ソニー、ネット+画質強化した「BRAVIA HX850/750」
-ネットサービスは「SEN」に集約。Wチューナ搭載
KDL-55HX850+SU-B553S |
ソニーは、画質やネットワーク機能を強化した液晶テレビ「BRAVIA」の上位機「HX850シリーズ」と「HX750シリーズ」を4月20日より順次発売する。価格はオープンプライス。
オプティコントラストパネルやX-RealityPROを採用した「HX850シリーズ」は、55型「KDL-55HX850」と、46型「KDL-46HX850」、40型「KDL-40HX850」の3モデルを用意し、5月25日より発売。価格は16万~30万円前後。
4倍速パネルや3D対応の「HX750シリーズ」は、55型「KDL-55HX750」と、46型「KDL-46HX750」、40型「KDL-40HX750」、32型「KDL-32HX750」の4モデルを用意し、4月20日より順次発売。店頭予想価格は10万~27万円前後。
型番 | サイズ | 特徴 | 発売日 | 店頭予想価格 |
KDL-55HX850 | 55型 | X-RealityPRO モノリシックデザイン オプティコントラストパネル | 5月25日 | 30万円前後 |
KDL-46HX850 | 46型 | 23万円前後 | ||
KDL-40HX850 | 40型 | 16万円前後 | ||
KDL-55HX750 | 55型 | X-Reality モノリシックデザイン | 4月20日 | 27万円前後 |
KDL-46HX750 | 46型 | 5月25日 | 20万円前後 | |
KDL-40HX750 | 40型 | 13万円前後 | ||
KDL-32HX750 | 32型 | 10万円前後 |
HX850シリーズ | HX750シリーズ | KDL-55HX750 |
KDL-55HX850+SU-B553S | KDL-55HX850 | KDL-55HX750 |
HX850シリーズは映像エンジン「X-Reality PRO」を搭載し、画質を強化した上位モデル。HX850/750ともにフルHD/4倍速パネルを搭載し、バックライトはエッジ型LED。新開発のインパルスモードにより動画ボケを抑制できる。ネットワーク機能も強化し、ネット関連機能を「Sony Entertainment Network」に一新。HuluやYouTube、Video Unlimitedなどのネット動画コンテンツのほか、Twitter、Facebook、Skype、ニコニコ実況などのコミュニケーション、ベルーナ、イオンなどのショッピング、Petamapやあすけんなどの情報検索など、多くのサービス対応を図った。
なお、2011年発売の直下型LEDバックライト採用最上位シリーズ「HX920」は、65型の「KDL-65HX920」のみ継続で販売する。BRAVIA全体でも2011年の12シリーズ39モデルから、8シリーズ17モデルまでラインナップを絞る。
KDL-55HX850 | KDL-46HX850 | KDL-40HX850 |
KDL-55HX750 | KDL-40HX750 | KDL-32HX750 |
■ 画質を強化。4倍速+インパルスモードも
インパルスモードを搭載 |
HX850/750シリーズのいずれも1,920×1,080ドットのフルHD/4倍速パネルを採用。240Hz駆動に加え、LEDバックライト制御により、ホールド時間を短縮し、残像感を低減する。HX850ではLED部分駆動技術を組み合わせた「モーションフローXR960」、HX750も8倍速相当の「モーションフロー XR480」を謳う。
モーションフローでは、スムーズ、標準、クリア、クリアプラスの従来からある4つの残像低減モードに加え、元映像を補完して生成する合計4コマの映像のうち、3コマはLEDを消灯し、1コマだけを表示する「インパルスモード」を搭載。輝度は落ちるが、より残像の少ない映像を楽しめる。なおこのインパルスモードは、ゲーム、シネマなどの「シーンセレクト」には該当せず、ユーザーが明示的に指定して利用する必要がある。
HX850シリーズはオプティコントラストパネルを採用 |
HX850は、液晶パネル前面にクリアなガラスを配し、ガラスとグレア加工のパネル部の間に特殊な樹脂を充填した「オプティコントラストパネル」を採用。映り込みを抑える。HX750はクリアブラックパネル。
新映像エンジンは、HX850が「X-Reality PRO」を搭載。データベース型複数枚超解像技術による高画質化が特徴だが、新たにデータベースを生かした「3D超解像」にも対応。3D映像もさらにくっきり楽しめるようになった。また、映像中の人物の顔を認識して、超解像処理を調整する「美肌コントロール」も搭載。この顔検出技術には同社のデジタルカメラ等の技術を応用しているという。
モーションフローにインパルスモードを追加 | X-RealityPROの効果を比較 |
データベース型超解像に対応。新たに3D超解像 |
3D超解像に対応 |
3Dに対応しているが、メガネは別売。チタンフレームの軽量/新デザインの3Dメガネ「TDG-BR750」を5月25日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は8,000円前後。USB充電に対応し、約15時間の使用が可能。約40分で満充電となるほか、5分間の充電で3時間利用できる「クイック充電」にも対応する。従来モデルの「TDG-BR250」も併売する。
なお。3Dメガネについては、アクティブシャッター方式の標準規格「フルHD 3Dグラス・イニシアチブ」が策定されているが、BRAVIA HX850/750シリーズでは対応せず、ソニー独自方式となる。新メガネのTDG-BR750もソニーBRAVIAのみで利用可能。
TDG-BR750 | TDG-BR250も併売する |
顔認識も搭載 |
パネルとバックライトを高精度に制御し、消費電力を約15%程度カットする「ECOパネル制御」を新搭載。なお、従来モデルで搭載していた、「インテリジェント人感センサー」は省略した。
スピーカーはHX850が10W×2ch+10W、HX750が10W×2ch。また、新デザインのサウンドバースタンドとして55型用「SU-B553S」、46型用「SU-B463S」、40型用「SU-B403S」も5月25日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は55型が2万円前後、46型が18,000円前後、40型が15,000円前後。
新サウンドバースタンドではテレビ側から電源を供給するため、スピーカー用の電源は不要となった。出力は20W。
SU-B553S |
■ ネットワーク機能は「SEN」に集約。Wチューナ+録画対応
チューナは、地上/BS/110度CSデジタルダブルチューナを搭載。別売のUSB HDDへのデジタル放送録画機能も備えており、番組視聴中の裏番組録画も可能となった。
ネットワーク機能も強化し、EthernetのほかIEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LANを搭載。Wi-Fiダイレクトモードに対応する。DLNA/DTCP-IPクライアント機能の「ソニールームリンク」も利用できる。
また、これまでネット動画系の「ブラビアネットチャンネル」、ウィジェットを使った「アプリキャスト」などのネットワークサービスを提供していたが、これらを「Sony Entertainment Network(SEN)」に統合する。
SENポータル |
テレビドガッチ |
HuluやYouTube、Video Unlimitedなどのネット動画コンテンツのほか、Twitter、Facebook、Skype、ニコニコ実況などのコミュニケーション、ソニーの写真共有サービスPlayMemories Online、ベルーナ、イオンなどのショッピング、Petamapやあすけんなどの情報検索などのサービスに対応。合計170種類のサービスをラインナップする。ベルーナやイオン、近畿日本ツーリストなどのショッピングチャンネルの強化も特徴。
動画関連ではYouTube Leanbackに新たに対応。YouTube Leanbackは、スマートフォンなどのYouTube Remote Appを利用して、YouTube内の動画を検索でき、選んだ動画をテレビに出力することが可能になる。 視聴中のテレビ番組やネットコンテンツのタイトルをTwitterなどでシェアできる「SNSシェア」にも対応した。
日経新聞 | イオン | 近畿日本ツーリスト |
YouTube Leanbackでスマートフォン動画をBRAVIAに出力 | SNSシェア |
なお、SENはこれまでも、Video Unlimitedなどのソニーのネットワークサービスやアカウントの名称として使われていた。SENのアカウントを使うサービスは、ソニー系のVideo Unlimitedなどの一部のサービスのみ。YouTubeやHulu、各ショッピングチャンネルなどは、各サービスのアカウント情報を利用する。
Android/iOSアプリの「Media Remote」により、文字入力も可能。新BRAVIA発売にあわせてアプリをバージョンアップし、ブラウザのポイント操作が行なえる「フリーカーソル」機能や、Webページの情報をスマホ/タブレットからBRAVIAに送って表示したり、BRAVIAの表示ページをスマホ/タブレットで共有する「URLキャッチ&スロー」機能を追加する。
今回「SEN」の名称のもと、SENアカウントを使わないサービスも集約したことについて、ソニーでは、「ネットワーク機能の入り口として『SENポータル』という名前で区別する」と説明。リモコンのSENボタンを押すことで、全ネットサービスを一覧でき、よく使うアプリを「お気に入り」登録することで、次回からは簡単にアクセスできるとする。
スマートフォン用アプリ「Media Remote」による操作や、VAIOとBRAVIAを無線LAN接続して、VAIOを簡易コントローラとして利用できる「Remote Keyboard」にも対応。HDMIは4系統装備し、ブラビアリンクに対応。D5入力×1、コンポジット×1、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1などを装備する。FeliCaポート搭載で無線接続のリモコン「おき楽リモコン」が付属する。
【HX850シリーズ】
型番 | KDL-55HX850 | KDL-46HX850 | KDL-40HX850 |
サイズ | 55型 | 46型 | 40型 |
パネル解像度 | 1,920×1,080ドット | ||
倍速機能 (パネル) | モーションフローXR960 (4倍速) | ||
3D | ○(メガネ別売) | ||
チューナ | 地上/BS/110度CSデジタル×2 | ||
スピーカー 出力 | 10W×2ch+10W | ||
サラウンド | S-Forceフロントサラウンド3D | ||
入出力端子 | HDMI入力×4、D5入力×1、コンポジット入力×1、 アナログ音声入力×2、アナログRGB入力(D-Sub15ピン)×1、 光デジタル音声出力×1、Ethernet、USB×2、 ヘッドフォン出力×1 | ||
消費電力 (待機時) | 152W (0.15W) | 124W (0.15W) | 119W (0.15W) |
年間消費 電力量 | 136kWh/年 | 119kWh/年 | 117kWh/年 |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 127.4×34.1 ×80.8cm | 107.7×26.8 ×69.7cm | 94.4×26.8 ×62.3cm |
重量 (スタンド含む) | 26.2kg | 20.3kg | 17.4kg |
【HX750シリーズ】
型番 | KDL-55HX750 | KDL-46HX750 | KDL-40HX750 | KDL-32HX750 |
サイズ | 55型 | 46型 | 40型 | 32型 |
パネル解像度 | 1,920×1,080ドット | |||
倍速機能 (パネル) | モーションフローXR480 (4倍速) | |||
3D | ○(メガネ別売) | |||
チューナ | 地上/BS/110度CSデジタル×2 | |||
スピーカー 出力 | 10W×2ch | |||
サラウンド | S-Forceフロントサラウンド3D | |||
入出力端子 | HDMI入力×4、D5入力×1、コンポジット入力×1、 アナログ音声入力×2、アナログRGB入力(D-Sub15ピン)×1、 光デジタル音声出力×1、Ethernet、USB×2、 ヘッドフォン出力×1 | |||
消費電力 | 146W (0.15W) | 137W (0.15W) | 113W (0.15W) | 87W (0.15W) |
年間消費 電力量 | 132kWh/年 | 130kWh/年 | 109kWh/年 | 85kWh/年 |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 127.1×31.2 ×79.8cm | 107.6×25.2 ×68.7cm | 94.3×23.2 ×61.3cm | 75.6×22.0 ×50.8cm |
重量 (スタンド含む) | 23.6kg | 17.6kg | 14.3kg | 10.2kg |
(2012年 3月 23日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]