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【ヘッドフォン】アンプ交換可能なHiFiMANのハイレゾプレーヤー

ラトックはUSBヘッドフォン。NANOCOMPO新機種も

あいにくの空模様となったが、開場前からヘッドフォンファンが列を作っていた

 東京・中野のAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「春のヘッドフォン祭 2013」が11日に開催された。ここではHiFiMANやラトックなどのブースをレポートする。

HiFiMAN

HM-901

 トップウイングは、6月頃の発売を予定している、HiFiMANのハイレゾ対応プレーヤー「HM-901」の発表講演会を開催した。「HM-901」は、「4年の研究開発期間と、HiFiMANの持てる全ての技術力と情熱を注ぎ込んだ」というフラッグシッププレーヤーで、予約価格は99,900円。プレーヤー内蔵のアンプがカード型になっており、別売アンプカードと交換する事でグレードアップでき、ハイエンドタイプのアンプカード(3万円)などもラインナップされる。交換はユーザーが行なえる。

 WAV/FLACやApple Losslessを含む、最高24bit/192kHzまでのハイレゾ音楽ファイルの再生に対応したポータブルプレーヤー。ESSのES9018 32bit DACを2個搭載。さらに、その後のローパスフィルタ部分には、高価なオペアンプ「OPA2107」と「OPA627」を各2個搭載するなど、豪華な仕様になっている。メモリカードはSDXC(128GBまで)に対応する。

上部のイヤフォン出力とボリューム
左側面。上部にバランスとノーマルの切り替えスイッチがあり、別売のバランス駆動用アンプカードを装着すればバランスアンプ搭載プレーヤーになるという。出力端子はステレオミニで、バランス時は4極プラグのバランス接続となる
右側面。ゲインの切り替えと「HD/Vintage」という切り替えがあり、「HD」がハイエンドヘッドフォンなどに向けたフラットなバランスのモードになるという

 電源は±7.4Vの電池パックで、DC-DCスイッチングコンバータを使わず、電圧差14.8Vの直流電源を供給。バッテリ駆動時間は9時間。さらに、ポテンショメーター方式のボリュームも搭載。無線LAN機能も備え、ミュージックサーバーとしても機能するという。

 前述の通りヘッドフォンアンプカードの選択・交換ができるほか、底部に専用のドック端子も装備。そこから同軸デジタルの入出力、USB接続が行なえ、別途4万円でスタンドにもなるドックコンポも発売するなど、拡張性の高さも特徴となる。

底部のドック端子
別途アンプカードの交換で、音質をグレードアップできる
RE-600

 他にもブースには、HiFiMANのカナル型(耳栓型)イヤフォン新製品「RE-600」試作機も参考展示された。

ラトックシステム

 展示の目玉として、USB DACを内蔵したヘッドフォン「REX-UHPB1」を参考展示。6月下旬の発売を予定しており、価格はオープンプライスだが、「1万円を切る価格を目指している」という。

 PCとUSB接続するヘッドフォンで、TIの「TPA6111」を左右チャンネルに各1個搭載した、デュアルモノラル構成。バランス駆動、左右独立ヘッドフォンアンプにより、分離感やクロストーク特性、表現力を高めているという。入力データは16bit/48kHzまでの対応となる。

USB DACを内蔵したヘッドフォン「REX-UHPB1」。会場で試聴したが、1万円を切るとは思えないクリアでセパレーションの良い再生音を実現していた

 また、既発売のバランス駆動対応ヘッドフォンアンプ「REX-KEB01F」(18,900円)に関する展開として、「REX-KEB01F」に付属している、入力用のステレオミニケーブルを、オヤイデ製のハイグレードなものに変更した「REX-KEB01」を6月下旬に19,950円で発売予定。「REX-KEB01F」は初期ロットが終了次第、「REX-KEB01」に切り替わるという。

 「REX-KEB01」と「REX-KEB01F」は2.5mmのモノラルミニミニ端子×2を採用したバランスヘッドフォンアンプで、ユーザーが手持ちのイヤフォン/ヘッドフォンを利用するためには、2.5mmプラグのバランス接続用ケーブルに改造する必要があるが、それをせずに利用できるようにする“交換ケーブルセットモデル”も参考展示。

 6月下旬に発売予定の「REX-KEB01C2」(25,200円)には、ゼンハイザーのヘッドフォン「HD25-1 II」専用の2.5mmバランスケーブルを同梱する。今後も他のヘッドフォンに対応するため、コネクタの異なる2.5mmバランスバランスケーブルを拡充していくという。

ゼンハイザー「HD25-1 II」接続用ケーブルとのセットモデル
ShureなどのMMCXコネクタに対応する試作ケーブルも展示されていた

Olasonic

 Olasonic(東和電子)のブースでは、超小型の「NANOCOMPO(ナノコンポ)」シリーズとして発売している、USB DAC搭載プリメインアンプ「NANO-UA1」や、CDトランスポート「NANO-CD1」をアピール。

 さらに、夏に発売を予定しているハイレゾ対応DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「NANO-D1」(価格未定)も参考展示。試聴が可能になっていた。24bit/192kHzまでに対応し、入力はUSB/同軸/光デジタルを装備する。現時点でもクオリティの高い再生音が体験できたが、音質は最終ではなく、「まだもう少しチャレンジしたい要素が残っている」とのこと。

 また、既報の通り、ステレオサウンドから5月28日に発売されるPCオーディオ専門雑誌「DigiFi(デジファイ)」第10号(3,300円)に付属する、USB DAC機能を備えたデジタルヘッドフォンアンプも展示。このアンプの設計・生産はOlasonicが担当している。

DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「NANO-D1」
USB DAC搭載プリメインアンプ「NANO-UA1」、CDトランスポート「NANO-CD1」
DigiFi 第10号付属のヘッドフォンアンプ

フルテック

密閉型ヘッドフォン「H118」

 4月から発売を開始した、ADL(ALPHA DESIGN LABS)ブランドの密閉型ヘッドフォン「H118」(実売23,100円前後)を展示。同社初のヘッドフォンで、耳をすっぽりと内部に収納できる縦長のイヤーカップ形状(Alpha トリフォーム・イヤーカップ)が特徴。密着度が高く、無駄な空間を排除することで、ダイレクト感の高い音を実現するという。見た目はコンパクトだが、装着すると、耳の周囲をしっかりとカバーしてくれる安心感がある。

 5月下旬に発売を予定しているのが、PCやiPhoneなどとのデジタル接続に対応した、DAC内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ「ADL X1」(41,790円)。iPhoneなどとデジタル接続時は16bit/48kHzまで、PC接続時は24bit/192kHzまでのデータに対応するDAC搭載アンプで、ヘッドフォンはインピーダンス12~600Ωまでのモデルに対応可能。3.5mmの光デジタル出力も備えており、DDCとして使うこともできる。

 ユニークな機能として、マイク&リモコン付きケーブルのイヤフォンやヘッドフォンを接続した時用に、アンプを介しても、それらの制御も使えるようにする機能を搭載。ソニー製品とアップル製品の切り替えスイッチも備えている。

DAC内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ「ADL X1」。ADLブランドのLightningケーブルなども予定されている

(山崎健太郎)