パナソニック、有機EL事業は他社との協業へ
パナソニックは11日、2012年度の事業方針について説明した。そのなかで、パナソニックの大坪文雄社長は有機ELテレビ事業について、「有機EL事業を、すべて自前でやっていく可能性は低い。ベストパートナーと組んでやっていくことになる」などとして、パネルを外部調達する姿勢であることを明らかにした。
大坪社長は、「2009年度までは、自社のテレビを何台売るかということを考えてきたが、昨年度からはセットとパネルを分けて考えるようにしている。有機ELはテレビでやるのか、パネルでやるのか、またBtoBを含めてどうするのか、さらに曲面形状での利用も可能になり、その点でも期待できる。そのなかで、パネルとしての用途提案をいかに開拓できるかが、事業のポイントとなる。有機ELを事業化する上で、プラズマや液晶で経験した大きな経験を生かしていくということを考えると、すべて自前でやる可能性は低い。ベストパートナーと組む一方、我々はニーズ開拓、技術開発を進めていく」などとした。
2006年度に意思決定したプラズマパネル工場への投資、2008年に決定した液晶パネル工場の買収などが、今回の過去最大の赤字につながっていることを踏まえ、次世代の有機ELテレビでの取り組みでは大きな方向転換を図る格好だ。
なお、2011年度通期決算発表と、2012年度の事業方針については、別記事でレポートする。
(2012年 5月 11日)
[ Reported by 大河原 克行]