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PTP、地デジ1週間/8ch録画する「地デジ版 SPIDER PRO」

−法人向けに4月発売。新UIで操作性向上。ダビングも


プレゼン資料で提示された地デジ版 SPIDER PRO

 PTPは、地上デジタル放送の8チャンネルを1週間分録画して蓄積できるレコーダ「地デジ用SPIDER PRO」を、法人向けに2011年4月27日より発売する。本体価格は80万円(すでに導入済みの利用者については、特別価格で提供)で、月額6万円のPROサービス利用料が必要となる。

 SPIDER PROは、企業の広報部門やPR部門における実績測定や調査、放送局における放送チェック、広告会社におけるチェックなどでの利用を想定した「全録レコーダ」。従来は地上アナログ放送のみの対応だったが、今回地デジに対応した。発売は4月27日からだが、すでに予約が多く入っており、今後のアナログからの移行や新規受注については、5月中旬以降になるという。なお、民生用の地デジ対応SPIDERも2011年12月末をめどに発売予定としている。

 外形寸法430×470×88mm(幅×奥行き×高さ)と、従来の地上アナログ用「SPIDER PRO」よりも小型化。8系統の地上デジタルチューナを搭載し、デジタル放送の8番組同時録画に対応する。B-CASカードは4枚必要となる。

 HDDは常時録画領域が約3TBでこの領域に約8ch/1週間分の録画が可能。保存領域として約400GBを用意している。録画形式はMPEG-4 AVC/H.264で、1,440×1,080ドットで記録。録画画質を調整することで、1週間以上の長時間録画も可能となる。「(アナログ版では)長時間で録画して10〜12日分録画している利用者が多い」(PTP有吉社長)とのことで、最長2週間の8chチャンネル録画に対応する。


地デジ版SPIDER PROのメインメニュー

 アナログ版からユーザーインターフェイスを一新。SPIDERは、過去約1週間の番組を、番組表データを確認しながら、辿ったり検索して再生できる点が特徴だが、新モデルでは動作の高速性や使いやすさにこだわり、UIを新設計したという。番組表の操作では、リモコンのカーソルキーの上下を押すだけで、高速にスクロールして任意の日の番組表を選べるほか、電波(RF)方式のリモコンを採用することで、SPIDER PROに向けずに操作が行なえる点も特徴。

 番組表を立ち上げ、任意の番組を選択すると、動画サムネイル付きで番組情報を表示。クリックすると番組再生を開始する。また、通常は1週間録画の期間が過ぎると番組は自動消去されるが、必要な番組は「保存」して、専用の領域に残すことも可能となっている。

 人気の番組を集める「ピックアップ」や放送中の番組を見る「オンエア」、ソーシャルサービス連携の「ソーシャル」、「検索」などの機能を装備。検索はジャンルやキーワードを設定可能で、新たにAND検索にも対応した。

番組表 検索機能 出演者名で検索。インクリメンタルサーチに対応
検索結果 AND検索にも対応する 新SPIDERでできること
【番組表のスクロール】

 なお今回は、ハードウェアは展示されていなかったが、「筐体がまだ仕上がっていないため」という。デモ自体は最終製品と同スペックの試作機で行なっているという。今後のチューニングでさらに高速になる予定としている。

 「保存」した番組はダビングも可能で、標準でSDカードへのダビングに対応する。解像度はSD(標準解像度)までとなる。そのほかにもDTCP-IP/DLNAダビングに対応するほか、パソコン用のソフトやNASへのダビングにも対応。同社が動作確認を行なったレコーダやNASなどを案内するという。

 新型のリモコンはカーソルキーを中心にした小型のもので、電波(RF)方式を採用。キーを絞り込むことで、操作をシンプルにし、カーソルキーを中心にした新しい入力方法を導入。10キー方式の文字入力に対応し、SPIDER PROのキーワード検索などに利用できる。女性デザイナーに依頼し、小型で持ちやすいデザインを実現。デザイナーの名前については非公表。

地デジ版 SPIDER PROの新RFリモコン デザインにもこだわり 十字キーを中心に操作
ダビング対応レコーダなども、同社がソリューション販売

 USB端子も8系統装備するが、現時点では利用していない。「まだ検討段階だが、BSデジタルへの対応や、USB HDDやメモリの追加など、将来的な拡張のために装備している」(籠屋健CTO)という。出力端子はHDMI×1。なお、SPIDER PRO導入時の設置はPTPのスタッフが行ない、対応レコーダやPCソフトウェアなども有料オプションとして用意している。

 また、地デジ版 SPIDER PROの発売に合わせて、利用対象地域を拡大。従来は首都圏と大阪府、京都府、兵庫県の関西エリアのみだったが、4月27からは名古屋、札幌、福岡でもサービスを開始する。

 今回の地デジ版 SPIDER PROは、法人向けとなっているが、家庭向けの展開も計画しており、2011年夏に発表、12月下旬の発売を予定している。ただし、製品の詳細などはまだ決まっておらず、PTPでハードウェアを提供する方法だけでなく、技術やサービスをパートナー企業に提供し、パートナーが販売する方法なども検討。「今後協力企業などと話を進めていきたい」としている(有吉社長)。



■ 地デジを1週間全録。操作性にもこだわり

PTP有吉社長

 15、16日に導入企業向けの説明会を開催。PTPの有吉昌康代表取締役社長は、法人向けSPIDER PROについて、「ここに集まっている皆さんを始め、400社近い皆様にご利用いただけるようになった。責任と自覚をもってサポートしていきたい」と切り出すすとともに、「皆さんから要望をいただいていた『地デジ』にようやく対応できました」とし、地デジ対応のSPIDER PROの特徴を説明した。

 有吉氏は、現在の「テレビ」について、機能が多く、リモコンも70以上のボタンがあるなど、複雑化している点を指摘。「昔はメーカーとインチを選べばテレビを買えたが、いまはそうでもない」とし、一方でiPadのような簡単に使えるIT製品が増えていることから、テレビがやさしく、PCが難しいという図式が逆転し、「PCよりもテレビが難しくなっているのではないか?」と指摘。こうした疑問から、地デジ版 SPIDER PROでは、地デジ対応とともに操作性に徹底的にこだわり、シンプルに操作できるUIを実現したという。


SPIDERを選ぶ理由

 RFリモコンは、十字キーを中心に操作。こだわったのは文字入力ができることで、携帯電話と同じ10キー方式で文字入力できる。さらに、予測変換や検索時のインクリメンタルサーチ対応などで、使い勝手を高めている。

 なお、名称は「地デジ版 SPIDER PRO」で、従来のSPIDER PROと区別しにくいが、「1年もすれば地デジ版とかいわなくなる。SPIDER PROはSPIDER PROということで、そのままにした」とのこと。

 有吉社長は、SPIDER PROの目標として、「視聴者、番組、CMのマッチングによる価値の創出」、「ネット連動による新しい価値創出」、「検証可能性の創出」の3点を挙げる。

 最初の「視聴者、番組、CMのマッチング」については、「膨大なテレビ番組があり、テレビをかなり見ている人でも、すぐに思いつくのは20番組ぐらいではないか? 多くの人はテレビの1%しか見ていない。新しい番組に出会いたくても、『知っているもの』しか録画予約はしない」とし、全チャンネルを録画しておくことで、放送後も番組にアクセスできることを強調した。

 ネット連動については、Twitterなどのソーシャルメディアやネットで話題の番組などをチェックできること、さらに、広報や宣伝、IRの立場からはテレビの紹介を機にネットでの検索が増えたり、問い合わせが増えたりした際の検証が可能な点も特徴という。

 例として、日本テレビの番組でえなりかずきがSPIDERを紹介した時の体験を説明した。PTPでも放送を把握していなかったが、SPIDERユーザーのえなり氏が、番組中に自宅のSPIDER利用例を紹介したところ、PTPの窓口には300件のメールがきて、Twitterでも言及され、Googleの急上昇キーワードでも2位になったという。

 PTPではこの時にSPIDERの情報をWebなどであまり告知していなかったため、「訴求する機会を失ってしまった」とのこと。しかし、ネット通販などでは、人気の番組内容を反映した訴求ができるほか、メーカーも製品の反応などの検証が可能となるという。

 有吉氏は、「一週間全録の唯一の製品」をアピールするとともに、実績についても、「会社ごと無くなってしまった例はあっても、これまで導入後に止めた企業は一社もない」と顧客満足度の高さをアピール。新たにデジタル放送のダビング10に対応するなど、「法やルールを遵守し、コンプライアンス上も安心」、「地デジ切り替え時もフルサポート」などの取り組みを紹介し、既存ユーザーの地デジ移行を促した。

スケジュール。コンシューマ用のSPIDERも発売予定 小寺信良氏も登壇し、地デジのコピー制御などについて説明

(2010年 12月 15日)

[ AV Watch編集部 臼田勤哉]