OVA「機動戦士ガンダムUC」第3話特別上映開始で舞台挨拶

-舞台挨拶に声優陣。「てんこ盛りの折り返し地点」


左からタクヤ役の下野紘さん、古橋一浩監督、ストーリー担当の福井晴敏さん、ダクザ役の東地宏樹さん、オードリー役の藤村歩さん、バナージ役の内山昂輝さん

 4月7日からBlu-ray(BCXA-0225/6,090円)、DVD(BCBA-3774/5,040円)の一般発売が開始されるOVA「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」第3巻。その発売に先駆け、収録されるエピソード3「ラプラスの亡霊」を全国大都市の映画館で上映するイベント上映が3月5日よりスタートした。

 東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都に加え、エピソード3は福岡、北海道でも上映。3月18日までの期間限定で実施されるもので、BD/DVD発売より一足先に気になる物語の続きを観る事ができる。


機動戦士ガンダムUC 3 BD版のパッケージ
(c)創通・サンライズ
機動戦士ガンダムUC 3 BDの初回特典として用意されている特製スリーブ
(c)創通・サンライズ

 また、期間中、上映館内ではBDの先行販売も実施。エピソード3の特製シナリオと生フィルムが付属する劇場のみの限定版で、10,000セット用意。価格は7,000円となる。なお、限定版の数はエピソード2限定版(5,000セット)から倍増された。上映初日の新宿ピカデリーでは、この限定版BDを求める長い購入の列ができていた。上映劇場などの詳細は公式サイトにて。

 さらに、3月5日からはPlayStation Storeにて、PlayStation 3、PSP(プレイステーション・ポータブル)に向けて、先行有料配信もスタートしている。価格はHD解像度が1,000円、SD解像度が700円。

 そんなイベント上映の初日となる5日、東京・新宿ピカデリーにおいて恒例の舞台挨拶が開催。古橋一浩監督、ストーリー担当の福井晴敏さん、主人公バナージ役の声優・内山昂輝さん、ヒロイン・オードリー役の藤村歩さん、ダクザ・マックール役の東地宏樹さん、タクヤ・イレイ役の下野紘さんが駆けつけた。



■エピソード3のストーリー

 時はU.C.0096。第二次ネオ・ジオン戦争終結より3年。『シャアの再来』と言われるフル・フロンタルの“シナンジュ”との交戦により、ネオ・ジオンの残党軍『袖付き』の本拠地・資源衛星パラオにユニコーンガンダムと共に拘束されたバナージ。ロンド・ベルの強襲揚陸艦ネェル・アーガマは、ユニコーンガンダムを奪還し、バナージ・リンクスを救出するため、パラオ攻略作戦を開始する。

 そんな中、リディは地球に向かおうと、密かに艦内よりオードリー・バーンを連れ出しデルタプラスで出撃する。ネェル・アーガマの放つハイパー・メガ粒子砲の奇襲により、瞬く間に戦場と化すパラオ。騒乱の中、ユニコーンガンダムで離脱するバナージだったが、そこにマリーダのクシャトリヤが再び立ち塞がる。互いの意志がすれ違う中で、ユニコーンガンダムは、NT-Dを発動させ、再び変身を遂げるのだった……。

(c)創通・サンライズ(c)創通・サンライズ(c)創通・サンライズ

 エピソード3では、資源衛星パラオを舞台に激しいモビルスーツによる戦闘が展開すると共に、物語のキーとなる「ラプラスの箱」の謎に触れる、シリーズ全体のターニングポイント的な物語となっている。


 バナージ役の内山さんは、エピソード3の見所について「毎回大人との交流の中で、時にはぶつかり合って成長するのがバナージなんですが、今回はダクザやマリーダの過去を知って、苦悩しつつ、それでも前に進んでいきます。そんなバナージを見て欲しいです」と紹介。

 ヒロインのオードリー(ミネバ)を演じる藤村さんは、「バナージとミネバ、リディの三角関係が皆さん気になるところだと思うのですが、3話ではその中でミネバの変化が感じられるシーンがあります」と注目ポイントを説明。すると、三角関係と聞いた司会の下野さんが「昼ドラみたいなドロドロ!?」と聞こうとして、勢い余って「昼ドロ!?」と発言。「昼ドロって何よ!?」と、登壇者全員に下野さんがいじられる一幕もあり、場内は笑いに包まれた。

大人と交流し、時にぶつかり合い、成長していくバナージの物語でもある
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 「ダクザは第3話で、重要な役どころだと感じています」と語るのは、ダクザ・マックール中佐を演じる東地さん。「バナージと関わる大人の1人ですが、バナージは本当に“大変だな”と思いますね。ファーストガンダムでのアムロも大変でしたが、バナージも一気に色々な事が起こっていますからね。その中で成長していくバナージが見られるのがユニコーンの面白みでもあり、そんな成長の一端を、今回担わせていただきました」という。なおい、ダクザは“実直な軍人”というイメージだが、演じる時は「高倉健さんをイメージしている」とのこと。東地さんはステージで、高倉健さんを真似て「不器用ですから」とつぶやき、場内を沸かせた。

 ストーリー担当の福井さんは「原作を読んだ多くの人が不安に思い、我々スタッフも感じている"本当に終わんのかよ”という不安(笑)。それに対する答えがエピソード3にあります。おそらく、"このペースで消化していくなら、終わるのかもしれない”と思っていただけると思います。原作を書いている時も、ちょうどここが折り返し地点だと思っていたし、そういう設計図も作っていましたが、周りの人には“これで折り返しって事は無いでしょう”と言われました。でも現実には、原作は全10巻で、そのうち5巻までは(アニメで)消化しているんです」と胸を張る。しかし「でも問題があって、残りの5巻は、全部前の5巻の1.5倍ずつの厚みがあるんです(笑)。ですので、まだまだ予断を許さない感じです」と続け、場内は爆笑。

 下野さんが「それじゃあ、今の1エピソード60分くらいが、気付いたら90分とかになっていると言う事もあるんですか?」と突っ込むと、福井さんは「何事も、ハッキリ言ってしまうと可能性ではなくなってしまう。皆が思っているからそこに存在するという形にしておいてください」と苦笑い。

(c)創通・サンライズ(c)創通・サンライズ(c)創通・サンライズ

 古橋監督は、気になるエピソード4について「これから原作のボリュームが厚くなるところで、4巻目はダカールという非常に重い部分があり、市街戦もあり、その後にトリントンで……」と気になる単語が続々。下野さんが思わず「そこまで喋って大丈夫ですか!?」と遮り、福井さんが「もう少しで横から口を塞ぐところだった」と笑うなど、どうやらエピソード4も盛りだくさんの内容になりそうだ。

 なお、下野さんが演じるタクヤ。バナージの友人という役どころだが、物語のスケールが大きくなるにつれ「バナージがどんどん遠くへ行ってしまって……」と出番が少なくなっているのが気になるところ。下野さんが意を決して、福井さんと古橋監督に「タクヤの今後の出番は……」と聞きかけたところで、「すみません、ここでお時間が……」と舞台挨拶が終了。下野さんは「ウォーリーを探せみたいに、タクヤを探せに、皆さんチャレンジしてください!!」と笑いを誘った。

 最後に内山さんは「エピード3はてんこ盛りの内容で、最後は拍手したくなるほど“燃える”んじゃないかと思います」。福井さんは「エピソード3はご覧になったら(Twitterで)つぶやかずにはいられない作品になっていると思います。ぜひ、良い事だけをつぶやいてください(笑)」とアピール。古橋監督は「4作目も頑張りますので、今少し、お時間をください」と頭をさげ、大きな拍手の中で舞台挨拶は終了した。


(2011年 3月 7日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]