ニュース

東和電子、超小型コンポ「NANOCOMPO」第1弾プリメイン発表

USB DAC内蔵で73,500円。省電力ながらパワフル/高解像度

プリメインアンプ「NANO-UA1」。なお、写真の筐体カラーは最終のものではなく、実際の製品では変更になる

 東和電子は、「Olasonic」(オラソニック)ブランドのコンパクトなコンポ「NANOCOMPO(ナノコンポ)」のシリーズ第1弾として、USB DAC機能を内蔵したプリメインアンプ「NANO-UA1」を4月下旬に発売する。価格は73,500円。カラーはプラチナホワイト。

 NANOCOMPOは、開発コンセプトとして「可能な限り小さく」、「美しくバリュー感があり」、「大型商品に負けない音質を備え」、「パソコンとの親和性が高く」、「買い足していける統一されたデザインと操作性を持ち」、「縦置きでも使え」、「手持ちのCDも生かせるもの」を掲げたシリーズ。昨年10月の音展(オーディオ・ホームシアター展)で開発発表が行なわれ、その第1弾モデルが「NANO-UA1」となる。

 今後のラインナップ展開としては、CDトランスポート「NANO-CD1」と、DAコンバータ「NANO-D1」を夏商戦前までに発売する予定。価格はいずれも未定。

こちらが製品版のカラーリング
縦置き用のスタンドも用意する予定。このスタンドも最終版ではない

 今後発売されるモデルも含めて共通する特長は、外形寸法が149×149×33mm(幅×奥行き×高さ/突起含まず)と小型の筺体を採用している事。重ねても場所をとらず、縦置きもできる事から、省スペースで設置できる。

 「NANO-UA1」は、コンパクトな筐体に26W×2ch(4Ω)、13W×2ch(8Ω)のデジタルアンプとUSB DAC機能を搭載したモデル。入力端子は、USB、同軸デジタル、光デジタル、アナログ音声(ステレオミニ)を各1系統搭載する。

正面から見たところ
背面
片手で楽に持ち上げられるサイズと重さ

 USB DACは24bit/96kHzまで対応しており、ドライバをインストールせず、PCとUSBで接続するだけで利用可能。同軸/光デジタル入力は24bit/192kHzまでサポートする。対応OSは、Windows XP/Vista/7/8。Mac OS 9.1/10.1以降もサポートする。

 入力されたUSB/同軸/光デジタル信号は、TI バーブラウンのアシンクロナス・レートコンバータ「SRC-4392」を用いて、全て24bit/192kHzにアップサンプリング。ジッタを遮断し、バーブラウンのDAC「PCM1792」でアナログ変換する。IV変換回路にはバーブラウンの「OPA2132」を使用している。クロックはTCXO(温度補償型水晶発振器)。

 デジタルアンプは、TIのTPA3118を、1.2MHzの高速スイッチング周波数でドライブ。「力強さと繊細さを両立した」という。また、同社の卵型スピーカーで培ってきた、小電力電源で大パワーを実現するSCDS(Super Charged Drive System)も採用。

左が新しい試作機、右がそれ以前の試作機。縦置き時の美観を考慮し、ネジ穴を隠す位置に、四角いインシュレータが取り付けられた。なお、左の試作機も最終ではなく、インシュレータを取り付けているネジ穴も隠される予定

 SCDSとは、内部搭載した大容量のキャパシタ(コンデンサ)を使う技術で、音楽が静かな時にキャパシタに充電を行ない、大音量が必要な時に一気に放電することで、大パワーを得るというもの。これにより電源効率を大幅に向上させており、無音時は約5W、最大出力時でも約20Wの低消費電力を実現している。

 ボリュームには、操作時の感触を重視し、ロータリーエンコーダやモーターボリュームを使わず、メカニカルボリュームを採用。なおかつ、リモコンからのボリューム制御にも対応させるため、リモコンからの指令を受け取るとフロントパネルの「RM」ランプが点灯し、内部でリモコン用のボリューム値として増減できる。再びボリュームつまみに触れると、制御がリモコンからツマミへと移り、ツマミが指定していたボリューム値へと戻る仕組みになっている。

 ヘッドホン出力も備え、ヘッドフォンアンプ部にもOPA2132を採用。出力段をダイレクト出力(OCL)とし、低域を充実させている。

 周波数特性は5Hz〜80kHz。電源はACアダプタを使用。重量は本体のみで890g。リモコン、ACアダプタ、USBケーブルが付属する。

スピーカーターミナル部分
ACアダプタはコンパクト。USBケーブルも付属する
付属のリモコン

音を聴いてみる

 実際に音を聴いてみよう。スピーカーは、KEFのLS50や、卵型スピーカーに雰囲気が少し似ているBlueroom Loudspeakersの「mini pod」を使用した。

 音の前に設置性の印象は非常に良い。CDアルバムのジャケットサイズ程度であるため、ノートPCを置いた机の上でも、左右のスペースに気軽に設置できる。また、縦置きも可能であるため、左右にスペースが少ない場合や、机の奥行きが短い場合でも対応できそうだ。

ノートPCの周囲に設置したところ

 まずCDプレーヤーと同軸デジタルで接続。まず驚かされるのは再生音のクリアさで、 「藤田恵美/camomile Best Audio」から「Best OF My Love」を再生すると、ベースの弦の描写が非常に丁寧。倍音の響きも色付けが少なく、木のぬくもりが感じられる。

 同時に、「ズーン」と胸を圧迫されるような音圧の高さも同居。デジタルアンプとは思えない馬力のある中低域で、「繊細だけれどパワーはそれほどでもないだろう」という先入観が気持よく裏切られる。無音時5W、最大時でも20Wの消費電力とは思えない腰の座ったサウンドで、大容量キャパシタに充電し、大音量再生時に放電する「SCDS」技術が効いていると感じる。

 「DOES/バクチ・ダンサー」のような疾走感のあるロックも、ドラムのアタックの強さがシッカリ表現され、ヴォーカルとギターなどの背後の音との分離も明瞭。情報量の多さと重心の低いドッシリとしたサウンドが両立されており、ガチャガチャした描写にならず、音が重なって音楽が構成されているのがよく見える。

 PCとUSB接続し、foobar2000を使ってWASAPIモードでハイレゾ音源を再生すると、設置したスピーカーの左右を遥かに超える広い音場が出現。そこに明瞭な定位の音像が浮かぶ。ボリュームを上げても像はぼやけずシャープ。腹に響くようなオーケストラの低音を響かせる。約7万円の手のひらサイズのアンプがドライブしている音とは思えない、堂々とした鳴りっぷりだ。

 サイズや価格、機能の面でPCと非常に親和性が高く、なおかつフルサイズの高級コンポにも負けないクオリティも備えており、要注目の製品と言えそうだ。

 なお、使い勝手の面では、前述のようにボリュームノブ操作時と、リモコン操作時で主導権が移動するのがユニークだ。例えば、ボリュームノブで控えめな音量にした後で、リモコンで音量を上げて聴いていると、ボリュームノブに少し触れるだけで小さな音量に戻るため、ミュート機能のような感覚で使う事もできる。ただ、逆にノブで大音量にして、リモコンで小さくした事を忘れ、ノブに触ると急に大きな音になって驚くので、どちらをメインにするか決めておいた方が良いかもしれない。

Olasonicの卵型スピーカー(左)、Blueroom Loudspeakersの「mini pod」(右)とのサイズ比較

(山崎健太郎)