【IFA 2011】オンキヨー、プリメインのリファレンス機

-パイオニアのAirPlay対応AVアンプなど


 ドイツ・ベルリンで7日まで開催されている「IFA 2011」から、オンキヨー、パイオニア、ヤマハ、フナイのブースを紹介する。



■ オンキヨー

A-9000R

 オンキヨーは、プリメインアンプのリファレンスモデル「A-9000R」や、インターネットラジオ搭載メディアプレーヤー「T-4070」など、10月より順次欧州で発売予定の新製品を展示した。

 「A-9000R」は140W×2ch(4Ω)出力のプリメインアンプ。型番に「R」を冠したリファレンスモデルとなっている。価格は1,500~2,000ユーロを予定。

 24bit/192kHzのUSB入力を搭載。デジタル音源の“動的ノイズ”低減に着目した回路「DIDRC」(Dynamic Intermodulation Distortion Reduction Circuitry)も内蔵し、高周波帯域までの増幅性能や低歪み率などを特徴としている。なお、このモデルでは本体に「DIDRC」ロゴも冠していた。

A-9070

 そのほかの機能として、ワイドレンジアンプ技術「WRAT」を進化させた「AWRAT」(Advanced Wide Range Amplifer Technology)にも対応。18,000μFの大容量コンデンサを搭載する。デジタル入力は光×1、同軸×2に加えAES/EBUも備える。

 型番に“R”の無いモデル「A-9070」も発売。アンプ出力や、DIDRC回路を搭載している点は「A-9000R」と同じだが、コンデンサ容量が15,000μFとなっているほか、デジタル入力は光×1、同軸×2のみになっているといった違いがある。筐体構造や天板デザインなども異なる。価格は1,000ユーロ前後。

 同社が“ネットワークチューナー”と位置付けている「T-4070」は、DLNAなどネットワークメディアプレーヤーとしての機能を備え、特に欧州で盛んなインターネットラジオ機能を充実させたことが特徴。音楽ストリーミングサービス「AUPEO!」などに対応するほか、FM/AMや、デジタルラジオ「DAB+」のチューナも装備。iPhone/iPodデジタル入力も備える。また、「DIDRC」回路も内蔵。2011年内の発売予定で、価格は1,000ユーロ以下の見込み。

A-9000Rの主な仕様T-4070


上段からA-9070、T-4070、C-7000R

 これらの製品との組み合わせを想定したプレーヤーとしては、同じくDIDRC技術を採用している既発売CDプレーヤー「C-7000R」を展示。また、スピーカーは米ZuAudioのハイエンドモデル「OMEN」(約1,050ユーロ)を使用してデモ再生を行なっていた。

 iPodスピーカーでは、「iOnly」という新製品を発表。「iOnlyPLAY」(ABX-100)は、iPhone/iPodデジタル入力対応のクレードルを備えたスピーカーで、Dockコネクタ部をカバーするスライド式のアルミプレートなどを装備。「iOnlyBASS」(SBX-200)は、ハンドルの付いたデザインで、クレードルにはiPadの装着/充電も可能。音質面では低音を強化したことが特徴となっている。価格はいずれも約200ユーロで、「iOnlyPLAY」は10月、「iOnlyBASS」は年内の発売を予定。


「iOnlyPLAY」(ABX-100)「iOnlyBASS」(SBX-200)iOnlyBASSはiPadも装着可能


■ パイオニア

VSX-1021

 パイオニアは、AirPlay/DLNA対応AVアンプや、日本でも7日に発表されたダンサー向けブランド「STEEZ」(スティーズ)のヘッドフォン/オーディオプレーヤーなどを出展した。

 「VSX-1021」と「VSX-921」は、アップルのAirPlayに対応し、iPhone/iPadなどの音声をネットワーク経由で再生できる7.1ch AVアンプ。価格はVSX-921が699ユーロ。VSX-921が499ユーロで、欧州では6月より発売されている。

 アンプ出力はいずれも150W×7ch(6Ω)。AirPlayだけでなくDLNA経由での音楽再生や、インターネットラジオにも対応。iPod/iPhoneデジタル入力対応のUSBも備える。HDMI入力の数はVSX-1021が6系統、VSX-921が4系統。そのほか、両機種の違いはラジオのプリセット局数など。

VSX-1021の背面VSX-921AirPlayに対応
ポータブルスピーカーの「STEEZ TYPE-S」(手前)と「STEEZ TYPE-T」(奥)

 STEEZブランドの製品では、メモリ内の音楽再生が可能なポータブルスピーカーの「STEEZ TYPE-S」(STZ-D10S-L)や「STEEZ TYPE-T」(STZ-D10T-G)、「STEEZ TYPE-Z」(STZ-D10Z-R)、小型オーディオプレーヤーの「STEEZ PORTABLE」(NSP-C10P-K)、ヘッドフォン「STEEZ HEADPHONES」(SE-D10M-W)などを展示していた。なお、各製品の詳細は、日本での発表記事で紹介している。


大型スピーカー採用の「STEEZ TYPE-Z」オーディオプレーヤーの「STEEZ PORTABLE」とヘッドフォン「STEEZ HEADPHONES」同社ブースでは、レーザー採用の車載用ヘッドアップディスプレイ(HUD)をデモ展示。運転時に、前方の風景に重ねる形で映像を表示できるもので、カーナビ映像などでの採用を見込んでいる。


■ ヤマハ

AVENTAGEのコーナー

 ヤマハは、日本でも発表された新AVアンプシリーズ「AVENTAGE」や、iPod/iPhoneドックやCD/USB再生、ラジオに対応したオーディオシステム「Restio」などの新製品を出展。

 AVENTAGEのコーナーでは、9.2chアンプで11.2chまで拡張できる「RX-A3010」など、新シリーズを一挙に出展。本体内部構造が見える展示も行なっており、来場者の関心を集めていた。

9.2chアンプ「RX-A3010」「RX-A3010」などの内部構造が見える展示も


Restio

 ユニークなデザインのオーディオ製品も展示。一体型オーディオの「Restio」(ISX-800)は、iPhone/iPodドックとCD/USB再生、FMラジオ、2ウェイスピーカーを搭載。外形寸法は410×295×997mm(幅×奥行き×高さ)の薄型筐体を採用しており、スタンドで壁寄せ設置が可能となっている。カラーはブラック、ホワイト、グリーン、バイオレットの4色。

 同じくiPodドックを備えた製品では、アクティブスピーカーの「PDX-13」と「PDX-11」を展示。天面のドックにiPhone/iPodを装着して再生できる。「PDX-13」はアラームクロックも備えたモデル。「PDX-11」はAC電源のほか、電池駆動も可能なアウトドア向けとなっている。

Restioの天面。iPodドックやスロットインのCDを備えるPDX-13PDX-11


■ 船井電機

「KATANA LED」テレビの展示

 船井電機は、海外で展開しているテレビ「KATANA LED」などの製品を展示している。「KATANA LED」というブランドは、海外で日本を象徴するイメージの一つである「刀」を冠し、日本メーカーとしての技術力や信頼性などを訴求するため、今回の新モデルから採用したもの。テレビは22/26/32型を用意し、40型の投入も検討している。

 3Dテレビの展示としては、フレームシーケンシャル方式と、偏光方式のそれぞれに対応した試作機を用意。市場を見て、製品の投入を検討していくという。

 また、日本ではアイ・オー・データ機器が販売している船井電機製の7型Android端末「alimo」を展示。DLNAプレーヤーや、Skypeアプリなどの独自アプリを用意しており、幅広い年齢層の人々にとって使いやすいインターフェイスを追求していることが特徴。

 そのほかの展示では、YouTubeやPicasaなどの映像をテレビに出力でき、1080pアップコンバートにも対応した小型のネットワークメディアプレーヤーや、薄型筐体の3D対応Blu-ray Discプレーヤー、無線LANを使ったワイヤレスBDサラウンドシステムなどを紹介していた。

KATANA LEDの40型コンセプトモデルも参考展示。最薄部は26mm3Dテレビ試作機を展示しているシアターコーナー
7型Android端末「alimo」DLNAなどの体験展示Skypeアプリ使用時にテレビへ出力する場合は専用のインターフェイスに切り替わる
小型ネットワークプレーヤーのデモ薄型/3D対応のBDプレーヤー


(2011年 9月 7日)

[AV Watch編集部 中林暁]