ラトック、バランス出力/DSD対応USBヘッドフォンアンプ

24/192 PCMとDSDをダイレクト再生。「RAL-DSDHA2」


USBヘッドフォンアンプ「RAL-DSDHA2」

 ラトックシステムは、DSD音源のダイレクト再生に対応し、バランス駆動のヘッドフォンもドライブできるUSBヘッドフォンアンプ「RAL-DSDHA2」を12月中旬に発売する。価格は12万6,000円。

 ヘッドフォン出力として、アンバランスの標準ジャックと、XLRのバランス出力を各1系統搭載したUSBヘッドフォンアンプ。いずれの出力にもプラスとマイナスの2電源によって構成される「OCL」回路を採用。出力コンデンサを使わないOCL回路を採用する事で、全帯域で誇張のない、フラットな周波数特性を実現したという。定格出力は、バランスが84.7mW(68Ω)、アンバランスが910mW(68Ω)。各ヘッドフォン出力には、専用レベル設定(可変抵抗)を搭載し、ハイインピーダンスヘッドフォンから高能率のイヤフォンまで、細かなボリューム調整ができるという。

 DACとして、Wolfson製「WM8741」を搭載。PCMとDSDデータの両方をダイレクトに処理できる。PCMは最高24bit/192kHz、DSDはDoP Standard準拠のマーカ付DSD(2.8224MHz)に対応する。

 DSD再生では、USB経由でDSDをネイティブ再生できるDoP(DSD Audio over PCM Flames)方式に対応。DSD音源をリニアPCMに変換することなく、ネイティブ再生できるのが特徴。ただし、このDoP方式に対応する音楽再生アプリ(HQPlayer/foobar2000/Audirvana Plusなど)を使う必要があり、foobar2000の場合は、sourceforgeで配布しているプラグインをインストールする必要がある。

 PC/Macとの接続はUSB 2.0を使用。Windowsの場合は、添付CD-ROMからUSB Audio Class 2.0のドライバーをインストールする必要がある。対応OSはWindows XP/Vista/7/8で、32bit/64bitのどちらにも対応。Mac OS 10.7以降は標準ドライバーで動作する。

 内部の10MHz基準クロックから生成した低ジッタのオーディオ用マスタークロックを直接DACに供給。正確なタイミングでDA変換ができ、歪の少ないアナログ波形を生成。高精度な変換ができるという。また、BNCの外部クロック入力も備えている。

ライン出力も備えている

 背面にRCAのアナログ音声出力も装備。単体DACとして使う事もできる。また、USB入力などのデジタル処理部のグランドとDAC、アナログ部のグランドを完全分離。4層基板やインピーダンスを制御した基板パターン、部品配置も組み合わせ、グランドを通したノイズの伝播や相互干渉を防いでいる。

 外形寸法は約300×217×60mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約2.5kg。消費電力は最大20W。USBケーブルやドライバCDを同梱する。


 また、アンプの発売に合わせ、ゼンハイザーのヘッドフォン「HD650」用と、「HD800」用のバランス接続ヘッドフォンケーブルも発売。長さはどちらも2.5mで、PCOCC-A導体を採用。シールドに銀メッキOFCスパイラル線を使い、アラミド繊維やテトロンスリーブによって、耐久性と柔軟性を両立させたという。価格はどちらも19,950円を予定。ケーブルの取り扱いは、オヤイデ電気秋葉原店、ラトックシステム、および一部オーディオ店限定となる。


「HD650」用バランスケーブル「HD800」用バランスケーブル

(2012年 11月 29日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]