ソニー、フルHD 3D動画を撮影できるデジタル録画双眼鏡

-AF/可変ズーム/アクティブ手ブレ補正搭載。実売13万円


DEV-3

 ソニーは、3DのフルHD動画撮影も可能なデジタル双眼鏡「DEV-3」を11月11日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は13万円前後。

 0.8倍~10倍(2D表示時)のズームが可能な双眼鏡で、見ている対象物をフルHD動画として撮影できることが特徴。2基のCMOSセンサーを備え、3D動画撮影も可能となっている。主なターゲットとしては、バードウォッチングやアウトドアなど従来の双眼鏡ユーザーに加え、スポーツ、競馬観戦といった利用も想定している。最大3,072×2,304ドットのJPEG静止画撮影も可能。ただし、動画撮影中の静止画同時記録には対応しない。また、本体は防滴仕様ではない。

 同社の調査では、双眼鏡ユーザーの同時撮影機として、少なくとも1台は、デジタルカメラやビデオカメラ、フィルムカメラといった撮影機材を持っているとの回答があったことに着目。この製品で、対象物から目を離すことなく撮影が行なえることを訴求する。「被写体を観る文化/撮る文化を融合し、デジタル化で新たな領域を切り拓く」としている。

デジタルズームも可能なハイエンドモデルのDEV-5K
 DEV-3のほかに、セキュリティ分野などの業務向けを想定したハイエンドモデル「DEV-5K」も11月1日に発売。10倍ズームに加えデジタルズームも備えたことで最大20倍の表示に対応。さらに、GPSも搭載していることがDEV-3との大きな違いとなっている。DEV-5Kの価格は21万円。業務用としての販売を予定しているが、量販店など一般販売についても検討しているという。

 なお、この製品の“10倍ズーム”はビデオカメラなどとは異なる「双眼鏡倍率」の数値で、これはファインダーで見たときの被写体の大きさが、肉眼で見たときよりどれだけ大きい(何倍)かを示している。35mmフィルム換算の焦点距離では、動画は2Dが53.7~660mm、3Dが34.4~344mm、静止画が16:9時で29.8~660mm、4:3で27.4~606mm。2D時の0.8倍~10倍という数値は、“肉眼~光学双眼鏡レベル”としている。3D時は0.5倍~5.4倍で、2D/3Dともに可変ズームに対応。

 コントラスト検出式のオートフォーカスを備えており、視点を引いた状態で対象物を見つけてから、スムーズにズームできることも特徴となっている。なお、マニュアルフォーカスも行なえる。視野角は35.6度(16:9時)。


DEV-3の対物レンズ側(左)と接眼レンズ側(右)2つのレンズとCMOSセンサーを搭載表面は梨地仕上げ。シボ加工のグリップでホールド性も高い

 動画記録は1,920×1,080ドットのAVCHD Ver.2.0に対応し、3D(60i)または2D(60p/60i)で記録可能。2D記録時は1,440×1,080ドット/60iにも対応する。ビットレートは最高画質の「PS」で約28Mbps、長時間記録の「LP」で約5Mbps。映像処理エンジン「BIONZ」を2基搭載。さらに、縦/横/回転方向の手ブレを補正する「アクティブモード手ブレ補正」も備える。本体でファイルの分割や削除といった簡易編集も可能。

 撮像素子は1/4型、420万画素の裏面照射型「Exmor R」CMOSセンサーを、左右に各1基搭載。カラーフィルターはクリアビッド配列で、静止画時最大710万画素相当で記録できる。記録メディアはSD/SDHC/SDXCカードまたはメモリースティック。60pの「PSモード」(28Mbps)では32GBのカードに約2時間30分記録できる。なお、本体にフラッシュメモリは内蔵しない。

 対物レンズにはGレンズを使用。F値はF1.8~3.4。接眼レンズ側には有効122.7万画素のEVFを採用し、メニュー表示はEVF内で行なう。EVFの視野率は95%以上。レンズは左右の目幅の調整(55~75mm)に加え、左右個別の視度調整(-3.5~+3.5)も可能となっている。

接眼レンズ部にEVFを搭載。レンズ下の中央にあるボタンでAF/MFを切り替えられる指を置いているリング部で視度調整が可能。中央のリングで目幅を調整できる天面。動画と静止画の撮影ボタンは個別に設けている。2D/3Dもワンボタンで切り替え可能

 本体前方に「ドルビーデジタルステレオクリエーター」方式のマイクを内蔵。音声はドルビーデジタル 2chで記録する。録音レベルは2段階で調整可能。風切りノイズの低減機能も装備する。ステレオミニのマイク入力も搭載。

 HDMIミニ出力を備え、テレビなどに3D/2Dで映像を表示することも可能。S映像/コンポジット兼用とアナログ音声のAV出力も備える。ステレオミニのヘッドフォン出力や、スピーカーも装備する。天面にコールドシューを備えるほか、底面に三脚穴を装備する。USB 2.0も搭載。

 連続撮影時間は、同梱バッテリ「NP-FV70」使用時で2Dが約3時間、モニタリング時は約4時間50分。3Dでは撮影が約2時間40分、モニタリング時は約4時間20分となる。バッテリ充電時間は約3時間15分。バッテリ装着時の外形寸法は約155×219×88mm(幅×奥行き×高さ)、撮影時総重量は約1,230g(「NP-FV70」使用時)。

 付属ソフトとして、3D/60pディスク作成も可能な「Picture Motion Browser」(PMB)を同梱する。DEV-3には、キャリングケースやストラップ、大型アイカップ、AVケーブルも付属する。

前方、レンズの上の部分にステレオマイクを装備横から見たところ端子部。HDMI出力などを備える


(2011年 9月 30日)

[AV Watch編集部 中林暁]