東芝、3D対応/240Hz駆動の「REGZA ZG1」シリーズ

-42~55型で展開。録画も強化。29mm厚のF1シリーズも


8月下旬より順次発売

標準価格:オープンプライス


 東芝は、3D対応でエッジライト型のLEDバックライトを採用した液晶テレビ「REGZA」2シリーズ5モデルを8月下旬より順次発売する。

 ZG1シリーズは、3D対応のほか、2D-3D変換やスカパー! HD連携なども搭載した上位モデルで、55型の「55ZG1」と47型「47ZG1」、42型「42ZG1」を用意。F1シリーズは55型の「55F1」と46型の「46F1」をラインナップする。

型番サイズ特徴発売日店頭予想価格
55ZG155型3D
240Hz/4倍速パネル
USB/LAN HDD録画
2D-3D変換
スカパー! HD連携
DLNA
10月下旬45万円前後
47ZG147型35万円前後
42ZG142型28万円前後
55F155型3D
240Hz/4倍速パネル
USB HDD録画
DLNA
8月下旬43万円前後
46F146型33万円前後

 いずれも、4倍速240Hz駆動のフルHD液晶パネルを搭載し、フレームシーケンシャル方式の3D表示に対応。LED採用による薄型デザインも特徴で、新パネルや映像エンジンの搭載による画質向上も訴求。REGZAの特徴である録画機能なども引き続き搭載している。

47ZG155F1(左)、46F1(右)46F1
55ZG147ZG142ZG1
55F146F155F1。最薄部は29mm

 


■ 3D対応とともに、240Hzパネルや新エンジンで2D画質も改善

 1,920×1,080ドットのフルHDクリアパネル液晶を搭載。ZG1シリーズはIPS系、F1シリーズはVA系のパネルを採用している。バックライトはエッジライト方式のLEDで、F1シリーズは約29mmという薄型のデザインを実現している。

 F1シリーズは、デザイナーのヤコブ・イェンセンとのコラボレーションによりデザイン。「エコロジカルスタイリッシュモデル」と位置づけている。

 

ZG1シリーズ55ZG1F1シリーズ
ZG1シリーズの概要F1シリーズの概要F1はヤコブ・イェンセンとのコラボレーションでデザイン

 

ZG1シリーズは「レグザエンジンDuo」、F1シリーズは「レグザエンジン」を搭載
 4倍速/240Hzパネルの採用により3D表示にも対応。映像エンジンは、ZG1シリーズが「レグザエンジンDuo」、F1シリーズが「レグザエンジン」で、3D映像に最適化したバックライト制御や超解像技術を搭載する。

 3D表示時には、バックライトを上下分割して分割制御し、3Dグラスのシャッターを連動させることでクロストークを低減する。なお、トランスミッタはREGZA本体に内蔵しているが、3Dグラス「FPT-AG01(J)」は別売で、8月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は1万円前後。電源はボタン電池(CR2032)。

 ZG1シリーズでは、2D-3D変換機能も搭載。リモコンのボタンを押すだけで、2D映像を3D変換し、3Dグラスをかけて3D体験が可能となる。

 部屋の明るさや色温度などにあわせた映像自動調整機能も3D対応の「おまかせドンピシャ高画質3D」にリニューアル。3D表示時には、メガネを通して映像を見るため、明るさやホワイトバランスが2D表示と大幅に異なってしまうが、3D表示時に自動で3D用の画質に切り替える。さらに256階調の16bitガンマカーブテーブルや3Dカラーマネージメントにより、忠実な色表現を実現するという。

クロストーク低減技術を搭載おまかせドンピシャ高画質3Dを搭載3Dグラス「FPT-AG01(J)」

 2D表示時の画質も向上。新たに「ハイスピードクリア4倍速」を搭載し、補間フレームの精度を大幅に向上させることで、残像感の低減と画質向上を図っている。物体の動き検出範囲を従来の約30倍に拡大する「ワイドエリア補間」により、画面を大きく横切る早い動きも正確に補間できるより、より大きな動きを持つ被写体も自然に表示できるようになった。

 フレームごとに最適な超解像処理とノイズリダクション処理を追加する「MPEG圧縮フレーム解析高画質化処理」も搭載。MPEGのIBPフレームに対し、I、B、Pフレームのすべてのフレーム情報を取得しながら、それぞれのフレームに対して、最適な超解像処理を適用する。たとえばIフレームは情報量が多く、Bフレームはややぼやけがちな画像が多いが、それぞれのフレームに合わせて、32段階の圧縮ノイズ量予測レベルを行ない、シャープネスや超解像処理、階調表現の調整を行なう。これにより、よりノイズを抑えたクリアな高画質化が図れるという。

 さらに、ZG1シリーズのみ、新たに輪郭部と周辺部のノイズをそれぞれ抽出し、ノイズ成分のみを除去処理する「インパルスノイズリダクション」も搭載。画面にサイドパネルのある4:3映像で発生することが多いドット妨害やクロスカラーを抑制する「ドット妨害・クロスカラーリダクション」もZG1シリーズのみが搭載する。

「ハイスピードクリア4倍速」を搭載MPEG圧縮フレーム解析高画質化処理などを搭載ZG1では、インパルスノイズリダクションなども搭載する

 

ゲームダイレクト2も搭載
 ゲーム対応も強化しており、Z1シリーズと同等の「ゲームダイレクト2」を搭載。入力タイミングが重要な格闘ゲームや音ゲームなどでの利用を想定した映像モードで、1080p入力時で1.2フレーム以下(実測値19.3ms。1フレームは16.7ms)という低遅延を実現する。

 ゲームダイレクト2では、720pや480i/pなど、入力したゲーム信号の解像度によらず、フル画面表示で低遅延のゲームプレイが可能。さらに、HDMI以外のD端子やS端子、PC接続時でも適用できるため、WiiなどのSD解像度のゲームプラットフォームや昔のゲームコンソールでの利用時にも遅延を抑制したゲームプレイが行なえる。さらにPSPの映像入力を画面いっぱいに表示するポータブルズームも搭載している。

 


■ 録画やネットワーク機能も充実

 地上デジタルチューナを3系統、BS/110度CSデジタルWチューナと、地上アナログチューナを搭載。地デジチューナを3基搭載したことで、2番組を同時録画しながら、裏番組の地デジ放送を視聴可能となった。なお、B-CASカードは、付属の2枚(1枚は地デジ専用の“青”カード)を装着する必要がある。

 番組表は「レグザ番組表・ファイン2」。ジャンルの色分けを3色から5色に増やして視認性を高めたほか、従来の6時間表示に加え、番組情報を確認しやすい「4時間表示」も用意。さらに録画予約した場合、番組情報のすぐ左脇に赤いバーを表示し、わかりやすく確認可能とするなどの改善を図った。

レグザ番組表・ファイン2録画予約をした番組には左脇に赤いバーを表示する連ドラ予約に対応

 

ミニ番組表
 別売のUSB HDDとLAN HDDへの録画に対応。USB HDDはハブなどを利用することで、最大4台までの同時接続が可能となり、8台のHDDを登録できる。

 ZG1シリーズでは、CMなどを自動検出し、チャプタを付与、CMスキップ再生を可能とする「マジックチャプター」を搭載。またCM前後の重複部分もカットして再生できる点も特徴となっている。ただし、マジックチャプターが動作するのは1番組の録画中に限られ、 W録中にチャプタ付与することはできない。

ZG1シリーズのチャプター一覧チャプター編集マジックチャプターの適用方法を指定

 録画リストは、ジャンルや未視聴などのカテゴリごとのソートが可能。「お父さん」などの任意のカテゴリに分けて番組管理を行なうこともできる。

録画リストカテゴリ別に「おとうさん」など分類可能未視聴番組をソート

 

ダブルウインドウに対応
 ZG1シリーズは、スカパー! HD連携にも後日のアップデートで対応予定。スカパー! HDチューナからREGZAブルーレイに録画した番組を、REGZAからネットワーク経由で再生可能とする。REGZA側でMPEG-4 AVCファイルをダイレクトに再生するため、スカパー! HDのコンテンツをより高画質に再生できるという。

 ZG1シリーズのスピーカーは、55型と47型が20mm径のソフトドームツィータと、CCAWを巻き線に使ったウーファによる2ウェイ構成。ウーファ、ツィータをそれぞれ独立駆動したマルチアンプ構成を採用している。

 F1シリーズは20mm厚のスリムフルレンジユニット×2と12mm厚のウーファによる3スピーカー構成。音響パワーイコライザーのCONEQも搭載している。

 ネットワーク機能は、アクトビラ ビデオ・フルやTSUTAYA TV、テレビ版Yahoo! JAPANに対応。一方ZG1シリーズは、ひかりTVやT'sTVにも対応し、アクトビラ/ひかりTVの3D放送も利用できる。

 DLNAにも対応しているため、パソコンやレコーダなどに記録した動画や音楽などのストリーミング再生も可能となっている。録画番組をDTCP-IPサーバーにダビングする「レグザリンクダビング」にも対応している。

 ZG1シリーズの入力端子はHDMI(1080 60/24p、InstaPort対応)×4。D5×2、S映像×1、コンポジット×4を装備。HDMIアナログ音声入力や、光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力、アナログダビング出力、映像・音声出力/モニター音声出力(固定/可変)兼用端子も装備。2系統のUSB(汎用/録画対応×各1)、Ethernet(HDD、ひかりTV兼用)も備える。

 HDMI端子はいずれもVer.1.4で、オーディオリターンチャンネル(ARC)に対応。F1シリーズの入力端子はHDMI(1080 60/24p、InstaPort対応)×4、D5×1、コンポジット×2、HDMIアナログ音声。出力は光デジタル音声とヘッドフォン出力、アナログ音声出力(ステレオミニ)を備える。USB(録画専用)とEthernetは各1系統。

 ZGシリーズの外形寸法.重量は、55ZG1が1,319×370×884mm(幅×奥行き×高さ)/33.5kg、47ZG1が1,131×338×767mm(同)/24.5kg、42ZG1が1,020×338×704mm(同)/20.5kg。消費電力、年間消費電力量は55型が244W、186kWh/年、47型が209W、172kWh/年、42型が187W、158kWh/年。

 F1シリーズの外形寸法と重量(スタンド含む)は、55F1が1,283×356×852mm(幅×奥行き×高さ)、33.5㎏。46F1が1,092×288×735mm(同)、24.5㎏。消費電力は55F1が200W、46F1が178W。年間消費電力量は、55F1が180kWh/年、46F1が160kWh/年。

ZG1シリーズのリモコンF1シリーズのリモコン

(2010年 7月 28日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]