東芝、32/26型フルHD+偏光3D方式の「REGZA ZP2」

-パーソナルプレミアム機。ゲーム/アニメ対応を強化


32ZP2

 東芝は、偏光メガネを使った3D視聴に対応した液晶テレビ「REGZA」のプレミアムパーソナルモデル「REGZA ZP2シリーズ」を6月上旬に発売する。32型の32ZP2と26型の26ZP2の2モデルを用意し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は26型が13万円前後、32型が15万円前後。


 

型番サイズ特徴発売日店頭予想価格
32ZP232型パーソナルプレミアム機
フルHD IPSパネル
3D(偏光方式)
レグザエンジンCEVO
ゲーム/アニメモード
USB HDD録画
6月上旬15万円前後
26ZP226型13万円前後

 小型ながらフルHD IPSパネルやレグザエンジンCEVOの高画質化機能などを搭載。さらに、パッシブ型の偏光メガネを使った3Dに対応するほか、ゲーム入力信号の徹底した低遅延化、アニメの高画質化などを強化した「プレミアムパーソナル」モデルと位置づける。


32ZP2

26ZP2


■ 偏光3Dメガネで3D。新超解像も

小型ながらフルHDパネルを採用。PCモニターとしても利用可能

 REGZA Z2シリーズにも採用された新映像処理回路「レグザエンジンCEVO」を搭載し、フルHDパネルや、3D、USB HDD録画、ネットワークなどの機能も充実させた。

 32型/26型とも液晶パネルは1,920×1,080ドットのフルHDで、IPS方式を採用。32型は120Hzの倍速駆動とバックライト制御を組み合わせた「アクティブスキャン240」に対応し、残像感を低減する。バックライトはエッジライト式のLEDで、全てのフレームを5分割でバックライト制御し、残像感を低減。レグザエンジンCEVOによる補間フレーム追加による効果を高めているという。26型は倍速駆動やLEDバックライト制御には対応しない。

 新IPSパネルを採用したことで、32型ではコントラストも高めている。パネル前面はハーフグレア(半光沢)処理を行なっている。LEDバックライト専用のカラーフィルターを開発したほか、LED光源用に新開発の蛍光体を採用。32型はHDTVの色空間(ITU-R BT709)の色再現性99%を実現する。

【訂正】
記事初出時にパネル前面処理を「グレア(光沢)」と記載しておりましたが、正しくは「ハーフグレア(半光沢)」となります。お詫びして訂正いたします。(5月23日追記)

 レグザエンジンCEVOを搭載し、CELL REGZAで培ったノウハウやソフトウェア資産を継承。超解像技術「レゾリューションプラス6」では、前2枚/後1枚のフレームを参照し、元映像の精細感を復元する複数枚超解像を行なう。

 4:2:0フォーマットのデジタル放送信号を4:4:4で信号処理し、パネルに表示できる最大値まで色情報を復元する色超解像にも対応。なお、色超解像が適用されるのはデジタル放送(4:2:0)と、DLNA経由の映像、外部入力のSD映像で、外部入力のHD信号には対応しない。

レゾリューションプラス6を搭載動画応答性能を向上色超解像も搭載。パネルも色再現性を向上
レグザシアターグラス3D「FPT-P200(J)」

 3D表示にも対応。3D放送やBlu-ray 3Dなどの映像を3Dで楽しめる。ただし、REGZA ZG1/ZG2シリーズのようなアクティブシャッターメガネを使ったフレームシーケンシャル方式ではなく、パッシブ型の偏光メガネを使った偏光方式となる。そのため、ディスプレイ解像度はフルHDだが、3D表示時の縦方向の解像度は半分になる。それにも対応するため、パネルの解像度に満たない3D映像のエッジの鮮鋭化などを行なう3D超解像技術を搭載している。

 偏光方式の3Dメガネ「レグザシアターグラス3D(FPT-P200(J)」が1個付属。解像度は低くなるものの、蛍光灯などの照明によるフリッカーが無い点、クロストークが起きないことなどが特徴。また、重量も20gと軽量で電池が不要、低価格などの利点もあり、26/32型というパーソナルユースには適していると判断したという。

3D超解像を搭載シアターグラス3Dの特徴ZG2シリーズ用のアクティブシャッターグラス(左)とZP2用のシアターグラス3D(右)

■ パーソナルなフラッグシップ。ゲームやアニメを強化

ゲームでの低遅延を徹底。3Dゲームターボを搭載

 「パーソナルプレミアム」としてゲームやアニメなどの対応を強化した点も特徴で、遅延は26ZP2で約3ms(約0.2フレーム)、32ZP2で約12ms(約0.7フレーム)まで抑制。メモリ制御技術のFIFO(First In First Out)の応用により遅延を抑えている(最上位モデルZG2シリーズは1.1フレーム/約18ms)。

 3Dでも低遅延を実現しており、26ZP2が約25ms(約1.5フレーム)、32ZP2が約38ms(約2.3フレーム)。この低遅延性能を「3Dゲーム・ターボ」と命名し、訴求している。さらに、D2/480p入力時に自己合同性型超解像処理や色超解像などの処理を行なう「SDゲームファイン」により、ジャギーを低減し、色解像度を向上する。さらに、480p入力時にオートポータブルズームにより、ポータブルゲーム機の画角を自動検出し、メニュー画面は通常のフルHDで、ゲーム時はズーム画面を表示する。

 また、HDMI接続のゲーム機でゲームプレイを行なう際に、自動的にゲームモードに切り替わる「3Dゲームダイレクト」を搭載。HDMIプログレッシブ入力やDot by Dot表示時に12bit 4:4:4キャプチャを採用し階調性やディテール表現を改善するなど、ゲーム機への対応を強化している。

 アニメの高画質化も図っており、アニメ映像独特の平坦部、輪郭部に最適化した映像処理を実行。平坦部やグラデーション部に対する再構成型超解像処理をキャンセルし、輝度、色信号の階調クリエーション効果を加えることで、輪郭線付近のモスキートノイズや平坦部のノイズを抑えることができる。また、4:3アニメについては、ベースバンド3次元COMB処理を行なうことで、ドット妨害やクロスカラー、ランダムノイズを抑制する。

 さらに、新アニメモードを搭載。アニメ映像に最適化した再構成型超解像処理を組み込んだもので、微小信号には超解像を行なわない。平坦部検出をアニメに最適化するとともに、外部入力に対して、映像の明瞭度を改善し、映像の色と色の境界をはっきりさせる処理を行ない、クリアで鮮明な画像とするという。

 自動画質調整モードの「おまかせ」モードでも、映像信号からアニメと判別し、アニメに最適化した処理を実行。また、製作時の原画解像度がフルHDに満たないと推定されるコンテンツに対し、原画解像度(1,280×720ドット、960×540ドット)を推測し、ユーザーが設定することで、適切なスケーリングや高画質化が行なわれる「原画解像度」も搭載する。

アニメ映像の高画質化原画解像度に最適化した処理も原画解像度を指定

■ W録対応や動作速度向上も

26ZP2。USB HDDDへの録画に対応する。写真は純正のUSB HDD「THD-50A2」

 地上BS/110度CSデジタルを2系統搭載。別売のUSB HDDへのデジタル放送録画にも対応し、裏番組の録画や、2番組同時録画「おでかけW録」が可能となっている。なお、地上アナログチューナは搭載しない。

 CEVOエンジンの搭載により、番組表の起動速度を高速化。Z1シリーズの約1.8秒から約0.3秒まで改善。全画面書き換え時間も同約1.5秒から0.3秒まで高速化した。また、Z2/ZG2シリーズで搭載している「おすすめサービス」も搭載。東芝製品からインターネットを介して集計したランキングデータを表示し、気になる番組を確認できる。BSや地デジのランキングや、i.NETサーバーがピックアップしたおすすめ番組を録画できる。

 CMなどを自動検出し、チャプタを付与。リモコンでCMスキップを可能にする「マジックチャプター」は、W録中の番組にもチャプタを付与できる「Wマジックチャプター」に対応。録画リストから、チャプタ一覧を表示し、任意の箇所から再生開始することもできる。

番組表チャプター一覧おすすめサービス

 REGZAブルーレイやアイ・オー・データ、バッファローなどのDTCP-IPサーバーへネットワークダビングする「レグザリンクダビング」に対応。対応の同社レコーダなどにダビングできる。HEC対応のHDMIケーブルで対応のREGZAブルーレイと接続した場合は、LANケーブルを利用せずに、HDMIケーブル一本でダビングできる。

 メニュー画面は、新感覚の3Dグラフィック「レグザメニュー」。録画リストや番組表、今すぐニュースなどの機能を簡単に呼び出せるほか、メディアプレーヤーの新機能にもここからアクセスする。

 DLNAのDMP(デジタルメディアプレーヤー)、DMR(デジタルメディアレンダラー)にも対応。DLNA対応レコーダ内の番組などをネットワーク経由で再生できるほか、DLNA対応のPCに保存した音楽データを呼び出して、レグザのスピーカーで再生することも可能。

 REGZAを操作して、DLNAサーバー(DMS)のコンテンツをREGZAから再生(DMP)できるほか、スマートフォンなどのDMC(コントローラ)から、DMS内のコンテンツをREGZA(DMR)に出力指示し、REGZAで再生できる。

レグザメニュー
リモコン

 スマートフォンやパソコンからREGZAやREGZAブルーレイの操作を可能にする「Appsコネクト」には新たに「RZ見るナビ」や、「RZ現在番組」、「RZアートリモコン」などのアプリが5月上旬より順次配布される。RZ見るナビは、REGZAブルーレイに録画した番組をスマートフォンで操作してREGZAで再生できるもの。また、RZ現在番組は現在放送中の番組表をスマートフォンに一覧表示し、番組を選んでテレビ視聴を行なえる。新Appsの詳細については別記事で紹介する。

 スピーカーは、両モデルとも2.0×8.0cm径のフルレンジユニットを4基搭載。アンプの最大出力は10W×2chとなる。音響パワーイコライジング技術「CONEQ」も搭載する。

 YouTubeに対応するほか、アクトビラやTSUTAYA TV、T's TV、ひかりTV、Yahoo! JAPANなどのテレビ向けネットワークサービスにも対応する。


レグザAppsコネクトの対応機種も強化。Windows/Mac用REGZAタグラーもアクトビラなどブロードバンド機能も

 

モデル名32ZP226ZP2
サイズ32型26型
チューナ地上デジタル×2
BS/110度CSデジタル×2
パネル1,920×1,080ドット
LEDバックライト
IPS 2倍速
1,920×1,080ドット
LEDバックライト
IPS
コントラスト比
(ダイナミックコントラスト)
1,400:1
(200万:1)
1,000:1
(200万:1)
視野角上下左右178度
スピーカー2.0×8.0cm径フルレンジ 4基
10W×2ch
入力端子HDMI×3
D5×1
コンポジット×2
HDMIアナログ音声入力×1
出力端子光デジタル音声出力×1
ヘッドフォン×1
アナログ音声出力×1
その他の端子USB、Ethernet
外消費電力未定
年間消費電力量未定
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
(スタンド含む)
77.4×27.3×54.7cm64.8×27.3×47.6cm
重量(スタンド含む)未定

(2011年 4月 20日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]