4K出力対応のソニー最上位BDレコーダ「BDZ-EX3000」の画質/音質強化点
「BDZ-EX3000 |
ソニーは、Blu-rayレコーダを一新し、録画番組の頭出しができる「もくじでジャンプ」や、タブレット連携などを強化した7モデルを10月13日に発売する。その中でも「BDZ-EX3000」(実売30万円)は画質や音質へのこだわりをつぎ込んだフラッグシップモデルとなる。ここでは、EX3000の画質進化ポイントなどを解説する。
なお、レコーダとしての基本機能については、別記事で紹介している。
■ CREAS Proをアップデートし、4K対応
画質面での特徴は映像エンジンに「CREAS Pro」を搭載したこと。2011年モデルの「BDZ-AX2700T」でもCREAS Proを採用していたが、DVDやデジタル放送の画質向上、BD画質向上のための改善を図り、4Kアップコンバート出力に対応した「CREAS Pro for 4K」となった。
デジタル放送画質の改善のため、CREAS Proのピュアイメージリアレイザーと呼ばれる部分にデジタルノイズ除去とリンギング除去機能を追加。映像のエッジ周辺を広範囲に解析し、適応的にリングングを軽減できるほか、平坦部で目立つブロックノイズを平坦度合に応じて適応的に除去するという。
また画質設定モードとしてノーマル/ハイレゾを選択可能になった。ハイレゾモードは、4Kカメラなど高解像度撮影された映像素材を見る時のモードとして用意。4K撮影後にフルHDにダウンコンバートされた映像でも効果があるとする。
HDMIは2系統 |
ノーマルの場合は映像素材の太い輪郭を抑えて高精細かつ自然な画質に調整するが、ハイレゾモードでは、情報量を際立たせてオリジナル映像の精細感を再現するという。
そして4Kのアップコンバート出力に対応。アップコンバートした映像を3,840×2,160ドット/30p、4,096×2,160ドット/24pで、4K対応機器(VPL-VW1000ESなど)に出力できる。
4KアップコンバートのためにCREAS Proで全体的な画像解析を行なった後、適応型アップコンバーターで画素単位で映像解析しアップコンバートし、超解像 for 4Kにより細く、自然な精細感を出すという。HDMI出力は2系統で、ビデオとオーディオを分離して出力可能となっている。
■ アナログもジッタ低減。シャーシ改善など
BDZ-EX3000 |
音質強化のために、シャーシもBDZ-AX2700Tのノウハウを踏襲しながら、新仕様を盛り込んでいる。出力端子はHDMI×2と、アナログ音声×1、光デジタル×1、同軸デジタル×1、ヘッドフォン×1だが、独自の「ジッタノイズ低減システム」をバージョンアップし、アナログを含む全端子でジッタノイズを大幅に低減。新たに追加したGAP付きコアコイルにより低ノイズ化も図っているという。
4mm厚のアルミ天板や偏心インシュレータを採用するほか、サイドパネルにはBMC(Bulk Molding Compound)材を使用。BMCの十分な強度と、適度な振動減衰特性により、外部振動を内部に伝えにくくしたという。電源もさらなる低ノイズ化を図ったほか、ワイドピッチアナログ端子や、カスタムコンデンサ、音質はんだなど、パーツのひとつひとつを見直し、一層の音質向上を図ったとする。DACは32bit/192kHz。
バーチャルサラウンドも新たに3モード搭載。AVルーム、シアター、リビングから再生コンテンツに合わせて選択可能とし、テレビやヘッドフォンの2ch出力で、7.1chサラウンドを楽しめる。また、圧縮音声の時間軸方向の波形応答を改善し、音質を向上させる「Harmonics Equalizer」も新搭載した。
(2012年 9月 18日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]