エプソン、5万円台のプロジェクタで低価格市場を狙う
-ゲーム/シアター向け。iOSアプリや文教新製品も
EH-TW400 |
エプソンは、プロジェクタのエントリーモデルとして、実売5万円台のWXGAモデル「EH-TW400」を2012年2月2日より発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は59,980円。
また、ビジネスプロジェクタ「オフィリオ」は、設置自由度を高め文教ルートを中心に展開する6モデルを発表。電子黒板に対応する「EB-485WT」など4モデルと、超単焦点モデル「EB-435W」など2モデルを12月21日より順次発売する。
■ 低価格市場を狙う戦略モデル「EH-TW400」
EH-TW400 |
0.59型/1,280×800ドットパネルを採用した液晶プロジェクタ。コントラストは3,000:1、輝度は2,600ルーメン。HDMI入力を1系統装備し、最高1080pの映像入力に対応。実売5万円台と低価格ながら、HD解像度で明るく、気軽に家庭内で利用できる点を訴求していく。
レンズは光学1.2倍ズーム(F1.6~1.7)で、100インチ時の投写距離は281cm~338cm。スライド式のヨコ台形補正機能「ピタッと補正機能」を搭載し、スクリーンに対して斜め横からの投射も可能としている。シアター、ゲームなどの4つのモードを用意している
ランプは200WのE-TORL。入力端子はHDMIのほか、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1、S映像×1、コンポジット×1、アナログ音声(RCA)×1を装備。USB端子も装備し、PCと接続してUSBディスプレイとして利用できる。2Wのスピーカーも内蔵。外形寸法は295×228×77mm(幅×奥行×高さ)、重量は約2.3kg。
会場のデモではXbox 360とKinectを利用したゴルフゲームの体験プレイを実施。家庭内に大画面がある楽しさを訴求していくという。1年間の販売目標台数は15,000台。
Xbox 360+Kinectでプロジェクタの魅力をアピール | 背面 | リモコン |
エプソン販売 取締役 販売推進本部長の中野修義氏は、「低価格プロジェクタの市場を調べると、ほとんどがビジネスプロジェクタとして販売されているが、実際は1~2割はホーム用で使っている。WXGAで低価格でも十分にホームシアター利用できる。WXGA+HDMIのモデルを市場投することで、ホームシアターのローエンドマーケットを一気に拡大する。また、エプソンのプロジェクタで最も低価格になるので、当然ビジネスにも攻めていく。現在18万台/年のプロジェクタマーケットを、20万、30万台と引き上げていきたい」とした。
低価格機で、ホーム、ビジネスの両市場拡大を狙う |
■ オフィリオ用のiPhone/iPod touch/iPadアプリ
オフィリオ用のiPhone/iPod touch/iPadアプリ「Epson iProjection」を2012年1月5日より無償で提供開始する。対応OSはiOS 4.2以降。Androidへの対応については「提供するかどうかも含め検討中」としている。
Epson iProjection | 利用イメージ |
iPhoneやiPad内のプレゼンテーション資料や写真などを無線LAN経由でオフィリオプロジェクタに転送できるアプリ。LAN対応の同社の約30のプロジェクタで利用可能で、Word/Excel/PowerPointなどのOffice文書やPDF、JPEG/PNG画像などをiOS端末からプロジェクタに直接出力できる。
また、プロジェクタのソース(入力)切り替えやAVミュート、音量調節などの操作も可能となっている。
■ 文教ルート用オフィリオは壁掛けや超単焦点など6モデル
壁掛け対応モデルは電子黒板対応の「EB-485WT」など4機種をラインナップ。2012年2月14日より順次発売する。超単焦点モデルの「EB-435W」、「EB-430」は12月21日より発売する。
型番 | タイプ | 電子黒板 | 解像度 | 発売日 | 店頭予想価格 |
EB-485WT | 壁掛け対応 | ○ | 1,280×800 | 2012年 3月14日 | 209,800円 |
EB-480T | 1,024×768 | 199,980円 | |||
EB-485W | - | 1,280×800 | 2012年 2月24日 | 169,980円 | |
EB-480 | 1,024×768 | 159,980円 | |||
EB-435W | 超単焦点 | - | 1,280×800 | 12月21日 | 159,980円 |
EB-430 | 1,024×768 | 149,980円 |
EB-485WT |
壁掛け対応モデルのうち、EB-485WT/480Tは電子黒板に標準で対応。電子ペンをマウスとして使うことで、投写画面上でPC操作が行なえる。また、従来モデルと比較して約20%小型化したほか、短焦点化も図っており、EB-485WT/485Wは最短18.7cmから、EB-480T/480は22.2mmから80型の投写が行なえる。
これにより、先生が画面に映り込んだり、先生の目に光が入る、といった問題を解消できたという。また、壁掛け設置だけでなく、デスクトップ投写やテーブル投写などの柔軟な設置性をアピールしていく。輝度はEB-485WT/485Wが3,100ルーメン、EB-480T/480が3,000ルーメン。
EB-485WT | 利用イメージ |
超単焦点モデルは、1,280×800ドットのEB-435Wと1,024×768ドットのEB-430を用意。EB-435Wでは、83cmの距離で80型の投写が行なえる。台形歪み補正機能の「ピタッと補正」も搭載する。明るさは、従来機種の2,000ルーメンから3,000ルーメンに向上。スピーカーの出力も従来の10Wから16Wに向上するなど教室や会議室向け利用のための改善を盛り込んだ。また、HDMI端子も新たに搭載した。
EB-435W | テーブル投写の例 |
エプソン販売 販売推進本部長の中野氏 |
エプソン販売 取締役 販売推進本部長の中野修義氏は、文教市場の今後と同社のプロジェクタ戦略について説明。2011年5月の文科省「教材整備指針」でプロジェクタや電子黒板の普通教室への設置が明記されたことから、この市場の拡大を予想。現時点では、46万の普通教室のうち、普及は16万台。「30万の未導入マーケットがあり、リプレース需要も含めるとまだまだ増える。電子黒板市場も現在6万台だが、これが40万まで増える」と文教向けプロジェクタの市場拡大に向け、対応を強化する。
壁掛け設置だと教室の壁補強が必要となることなどから、専用台を使った投写や、デスクトップ設置、テーブル投写などに対応。「設置の自由度を確保した」とする。文教市場向け同社プロジェクタの2012年の販売目標は2万台で、そのうち今回の発表製品で約5,000台を見込む。30万台以上の未導入マーケットに対してやや少なめにも感じる目標だが、「まだ自治体の予算で実際にどう反映されるかはわからない。いまのところ、通常の予算の範囲内での想定としている」という。
(2011年 12月 14日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]