ソニー、効率的なテレビ視聴を目指した新BDレコーダ

「もくじでジャンプ」。Tabletに無線で番組ダビング


BDZ-EX3000

 ソニーは、番組の任意のコーナーを即座に頭だしする機能や、Xperia/Sony Tabletへのワイヤレス番組転送対応モデルなど、新Blu-ray Discレコーダ7モデルを10月13日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は6万円~30万円前後。

 BDZ-EX3000/ET2000/ET1000の上位3モデルはデジタル3チューナを搭載。BDZ-EW2000/EW1000/EW500はダブルチューナ、BDZ-E500はシングルチューナモデルとなる。おまかせ・まる録や外付けUSB HDD、LANダビングなど全モデルで対応するほか、新たに番組中の任意のコーナーを即座に頭だしできる「もくじでジャンプ」やDLNA/DTCP-IPサーバー機能「ソニールームリンク」に全モデルが対応(一部後日アップデートで対応)する。

 また、E500以外の6モデルは、Xperia TabletやSony Tabletに録画番組をワイヤレスで転送できる「ワイヤレスおでかけ転送」に対応した。エントリー機の「BDZ-E500」はブラック(B)とホワイト(W)の2色を用意する。


型番HDDチューナ画質ワイヤレス
おでかけ転送
店頭予想
価格
BDZ-EX30003TB3CREAS Pro
4Kアプコン
30万円
BDZ-ET20002TBCREAS 413万円
BDZ-ET10001TB11万円
BDZ-EW20002TB2-105,000円
BDZ-EW10001TB85,000円
BDZ-EW500500GB7万円
BDZ-E5001-6万円
BDZ-ET2000BDZ-EW2000BDZ-E500(W)

 新BDレコーダでは、「見たいものをたっぷり録画」、「見たいところをスグ見られる」の2つの軸で強化を図った。自動録画機能の「おまかせ・まる録」はUSB HDD対応などを強化したほか、「もくじでジャンプ」対応により、見たい番組、見たいところがすぐに見られるように強化した。

 また、スマートフォンやタブレット連携も強化し、全モデルでソニールームリンクに対応するほか、ワイヤレスお出かけ転送や、スマートフォンからの録画予約やコントロールなど機能強化を図っている。

BDZ-EX3000BDZ-ET2000BDZ-ET1000
BDZ-EW2000BDZ-EW1000BDZ-EW500
BDZ-E500(B)BDZ-E500(W)

■ 録画機能はUSB HDD対応を強化

 EX3000とET2000/ET1000の3機種は、地上/BS/110度CSデジタルチューナを3基搭載。3番組の同時録画ができるほか、AVCでの長時間録画(最長11倍)も3番組同時で行なえる。EW2000/EW1000/EW500はダブルチューナ、E500はシングルチューナモデルとなる。

おまかせ録画設定

 複数番組の長時間録画中でもマルチタスク性能を維持。BDへの高速ダビング、3D BDや2D BDソフトの再生、録画番組へのチャプタ自動作成、おでかけ転送用ファイル同時作成、追いかけ再生や早見再生なども行なえる。なお、予約番組数は130番組/1カ月。スカパー! HD録画、CATVチューナーからのLAN経由のムーブにも対応する。

 ユーザーの好みを学習しながら自動録画する「おまかせ・まる録」も搭載しており、同じ番組を重複して録画しないようにする「二度録り回避」や、「曖昧ワード検索」、フォルダ分類する「おまかせフォルダ作成」などに対応する。

 また、全モデルでUSB HDDを増設可能。一度に接続できるHDDは1台だが、最大10台まで登録できる。新たに最大3TBまでのUSB HDDを使用可能とした(従来は最大2TB)。

 USB HDD利用時の制限も緩和されており、「おまかせ・まる録」が内蔵HDDだけでなく、USB HDDに対応。また、「ソニールームリンク」(DLNA/DTCP-IPサーバー)に対応し、USB HDD内の番組を家庭内のソニールームリンク対応機器に配信できるようになった(従来は内蔵HDDのみ)。そのほか、外付けHDDと内蔵HDD間でのコピー/ムーブや、おまかせチャプターの付与、BD/DVDへの直接ダビング等にも対応する。

 レコーダの発売に合わせて、USB接続の外付けHDDも発売する。TV録画用の3TB「HD-T3」と2TB「HD-T2」、PC/TV用の「HD-D2A」を用意し、価格はオープンプライス。店頭予想価格はHD-T3が25,000円前後、HD-T2が15,000円前後、HD-D2Aが14,000円前後。


■ 「もくじでジャンプ」で効率的に視聴。Tabletにワイヤレスおでかけ転送

リモコンに「コーナー目次」ボタン

 効率的に「見る」ための機能強化を図っており、録画した番組中の任意のコーナーを即座に頭だしできる「もくじでジャンプ」に対応した。録画時に取得する電子番組表(EPG)情報だけでなく、番組の目次情報や詳細情報、番組関連のお店や商品情報などのメタ情報をネットワーク経由で取得し、リモコンの「コーナー目次」ボタンを押すだけで、番組中のシーンリストを表示。リストから任意のシーンを選んで頭だしできるというもの。

 番組内の見たいシーンを目次からスグに呼び出し可能で、例えば、バラエティ番組の好きなタレントが出ているシーンだけ、音楽番組の好きなアーティスト箇所だけ、気になるニュースだけ、情報番組の気になるお店だけ、といった呼び出しが可能。


リモコン操作で目次リストから任意のシーンを呼び出し可能に
バラエティの任意のシーンを呼び出し店舗情報も

 番組のシーン情報や番組に付随する店舗情報などのデータは、エム・データが提供するもの。そのため、ユーザーが指定したシーンで区切りを入れる、といったことはできない。メタデータはレコーダのHDD/USB HDDに一旦ダウンロードするため、操作時のレスポンスも高めているという。類似の機能はパナソニックもミモーラ(Memora)というサービスで、月額315円で展開している(目次リストなどは無料でも利用可能)が、ソニーの「もくじでジャンプ」は無料となる。

 なお、もくじでジャンプの番組カバーエリアは、関東、東海(静岡県除く)、関西(一部番組除く)で、その他の地域ではキー局放送番組のみの対応となる。

 リモコンには、録画一覧を一発表示する「録画リスト」ボタンを追加。また、録画番組検索(ジャンル/キーワード)や、タレント名検索などの機能も備えている。

 「ソニールームリンク」(DLNA/DTCP-IPサーバー)に対応し、内蔵HDD/USB HDDの録画番組を家庭内のネットワーク経由で対応タブレットやテレビなどに配信できるほか、放送中の番組のライブ視聴にも対応する(E500を除く)。

 なお、録画番組/放送番組配信については、受信機器や電源ON/OFF状態などにより、動作条件が異なっているが、EX3000/ET2000/ET1000では、録画番組の場合は3番組録画中でも、VAIOやタブレットからストリーミング視聴が可能。放送中番組の場合、電源ON時には1番組までの録画中はストリーミングが可能で、電源OFF時には、2番組録画中でもストリーミングできる。

 また、EX3000とET2000/ET1000以外の機種の放送番組ストリーミング対応は、2013年春のアップデートで搭載予定としている。

おでかけ転送機器でスマートフォン/タブレットPCを選択

 また、新たに「ワイヤレスおでかけ転送」に対応した。これは、Xperia TabletやSony Tabletに無線LAN経由でレコーダ内の録画番組をダビングするもの。録画設定で、「おでかけ転送」用のファイルを同時作成する必要があるが、録画モードQVGA384kbpsで記録した1時間番組の場合、最速2分30秒で転送できる。なお、ワイヤレスおでかけ転送した番組の「書き戻し」には対応しない。

 転送には、BDレコーダコントロール用のアプリ「RECOPLA」を利用。なお、Xpera Tabletは当初より「ワイヤレスおでかけ転送」に対応しているが、Sony Tabletについては10月12日に提供開始予定の「RECOPLA」アップデートと、年内予定のSony Tabletのシステムソフトアップデートにより対応する。また、Xperiaスマートフォンでも対応予定。

 Androidタブレット用アプリの「RECOPLA」は、複数レコーダ/HDD内の録画番組一元管理や、レコーダへの再生指示(リモコン機能)、リモート録画(CHAN-TORU遷移)、もくじでジャンプ(Sony Tablet Pは非対応)に対応。これらは、Xperia/Sony Tablet以外のAndroidタブレットでも利用できる。Xperia/Sony Tabletでは、ストリーミング(録画番組/放送番組)やおでかけ転送にも対応する。

 また、iPad版のRECOPLAも提供開始。レコーダの操作や番組管理、レコーダへの再生指示が行なえる。ただし、ストリーミングやおでかけ転送には非対応。対応OSはiOS 5.1以降で、10月中にApp Storeで配布予定としている。

 全モデルがEthernetを装備するほか、EX3000/ET2000/ET1000では無線LANも内蔵。図解入りでネットワーク設定方法を案内する「かんたんネットワーク設定」にも対応する。


■ EX3000はCREAS 4 Proで4K対応

 フラッグシップモデルの「EX3000」では、高画質エンジン「CREAS Pro」を搭載し、画質改善を図っているほか、4Kアップコンバート出力などに対応。ハード設計も音質を重視したものにするなど、高画質/高音質にこだわった上位機と位置づけられる。EX3000の画質/音質については別記事で紹介する。

 ET2000/ET1000では「CREAS 4」を搭載。超解像、精細感調整、輪郭調整、クリアブラックなどの機能を備えており、3D映像にも適用できる。全モデルでBlu-ray 3D再生に対応する。

 全モデルUSB端子を装備し、AVCHD Ver.2.0に対応。3Dビデオカメラなどで3D映像を撮影するための「AVCHD 3D」と、1080/60p映像「AVCHD Progressive」をサポートしており、3D映像/1080p映像のカメラからの取り込み、編集、書き出しに対応する。EX3000ではメモリースティックPRO Duo/SDメモリーカード対応のスロットを装備する。

 EX3000はHDMI出力を2系統装備、その他のモデルはHDMI出力を1系統備える。HDMI以外は、コンポジット映像入出力×1、S映像入出力×1、アナログ入力×1、光デジタル音声出力×1。EX3000のみ同軸デジタル出力とアナログ音声出力、ヘッドフォン出力を装備。また、EX3000は全端子が金メッキ処理を施している。

BDZ-EX3000の背面BDZ-ET2000の背面

 消費電力は、53W(EX3000)、40W(ET2000)、39W(ET1000)、28W(EW2000)、27W(EW1000)、26W(EW500)、24W(E500)、年間消費電力量は約45.5kWh/年(EX3000)、約33.8kWh/年(ET2000)、約32.1KWh/年(ET1000)、約24.4kWh/年(EW2000/EW1000)、約23.5kWh/年(EW500)、約22.4KWh/年(E500)。外形寸法(幅×奥行き×高さ)と重量は、430×288×81mm/約6.1kg(EX3000)、430×292×57.5mm/約4kg(ET2000/ET1000)、430×239×46.5mm/約2.8kg(EW2000/EW1000)、430×239×46.5mm/約2.6kg(EW500/E500)。


(2012年 9月 18日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]