーが保有するテレビシリーズ4万話以上の中から、厳選されたシリーズをWARNERTVで展開する」と説明。WARNERTVでは作品選択画面やオープニング、視聴画面において常に「WARNERTV」ロゴを露出することにより、ブランドの認知を高め、ファンの獲得を目指すという。

 今回発表された「イレブンスアワー」や「サウスランド」のようなJ:COM独占配信タイトルは、今後もラインナップ拡大に向けて検討中。また、J:COMで先行配信した後で、期間を置いて他の配信サービスに展開するという配信方法についても視野に入れているという。

ワーナー エンターテイメント ジャパンのウィリアム・アイアトン社長ワーナーの豊富な作品から厳選して「WARNERTV」で提供「WARNERTV」のブランド戦略


(2010年 7月 7日)

[AV Watch編集部 中林暁]